如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

【注目商品】効果が大きい家庭用トイレの消音装置

注目商品の紹介企画「第1回」

 

 今回は、いつもとは趣向を変えて、【注目商品】として、日ごろ気になっている商品を紹介することとする。今後もこの企画は不定期に掲載したい。

 

 我が家は戸建てなのだが、1階のトイレがリビングと隣接していて、トイレを利用する際の「音」が漏れていないかいつも気になっていた

 男性の私が気になるぐらいだから、女性はもっと気にしていたと思う。

 

 こうしたなか、日ごろ通院しているクリニックのトイレを使ったら、すぐに川の水流の音が鳴りはじめてびっくりしたのだが、これが壁に設置された小型の「消音装置」であることにそう時間はかからなかった。

 

 クリニックのトイレも待合室に隣接しているので、おそらく受付の女性が気を利かせて設置を提案したのだろうが、実際に使ってみてすぐに「これは家でも使える」と確信し、さっそくAmazonのサイトで同じ商品を探し、購入した。価格は2980円。以下の商品の画像である。

 

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トイレ用の消音装置

 商品名は「トイレ用擬音装置」というのが一般的のようだが、「流水音発生器」などの名称もあるようだ。

 

 今回購入したのは、中国製の製品のようだが、説明書には日本語の記載もある。ただ裏ブタを開けて、単三電池を3本入れて、2つの黒いツマミで「センサーの感度」「音量」を調整するだけなので、設定や取り付けに悩むことはないだろう。

 ただ、センサーの感度は結構高いので、低めに設定した方がいいかもしれない。

 

 使い方は簡単。センサーが人を感知すると自動的に設定された「音(4種類あるがデフォルトは川のせせらぎ)」が35秒単位で5回流れる。何回目かは緑色の5つのLEDで

表示される。5回目が鳴り終わったら呈するが、手をかざせば再び鳴り始める。

 逆に音が不要だと感じたら、正面のボタンを押せばすぐに止まる。

 細かい話だが、外国語の使用説明書のシールも添付されていて、外国人向け需要もあるらしい。

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4カ国語の説明書シール

 家族に感想を聞いたが、そこそこ好評だった。「そこそこ」というのが微妙な表現なのだが、女性が「すごく」良かったというとそれまでの「音」を気にしていたことが分かってしまうので、あえて控えめな表現をしたのだと個人的には「前向きに」解釈している。

 

 同様の商品としては、オーム電機が「おトイレの消音 流水音発生器」として1300円前後で発売しているが、こちらはセンサー機能はないので、手動でボタンを操作することになる。

 一方、TOTOからは「音姫」という商品名で発売されているが、価格は1万2000円以上と高いうえに、音も2種類からしか選べない。重さも大きさも2倍近い。しかも電源コンセントが必要になる。

 

 あと、Amazonで購入する際に気になるのが「レビュー」だろう

 この記事を書いている時点でレビューは77件。★5は52%と過半を占め、★4つを加えると73%に達する。★1つや★2つのレビューもそこそこある(合わせて22%)ので、「ヤラセ」だけのレビューだけではなさそうだが、★5の一部にはその疑いが強いレビューが存在するのも事実。

 

 元「Amazonベスト100レビュアー」である私の個人的な使用感を言えば、「値段の割には使える」というのが正直な感想。ただ耐久性についてはまだ何とも評価できない。

 

 ただ、3000円程度の商品で家族の女性から有難られて、お父さんの評価が上がることを考えれば、値段の割にコスパは悪くないとは思う。ご参考まで。

 

中古マンションの成約件数が上昇、購入時に「内側」の調査は不可欠

中古マンション販売、新築を上回る…条件に合う物件が格段に増加、“築深”が狙い目(ビジネスジャーナル)

住宅ジャーナリスト・山下和之の目

 

 マンション市場で、中古物件の人気が高まっているようだ。

 11月30日付けのビジネスジャーナルに住宅ジャーナリスト・山下和之氏の「中古マンション販売、新築を上回る…条件に合う物件が格段に増加、“築深”が狙い目」という記事が掲載された。

 

 2000年には10万件近い販売物件があった新築マンションが、その後急速に減り、2016年以降は3万7000件台で推移しているのに対して、中古物件は2000年以降じわじわと増えており、2017年、2018年は新築数とほぼ並んだが、2019年はこれが大きく逆転する可能性があると記事では指摘している。

 

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 記事にある「新築」と「中古」のマンションの累積件数のグラフを見ると、確かに「大きく」差が開いている。ただ、記事では「10月までの合計では両者の差は1万件以上」としているが、グラフを読み取ると、その差は「3万件」の誤りのようにも見えるのだが・・・

 

 山下氏は、物件を探している人は新築にこだわらず、中古にも目を向けることで、購入対象となる部件数は2倍に増えるとアドバイスする一方で、中古物件の築年数にも注目。「築31年以上の物件の割合は08年には15%ほどだったのが、18年には35%以上」に達していると指摘している。

 

 新築好きの日本人が、中古にも目を向けるようになるのは悪いことではない。山下氏の言うように対象物件が大きく増えるのは確かだ。

 

 また、「現物」を確認できるので、内外装やベランダからの景色が実感できるほか、共用施設の利用状況や、住んでいる住民の雰囲気も把握できるかもしれない。イラストと仮想画像でしか完成図を見られない「青田売り」の新築にはない中古の大きなメリットだ。

 

 ただ、気になるのは記事にもある「築年数」の問題。先述のように東日本不動産流通機構の調査では、すでに首都圏の仲介市場で新規登録されたマンションのうち3戸に1戸は築31年以上の物件である。

 また、同機構の月例マーケットウォッチ10月度(データ)によれば、首都圏の中古マンションの成約状況では、築年数が初めて22.16年と22年の大台に達している。中古物件の「高齢化」は確実に進行している。

 

 築30年と言えば、2度目の大規模修繕を迎える時期。物件の状況次第では「給排水管」や「エレベーター」の更新が必要になるかもしれない。一回目の大規模修繕で多額の費用を遣ってしまった場合、修理費不足のため管理組合から数百万円規模の「一時金」の支払い要請が来る可能性もある。

 

 とは言え、山下氏が指摘するように近年の新築物件の価格上昇に合わせる形で、中古物件の価格も上がっており、特に立地のいい物件は新築並みの価格が付くこともある。これでは中古のメリットは減少する。

 山下氏は、記事の最後で「“中古マンション主役元年”のメリットを最大限享受するためには、築深物件に注目する必要がありますが、その見極めは簡単ではありません」と、その具体的な“見極め方”を次回の連載に持ち越している。

 

 ここは「斜め視線から」をウリにしている当ブログならではの個人的な見解を述べておきたい。

 

 中古物件の購入で注意を払うべき項目に「築年数」があるのは確かだが、先に述べたように「外観」「内装」「住環境」といった“外面”からの確認は容易だし、様々なメディアでもその見分け方は紹介されている。それはそれで確認すべき“必要”事項だが、これで“十分”ではないのだ。

 

 マンションには必ず管理組合があり、年に一度以上の総会を実施し、その議事録を残すことが義務付けられているほか、管理規約や長期修繕計画に関する内容も書類として整備されていることになっている。

 

 マンションの管理規約や、これら「議事録」などの資料は、マンションの実態を“内面”から知るのに大いに役立つのだ。住民が今問題にしている点や、それに対する組合の対応などは購入前に知っておくべきだろう。

 

 このようにマンション購入に当たっては、物件の「外面」「内面」の両側からの調査・確認が不可欠なはずなのだが、現状では購入者も仲介業者も、「外面」にしか関心を示していないのが実態だろう。しかもその「外面」も素人が見て分かる程度のことしか対象にしていない。 

 こういった流れを是正するため、ホームインスペクション(住宅診断)を説明義務化する「改正宅建業法」が、2018年4月に施行されたが、様々な課題もあって中古媒介市場で十分に機能しているとは言えない状況だ。

  やはり、マンション購入にあたっては「内部情報」を確認する手間を惜しんではならない

 

 では、この議事録などの内部資料をどうやって入手するかだが、多少の費用はかかるが不動産会社に頼めば、管理組合からコピーを受け取ることが可能なはずだ(閲覧しか認められない可能性もある)。できれば3年分ぐらい確認しておきたい。

 

 議事録の閲覧・開示を要請した際に、それを拒むような管理組合のマンションや、その手間を嫌がる不動産屋は見切った方がいい。購入後に後悔する可能性が高いからだ。

 

 というのも、区分所有法第三十三条には「利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない」と明記されている。

 また、同法律の第四十四条第5項目には「第三十三条の規定は、議事録について準用する」と書かれている。このことは6月30日付けのブログでも書いた。

 

 閲覧が義務付けられている資料の開示を拒絶するからには、「それなりの知られたくない内部事情」があるからに間違いないはずだ。こういった不安要素がある中古マンションを避けるべきなのは言うまでもないだろう。

 

 以上、中古マンションを購入する際には、「内面」「外面」両方からの調査・確認を行うことを強く勧めたい。

需要高まるシニア婚、成功の決め手は「自分」を分かっているか

「50代で再婚できる人」とできない人の明確な差(東洋経済オンライン)

旦木 瑞穂 : ライター・グラフィックデザイナー

 

 巷では、中年世代以上の婚活事情が活性化しているらしい。

 11月29日付けの東洋経済オンラインに、「『50代で再婚できる人』とできない人の明確な差」という記事が掲載された。

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 記事では冒頭、「近年、生涯独身人口が増加している一方で、熟年世代の婚活が活発になっている」で始まり、45歳以上から入会できる結婚相手紹介サービス最大手のオーネットのサービス「スーペリア」の会員が、2015~2017年までの間に約3倍になったこと。

 また、創業60年の30代・40代・中高年・シニアを専門とした結婚情報サービスを展開する茜会では、少し前から50代が増加し、最近では60代、70代が増えてきたことを紹介している。

 

 会員の婚歴だが、オーネットは未婚率は28%、茜会は0~50代は初婚の方多く、50~60代は初婚と離婚された方が同程度だそうだ。

 

 ここまでは、婚活市場のいわば「客観的なデータ」。気になるのは、どういう人たちが結婚に成功もしくは、失敗しているのかという具体例だろう。

 

 当然ながら記事でも成功例、その逆の例をそれぞれ4つ紹介している。またうまくいかない事例については、その理由もコメントしている。ちなみに成功例にはコメントはない。

 

 具体的な内容は記事を読んで頂きたいが、失敗する傾向として「自分が選ぶ」という姿勢の人が多いことを挙げている。

 

 ここからは個人的な感想だが、成功した人の事例を見ると、「子供がいない、もしくはすでに独立している」という共通項目が目を引いた。

 4例のうち、離婚が3人、死別が1人。別離からはいずれも2年以上が経過しているが、行動を開始してからは1年以内に成婚している。

 

 再婚に関することわざに「去り跡へ行くとも死に跡へ行くな」というのがあるが、現代では年月が経てば新たな人生に向けて、離婚・死別の差を問わず、再婚への意欲が高まってくるのかもしれない。

 

 一方、うまくいかない方の事例は「なるほどね」と合点のいくものばかりだ。

 例としては「高い理想を相手に求める」「自身の年収や学歴が低い」など、自分に対する社会的かつ一般的な評価を冷静に認識できていない(もしくはしたくない)ことに尽きる。

 

 また記事では、女性は「経済依存」「入籍ありき」、男性は「親との同居」「婚歴なし」が不利な条件になっていると指摘している。

 

 これも私見になるのだが、うまくいかない女性の事例をみると、「年収」「学歴」「趣味」「ビジュアル」など男性に求める条件が、やたらに多いのが気になった。

  再婚なので慎重になる気持ちは分かるが、一般的には年齢が高いことは女性の方に不利に働く要因になりやすいはずだ。

 

 相手に求める条件に見合った資質を自分の方でも備えているのであれば、構わないのだろうが、そのような好条件の女性は婚活市場に出てくる前に、再婚相手が見つかる可能性が高いだろう。「分相応」という言葉を参考にしてほしい。

 

 もちろん男性側の事例にも問題はある。「料理ができて子供がいないことを希望」、「56歳まで親と同居」など、もう少し現実を見た方がいいのではないか、とアドバイスしたい。

 

 記事では、「うまくいくかいかないかは、ほんのちょっとの差。タイミングや努力次第だと思います」と茜会のコメントを紹介しているが、うまくいかない人の事例を見る限り、「ちょっと」どころの差ではなく、「大いなる」勘違いが原因ではないかとも思える。

 

 ここまでシニアの婚活事情について書いてきたが、世の中全体でみれば生涯単身のままの「ソロ化」が進行しているのも事実。

 趣味などの遊び友達や相談相手を求めるのであれば、「結婚」は絶対の必要条件ではないだろう。

 今回の記事には、オーネット社部長の「(50代で)結婚となると、資産や子どもの問題などが関わってくる。だから取りあえず、一緒にいて楽しい相手、気の合うパートナーを探したい……という方が増加しています」というコメントが紹介されている。

 

 近い将来、「結婚」にこだわらず「パートナー」という選択が、シニアの間ではより普及していくのではないかと思った。

金融庁が金融知識の普及要員を公募――やりがいはありそうだが・・・

金融庁「おもしろ求人」発見で考えた、投資教育で伝えるべき7つのこと(ダイヤモンドオンライン)

山崎 元:経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員

 

 最強の金融庁長官と呼ばれた森長官の時代から、その存在感と影響力を高めてきた金融庁が、知識普及関連業務に従事する職員を募集している。募集をWebサイトで公開したのは11月20日だが、この試みについて経済評論家の山崎元氏の記事「金融庁『おもしろ求人』発見で考えた、投資教育で伝えるべき7つのこと」が11月27日付けのダイヤモンドオンラインに掲載された。

 

 個人的には山崎氏を、国内系及び外資系の金融機関に10数社勤めた異例の経歴を持ちながら、現在は「個人目線で金融商品への投資」に的確なアドバイスをしてくれる信頼できる「数少ない」業界出身者の評論家だと思っている。

 実は20年以上前にまだ山崎氏が外資系の証券会社で仕事をされていた頃に、一度仕事でお会いしたことがあるのだが、当時から忌憚のない意見をする意外な”業界人”だったと記憶している。

 

 さて、記事では、募集人員の解説に始まり、その実際の仕事としては「テキスト作り」が重要になるとし、そのテキストで取り上げるべき重点項目として「生活におけるお金の意味」など7つを挙げている。

 

 重点項目の具体的な内容は記事を読んで頂くとして、記事の視点として興味深かったのは、採用された職員の仕事のスタイルについてだ。

 先に述べたように、全国各地を回って学生や教員、社会人に金融知識を教えるのだから「やりがい」はあるとしつつも、金融庁内での意見や見解の合意は言うまでもなく、投資理論には欠かせない数学の知識も必要になるため、文部科学省との交渉もする必要性を示している。

 

 これは現実的かつ正しい指摘なのだが、個人的には日本銀行が統括する金融広報中央委員会との交渉が一番重要ではないかと思っている。

 というのも、同委員会は「金融リテラシー・マップ」として、「生活スキルとして最低限身に付けるべき金融リテラシー」の内容を具体化して、年齢層別にマッピングした(対応づけを行った)もの」を公表(2016年1月改訂)しており、具体的には「金融教育プログラム『学校における金融教育の年齢層別目標』」として、例えば「金融や経済の仕組み」などの分野別に、小学生低学年から高校生に至るまで学年別に習得すべき内容を細かく定義している。 

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学校における金融教育の年齢層別目標(金融広報中央委員会の資料)

 金融知識の社会普及についてすでに経験も実績もある同員会との調整なしで、金融庁がどんなに優れたテキストを作成、奮闘しても、世の中に普及するとは限らない。

 信託報酬の安い、投資家にとって有利な投資信託よりも、自分たちが関与する(評価に繋がる)投信を売りたがる金融業界の構図とそういう意味では似ていると言えないもない。

 ただ、委員会の顧問には金融庁長官もいるので、上からスジを通していけば大きな問題とはならないのかもしれないが。

 

 記事では最後に、お金の運用に関わる金融機関が「ビジネスをしている」ことの意味を伝えることの重要性を考慮し、「金融のみではない消費者教育の一環として教えるべきだろう」と指摘しているが、これは、正しい方向性を示してると思う。

 現在、消費者に直結した資格としては「消費生活アドバイザー」があるが、そのカバーする範囲は広く「金融商品」については、専門家とは格差があるのが実態だろう。

 ただ、彼らの持つネットワークを活用して、金融庁が新たに作成した「分かりやすいテキスト」を元に金融知識を深めてもらうという手法は検討の余地がありそうだ。

 

 いずれにせよ、内外の関係者との調整やテキスト作りで大変な仕事ではあるだろうが、「金融知識の普及」で正々堂々と社会貢献しているという点では、金融機関の店頭で良心の呵責に悩ませながら「手数料の高い商品を売り込む」よりもよっぽど「やりがいのある仕事」ではあるはずだ。

 

 最後に、この金融庁の職員募集だが、締め切りは12月4日の当日必着であること、それと募集しているのは「1名」ということを一応確認しておきたい。

 やりがいのある仕事は、競争率も高いのはどこの業界でも同じなのである。

 

消費者の節約傾向に変化、一段と「資産価値」重視に

お金が貯まる人があえてブランド品を選ぶワケ(東洋経済オンライン)

松崎 のり子 : 消費経済ジャーナリスト

 

 節約志向というと、主婦が一円でも安い日用品などを求めて行動というイメージがあるのだが、最近はこの傾向に変化が出ているらしい。

 11月26日付けの東洋経済オンラインに「お金が貯まる人があえてブランド品を選ぶワケ」というタイトルの記事が掲載された。

 

 記事では前段で「節約意識が高い消費者が、より価格が高いものを購入するようになっている」という風潮を紹介、「安さ」が節約の決め手とはならなくなってきたとしている。

 

 この根拠として、フリマアプリ「メルカリ」のプレスリリース「2019年度「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査」を引用、「フリマアプリ利用者の約3割が「新品の商品購入単価が上がった」ことを紹介している。

 ちなみにこの調査結果では、「フリマアプリ利用・非利用者を問わず、購入する商品は新品であることを重視する割合が減少。非利用者は昨年対比5.0%減少。利用者は昨年対比2.1%減少」という結果も明らかにしている。

 

 結論から言えば、記事にあるように消費者が、「売れるものを買う」という選択をしているからに他ならない。

 つまり、購入価格が高くても、その分フリマで高く売れれば実質的な負担はその差額で済むので、安い品を買って売れずに抱え込むよりもメリットが大きいということだ。

 

 ちなみに、記事では「腕時計ならロレックスがダントツの人気、不動の地位」、「ブランドバッグも同様だ。人気のトップスリーは、エルメス・ヴィトン・シャネル」だそうだ。

 

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 こうした資産価値というか将来の売却価格を想定して、購入する商品を選択するというのは、マンションなどの不動産や、下取りを前提にした乗用車などでは一般的になっている。

 こうした流れが、高額商品から腕時計やバッグなどのやや低価格帯にまで普及してきたということだろう。

 最近は、「ミニマリスト」とか「断捨離」といった必要最小限のモノしか家に置かない人たちが増えていることも影響しているかもしれない。

 つまり、モノを購入する基準が「所有」から「利用」へと価値観が変化しているのだ。

 

 個人的な事情を紹介すると、最近凝っている私の数少ない趣味のひとつにPCゲームがあるのだが、新品を購入することはない。デジタル商品なので中古でも内容自体は劣化しないという事情もあるが、商品にもよるが大体定価の半値で購入できるからだ。

 

 加えて、ゲームを楽しんだ後は購入先に中古品として買い取ってもらうのだが、この際に対象となるゲームの買い取り額が一定以上だと、査定額が20%アップするというキャンペーンが開催されることが結構な頻度である(キャラクター商品や各種ゲームの中古品流通では大手の駿河屋の場合)。

 

 さらに言えば、PCゲームの価格には「古くても面白いものは高いが、新しくてもつまらないものは激安」という傾向があるので、購入する際には「多少高くても買い取ってもらう際に高いゲームを選んだ方がお得」ということになる。

 この行動は、まさに高級ブランド品を購入する考え方と同じだ。購入する際の初期費用は高くても、最終的に「良い品を安く利用できる」訳だ。

 

 ちなみに乗用車では、トヨタが高級ブランド「レクサス」6車種に加え、その他13の車種で「KINTO」として、月額利用料金制のサービスを開始している。料金は最近デビューした小型SUV「RAIZE」なら月額39,820円(税込)、レクサスだと月額198,000円からと跳ね上がるが、こちらは6カ月ごとに新車に乗り換えられる。

 

 以上から将来を想定すると、購入の決め手が「利用価値」が主流になり、しかもその商品の価格帯が一段と低下していく可能性がある。

 

 身近な例を挙げれば、デジタルコンテンツを手掛けるDMMの電子書籍の一部は、2日間限定で読めることを条件に、普通の購入価格より安く読める仕組みがある。一度読んだら、まず二度と読まないような人たちには歓迎されるだろう。

 

 現状では、実店舗がECサイトに押されて厳しい環境にあるのはよく知られているが、成長しているECサイトにおいても今後、「利用価値」を考慮した販売方法への対応次第で、業界内の淘汰が進む可能性はあるだろう。

40代のリストラ対策には30代から準備を。お手本になる50代は少ないという現実

50歳を超えて最前線で活躍できる人、隠居モードに陥る人の違い(ダイヤモンドオンライン)

丸山貴宏:株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役

 

 つい数年前まで「リストラ」と言えば、会社の業績悪化に伴う人件費削減のための50代の早期退職募集の事だったが、今は45歳まで対象年齢が下がってきた。

 こうしたなか、50代になっても第一線で活躍する人たちの特徴などを解説する記事「50歳を超えて最前線で活躍できる人、隠居モードに陥る人の違い」が11月25日付けのダイヤモンドオンラインに掲載された。

 

 著者は丸山貴宏氏。リクルートで人事担当採用責任者として活躍後独立、採用、転職のアドバイスで豊富な実績を持つ人事のプロである。1963年生まれなので現在56歳と思われる。

 

 記事前半では、最近の転職事情について、45歳で一つ目のハードル、50歳で二つ目の大きな壁が存在すると解説している。

 続いて、役職定年制度が多くの企業で採用された結果、「50代に入ると働く人の評価が下げられる感がある」とし、「隠居モードに入っているような人がけっこういたりします」と現状を紹介している。

   

            

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 一方で記事後半では、こうしたなかでも第一線で活躍する50代の人たちの特徴として、「自分のキャリアを会社に委ねてきたかどうかの違い」を理由として挙げている。

 

 ここまでの内容の感想を言えば、50代に入って隠居モードに入る人がいるのは事実だが、その理由が「キャリアを会社に委ねた」結果、というのにはやや違和感があった。

 

 というのも、この記事の対象となっている現在の50代は「会社人間」と呼ばれるような人はザラで、三共のビタミンドリンクRegainのTVCM「24時間戦えますか?」のコピーが話題になった世代である。

 採用人数も多く、人事評価の基準も、営業部門などでは実績が優先されたが、「個性よりも協調性」を重視する傾向が強かった。

 つまり、会社から与えられた仕事をいかに「早く」「正確」にこなすかが査定に大きく影響していた。今の人事制度のように、別の部署への異動希望がそう簡単に出せるような状況ではないので、下手に異動希望の意志を出すと「不満分子」として、評価が下がることすらあったのである。

 

 こうした環境下では、「与えられた仕事」に全力投球しかない。現時点で50代で第一線で活躍したり、役員になった人は、「会社に仕事を委ねた」結果、同期入社よりも大きく実績を上げたことが評価された側面が大きいはずだ。まあ、中には将来の転職を想定して、仕事をしていた先見性のある人も当然いるだろうが。

 当然ながら、会社一筋に頑張ってきても、管理職のポストは限られている。地位や報酬で報われない人の方が多いのが実情だ。彼らを「キャリアを会社に委ねた結果」と切り捨ててしまうのは、時代の流れとは言えど、割り切れないものを感じる。

 

 記事では後半で、「どんどん転職のオファーが来る人になりたいのなら、自らにスイッチを入れて、30代の人から『あんな50代になりたい』と思われるような活躍をしなければなりません」としているが、そもそも「お手本」となるような50代の絶対数が現状ではまだ少ないと思う。

 

 見習うなら、50代のリストラを目の当たりにして、自分自身のキャリアプランを設計し、その実現に向けて仕事に取り組んでいる40代前半あたりの実力者だろう。彼らの自分への評価の基準は「社内」よりも「社外」からの客観的なモノサシであり、仕事を取り巻く環境とその変化を冷静に分析しているはずだ。

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 記事の最後では、50代で転職することになった人が、「専門分野で広く深い人的ネットワークを構築し、非常に高い交渉能力」していたことが評価され、退職後にはオファーが相次ぎ、転職活動することなく再就職が決まった事例を紹介している。

 

 現在の30代のビジネスマンにアドバイスするとしたら、このような社外でも通用するようなスキルを持つ人を社内で見つけて、そのスキルを習得することだ。先に書いたように40代の対象者がいればベストだ。

 ただ、このようなスキルを持つ人の仕事に対する方向性自体は、あまり年齢とは関係がないので、50代後半の人であっても何らかの形で「繋がり」を持った方がいいと思う。

 

 転職では、「社外でも通用するスキルが重要」というテーマは、最近ではどのメディアでも広く言われていること。自分で考えて実践するのもいいが、実際に社内で実践している人から学んだ方が効率的だ。

 ただ、いかにも「スキルを頂きに来ました」オーラを出して接近しては警戒されるのは確実、普段から本人と接点のありそうな仕事に積極的に名乗りを上げるなどの名前と顔を覚えてもらうぐらいの「配慮」は必要だろう。

50代になったら「他人から」より「自分による」自己評価を優先すべき

「肩書に執着する50男」ほど心が折れやすい理由(東洋経済オンライン)

齋藤 孝 : 明治大学教授

 

 会社員が50代になって役職定年を迎えると、厳しい現実を受け入れられなくなるという現実を解説する記事「『肩書に執着する50男』ほど心が折れやすい理由」が11月24日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

 内容を要約すると、地位や肩書を失うことで「新たな目標やモチベーション、アイデンティティーを模索して、他者からの承認欲求を求めるようになる」ので、「2周目に入った新しい人生の現実を受け入れ、新しい価値観と基準を自分の中で作らねばなりません」ということになる。

 

 記事では、「男性に比べて、女性は社会的な地位や肩書にそれほどこだわりません」と言う一般的な傾向の他、「結局は誰かから自分の存在を認めてほしい、重要で大切な存在だと思われたいという気持ちが、これらのモチベーションの根源にある」と解説している。

 

 私自身も50代後半になって役職定年を迎えて、部下は一人もいないし、直属の上司は年下、責任ある仕事も少ないというのが現実だ。加えて、座席も一般職員と同じ並びになる。

 役職定年を迎えた当時は、覚悟はしていたものの、多少なりとも「虚しさ」を感じたのは事実だ。

 ただ、自分が役職定年を迎える前から制度はあったので、先輩たちがどのように勤務体系が変わるのかは、目撃してきたということもあって、「ショック」はなかった。

 

 こうして一カ月も過ぎると「虚しさ」は「ゆとり」に変化した。具体的には、自分で自分をコントロールする時間枠が相当に増えて、負担が減ったのだ。

 部会以外には会議にも呼ばれないので、資料の作成や確認の手間はなくなったし、それに伴って上司や部下への報告や指示も不要になった。これで精神的な負担は激減した。

 

 加えて言えば、個人的な事情から変則時間帯での勤務を承認してもらって、朝7時から夕方15時までの勤務にシフトしたことで、朝夕の通勤地獄からも解放された。これも身体的な負担の軽減になった。

 

 今思えば、現在の会社に勤めて30年以上経って、出世競争にも決着が付き、そろそろ張りつめていた「気」を緩めてもいい時期だと考えていたことが、結果的に良かったのだと思う。

 

 記事では後半で、「人間は社会的な動物ですから周囲の評価や評判、名声や名誉を求めます」とし、「結局は誰かから自分の存在を認めてほしい、重要で大切な存在だと思われたいという気持ちが、これらのモチベーションの根源にあるのです」と“承認欲求”に対して、「人間の性」と理解を示している。

 

 確かに、顧問やら参与やらといった名誉職の肩書を有難がる人たちの感情も理解できなくはない。私自身も「ないよりはあった方がましかも」とは思うが、特段欲しいとは思わない。

 

 この私の考え方の根底には「50代後半にもなって自分の価値を他人に決められてたまるか」という意識があるのだと思う。

 

 アメリカ合衆国第16代大統領・リンカーンは「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持ちなさい」と言ったそうだが、私が言い繋ぐとすれば「50歳を過ぎたら自分の価値は自分で決めなさい」ということになる。

 

 これから役職定年を迎える人、すでに役職定年となって悩んでいる人には、「これからは他人からの評価よりも自分で自分を評価する」ことを勧めたい。

 

 これは役職定年を迎えた自分の体験だが、どんなに仕事に精力を注いでも、逆に業務に影響が出ない程度に手を抜いても、会社の査定や評価にはほとんど影響しないと言っていい。そのぐらい会社は役職定年者を「戦力」としては見ていないのが実態だ。

 

 であれば、本当の定年である60歳までは「モラトリアム」の期間として、それこそ記事にある「2週目の人生」を考えることに充てるのが正解だろう。「疎外」されたのではなく「別格」になったと受け止めればいいのだ。

 

 かく言う私自身、第二の人生の指針を模索中ではあるのだが、時間的に追い詰められているという感じはない。何かのきっかけで興味が向いたことを、とにかく試してみることを実践しているので、自分主導で楽しんでいる感覚の方が強い。

 

 あと数年で本当の定年(60歳)なる訳だが、それまでに何かやりたいことが見つかれば「儲けもの」ぐらいの心構えでいいと思っている。

昭和の団地が若い世代に人気? リノベで注目

40組超の待ち発生「埼玉にある団地」の人気ぶり(東洋経済オンライン)

『SUUMOジャーナル』編集部

 

 昭和の時代に急増する人口に対応するため建てられた「団地」。 この築40年を超えるような物件が相次ぐ「団地」が若い世代に人気の兆しがあるらしい。

 11月23日付けの東洋経済オンラインに、「40組超の待ち発生「埼玉にある団地」の人気ぶり」という記事が掲載された。

 記事で取り上げているのは、東武スカイツリーライン・新田駅から徒歩8分という住宅街にある「ハラッパ団地・草加」。建てられたのは1971年だから築48年になるが、元社宅だったのを全面リノベーションして、55戸の賃貸住宅にしたことろ、現在40組以上が入居待ちだという。

 

 私が小学生を過ごした地域にも数千人が住む「大型の団地」が学区にあって、クラスの半分の生徒が団地住まいだった。友達の家に遊びに行ったこともあったが、部屋の広さや設備よりも、同じような建物が数十棟も建て並んでいるので、「よく間違えないな」というのが正直な感想だった。

 

 記事では、埼玉にある民間の小規模な物件を紹介しているが、実はこの「昭和の団地」の再生事業は、今少しづつ、かつじわじわと定着しつつあるかもしれないのだ。

 

 比較的有名な事例を引き合いに出すと「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」がある。

 これは「MUJI」の無印良品ブランドで日常品などを手掛ける株式会社良品計画と、UR都市機構(旧住宅都市整備公団)が共同で手掛ける事業で、「これまでにない暮らし方を賃貸住宅で実現しようとする試み。

 古くなった住まいも愛着を持って長く丁寧に住みつないでいくことが、これからの日本の暮らしのスタンダードになってほしいと思っています」とWebサイトでは解説している。

 

 個人的な感覚では、過去のイメージから「狭い」「暗い」「ガス窯一体の風呂」という印象を持っていたのだが、サイトを見て驚いた。

 その画像は、とても過去の「団地」のイメージとは結び付かないのだ。白をベースにした明るい部屋で、間取のプランも「コンパクトライフ」など16種類もある。

 しかも当時一般的だった「湯舟脇のガス窯」は外に出され、バルコニーにあった洗濯機置き場は室内に取り込まれた。インターネット環境も整備されている。

 私がこれまで抱いていた「団地」の印象は大きく変わった。しかも上記物件の賃貸料は4万2000円(別途共益費3050円)と格安。しかも礼金、仲介手数料、更新料も不要となれば、人気化する理由にも頷ける。

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UR賃貸物件の一例

 

 当然ながら、メリットの裏側にはデメリットもある訳で、この物件だと床面積は45平米が基本。空きがあるのは4階か5階なので、エレベーターがないのは小さな子供や荷物を抱えた主婦には厳しいかもしれない。最寄りの駅からバスで15分以上かかるというのも都心への通勤者には辛いだろう。

 ちなみに、この団地をたまたま最近訪れたことがあるのだが、中規模のスーパーは営業中だが、商店街の半数以上は閉店していて、いわゆる「シャッター通り」になっている。

 

 とはいうものの、「人口減少」「高齢化」「寂れる商店街」というイメージの強い「昭和の団地」にこうした再生事業が動き出していることは注目すべきだろう。

 リノベーションで1981年の耐震基準をクリアしていれば、築年数は気にならないかもしれない。広さと利便性に目を瞑れば、格安に住めるメリットを評価する人は今後も増える可能性はある。働き方改革の進展によるリモートワーク(在宅勤務)の普及も追い風になりそうだ。

 

 ただ気になったのは、記事全体のトーンが、住環境全体を評価するような内容ではなく、住んでいる人へのインタビューを元に「人とのつながり」といった主観的な感想の紹介が多いこと。居住者の感想も参考になるが、これから入居を検討している人にとっては、買い物や学校の様子などの方が気になると思う。

 

 あと、これは意外な盲点だと指摘したいのが団地の階段事情。一般的なマンションやアパートはエレベーターや階段が一か所にまとめられていて、その階の全ての人が廊下を利用する。当然ながら廊下に接した部屋の外を誰がいつ通るかは自由だ。

 これに対して団地の階段は1階あたり2世帯がひとつの階段を占有することになり、階段には玄関しか接していない。つまり外から覗かれたりすることがないのだ。これはプライバシー保護の点から見ても利点としていいだろう。また、南北もしくは東西に窓が開けているので、風通しもいい。

 ただ、階段自体は狭いので、大きな荷物は運びにくいし、玄関前の踊り場も余裕はない。5階ともなれば上り下りの疲労度は大きいだろう。

 

 こうしたメリット、デメリットをしっかり調査、把握したうえで、若い世帯などがリノベーション済の団地に住み始め、新たなコミュニティーが作られていくのは望ましいと思う。

突然のめまいで救急車で搬送されました。病名は前庭神経炎

 前触れもなく、原因不明で突如襲われるという現実

 

 ここ3日ほどブログの更新をしていませんでした。

 これは書く「ネタ」が尽きたのではなく、19日に自宅で倒れて救急搬送されたためです。

  起床時にベッドから起き上がると、突然のめまいで目の前の景色がグラグラと揺れ、焦点も定まらず、平衡感覚が失われて、そのまま床へとダウンしたまま動けず、そのまま救急病院に救急車で運び込まれました。

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 搬入先の病院では、頭部MRIなど様々な検査をされ、救急担当の医師からは「良性発作性頭位めまい症(BPPV)と思われる」との診断を受けたのですが、昨日耳鼻科で診察を受けたところ、「BPPVではなく、前庭神経炎の可能性が高い」との診断でした。

 

 私も50代後半になって、いろいろと身体にガタはきていますが、今回のような「突然の強烈なめまい」で平衡感覚を失って歩けなくなるというのは初めての体験で、一瞬「脳梗塞」の可能性も考えたのですが、MRIでは異常がなかったのが幸いでした。

 

 これが通勤途中で駅のホームを歩いていた時などに起きたらと考えたらゾっとそました。

 この前庭神経炎は、内耳にある前庭と三半規管で体の傾きの感覚を感じ取り、それを脳に伝える神経「前庭神経」が、何の前触れもなく炎症を起こすのが症状で、正確な原因が分かっていないという特徴があります。

 

 また、数時間から数週間程度で症状は自然治癒し、再発の可能性も低いようですが、私の場合は3日経過してもまだまっすぐに歩くには無理があります。めまい止めの薬は処方されていますが。

 

 診察した耳鼻科の医師の説明では、「前庭神経炎は数カ月に1人来るかどうかの珍しい病気」だそうですが、とにかく原因がわからないので、根本的な治療も予防もできないというのが今後のことを考えると怖いです。ちなみに、男女に関係なく、3050代に多くみられる症状のようです。

 

 このブログを読まれた方が、この前庭神経炎になる可能性は低いと思いますが、患者となった者として言えば、急激なめまい、それも「立ち眩み」レベルではなく、目の前の景色が「グルグル回る」ように感じたらしかも、「疲れがたまったことによる一時的な貧血」などと自己判断せずに、すぐにその場で救急車を呼んだ方がいいです。

 脳内出血の可能性もあるので、早めに診断を受けた方がいいのは確かです。

  何ら前兆がなく、原因も不明、しかも治療法も確立していない病気が、こんな身近にあったことにまだ戸惑っています

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 あと、救急車で搬送されたのは初めての体験でしたが、救急隊員の方々の対応は見事なでした。サイレンの音が車内に響いてこないのもありがたい配慮。

 ただ気になったのは、乗り心地。路面の凸凹や段差が結構身体に響きました。患者さんによっては、気分が悪くなるかもしれません。車体の構造上仕方がないのでしょうが。

地方活性化事業が失敗するのは「予算獲得の目的化」と「営業不足」

地方活性化の新規事業が大失敗する3つの要因(東洋経済オンライン)

木下 斉 : まちビジネス事業家

 

 地方の時代が叫ばれて数十年、これまでに地方を管轄する自治省は総務省に統合され、地方創生担当大臣が創設、就任した。

 かのように地方を盛り上げようとする動きは続いているのだが、成功し、しかも現在も継続中と言う案件はほとんど聞かない。

 こうしたなか11月18日付けの東洋経済オンラインに「地方活性化の新規事業が大失敗する3つの要因」が掲載された。

 

 記事では、山梨県南アルプス市が始めた「完熟農園」事業が開始から1年で破綻したこと、栃木県塩谷町の豆乳ヨーグルト事業が3年間で3900万円をとうじたものの売り上げは7万3800に留まったことを失敗例として紹介している。

 

 また、「一見美しく、実は予算獲得をするためだけに終わりやすい無茶な計画」となる以下の3要素を紹介している。

  1. 「地域の独自性と理解可能な範囲の新規性」
  2. 「一発逆転のキッカケ、起爆剤の役割」
  3. 「地域に関わる行政、さまざまな地元団体などが一丸となるという合意形成

 

 いずれも詳細は記事を読んで頂くとして、この3つの要素に共通しているのは、地方活性化を名目に「事業の実現」よりも、の名のもとに国からの「予算獲得」が目的化していることだ。

  簡単に言えば、予算を引っ張ってこれるようなアイディアが優先され、「おカネがあれば何とかなる」という考えが根底にあるのだろう。

  昭和の時代の高度成長期でもないのに、おカネをつぎ込めば事情は成功するという考え方は、もはや完全な時代遅れで「田舎のビジネス事情に疎い年寄り」にしか通用しない手法である。

 

 また、これはあくまで私見だが、地方再生を自任するコンサルタントやそれをサポートする広告代理店の存在も大きいはずだ。

  彼らは、最新のビジネス実情に疎いが、地元に影響力のある地方関係者(役人、商工会、議員)などにうまく取り入って、さも効果がありそうに見える地方活性化策を提案、政策実現に向けて関係する有力者の説得から始める。しかしながら、その提示する活性化案は過去に他の自治体の活性策で使った資料を、多少手直しした程度の内容に過ぎない。

  彼らは、人当たりもよく、話術も得意、また予算獲得までは精力的に働くので、地方の関係者はすぐに信用してしまう傾向にある。そのベースにある活性化案が他の自治体の失敗例であるにも関わらずだ。

 

 先の3つの要素を考えてみても記事では、

 1の「地域の独自性と理解可能な範囲の新規性」については、「自分たちの計画が実現可能であるかどうか」を無視して、筋書きを書いてしまったからこそ、採択後に苦しんでしまうと断言している。

 2の「一発逆転、地域活性化の起爆剤になる事業」については、そもそも「存在しない」とまで言い切っている。

 3の「地域が一丸となってまとまれば、まち全体が変わる」についてだが、これこそ「コンサルタントと広告代理店」の得意とする分野だろう。利害関係者を口八丁手八丁でうまく丸め込んで合意形成に至らせる手腕は見事と言うべきモノだ。

 

 かくして、「失敗が確実」な地方活性化事情がスタートする訳だが、当然ながらうまくいかない。記事に「何をやるのにも反対が出て、成功しても、失敗しても、100%もめます」とあるように、計画が実行に入る段階で、無理が露呈するのである。

 しかもこの時点ですでにコンサルタントと広告代理店は「報酬」を得ているので、事後のもめ事には関与しない。もはや彼らの関心は「次の獲物」である。

 

 結局あとに残るのは、有効な使い道のないままに獲得し、返還するにも抵抗がある国から得た予算ということになる。簡単に言えば「税金の無駄遣い」の典型例だ。

 

 記事では最後に、「まずは営業してから予算のことを考えること」を提案している。その理由として「そもそも売れるかどうかわからないような商品開発に、最初から国や地方自治体などから予算をもらうこと自体が、狂っている」と解説している。

 

 以前、一部の有名商社の幹部が「売ってから商品を仕入れろ」という方針を打ち出していた。一見非常識のような話だが、商売の基本を鋭く突いているとも言える。

 

 言い古された感もあるが、「事業を計画するのは誰でもできる、問題は商品が売れるかどうかだ」という言葉はまさに正鵠を得ている。

 「売れる」商品を開発することが最優先事項であり、地方が活性化するのはその「結果」に過ぎない。

 地方活性化の第一歩は、目的と手段を正しく認識することである