如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

私がこの状況下でも頑として「マスク」を使わない理由

「マスクアレルギー」という症状

 

 日本では現在、外出時にマスクをしていない人はほとんど見かけないと言ってもいいくらいの「必需品」になっている。

 家電メーカーのシャープやパナソニックまでマスクの製造を手掛け始めるなど、マスクの絶対的な供給不足は明らかなのに、どうやってほぼ全員がマスク(しかも使い捨ての紙製がほとんど)を調達しているのか非常に疑問である。

 

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 このように外出時には不可欠という意識が常識化しているマスクだが、私は今年に入ってほぼ一度もマスクをしたことがない。こう言うと「どうしてそのような反社会的な行動を取るのか」という批判が聞こえてくるのは重々承知している。以下に「なぜ私がマスクを使わないのか」理由を述べたい。

 

 最大の理由は、「マスクアレルギー」である。マスクをすると短時間で口の周りの皮膚がかぶれて炎症を起こすので、指で触ったりして逆にウイルス感染の可能性が高まるのだ。

 これは一種のアレルギー反応のようなもので、私の場合顔面にできた傷やケガなどでも包帯や絆創膏などは使えない。塗り薬を使うだけだ。

 つまりコロナウイルス感染防止のためにマスクをすると炎症を起こすので、塗り薬を使うことになるが、その薬の上にマスクをすると結局炎症が止まらないという状態になるのだ。

 日頃お世話になっている内科医の先生も事情は承知しているので、 マスクは使わず、どうしても人との間隔が狭くなる際には「その時だけハンカチで鼻と口を押えればいい」と言われている。

 

 ちなみに私は睡眠時無呼吸症候群という病気にかかっているのだが、この治療には睡眠時に機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止するCPAP(シーパップ)が有効とされている。この空気を送り込むのに鼻と口を覆うマスクが使われる。

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 過去にこのCPAPを使い始めてすぐに、口元のかゆみと炎症が止まらず、睡眠できない状態が続き日常生活に支障をきたしたため、こちらも医師の判断の上で中止した経緯がある。

 

 また私がマスクを使わない理由は時期によって2つに分けることもできる。一つ目は1月から新型コロナウイルスが中国・武漢で感染が始まり、日本でも話題になり始めてから2月下旬まで。もう一つは3月に入ってから現在に至るまでである。

 

 前半の時点では、マスクは自分が感染を予防するという意味と、咳やくしゃみなど自覚症状のある人が他者に感染させないという2つの点からマスクの装着率が急速に高まった。

 この段階で私がマスクを使用しなかったのは、会社に超早朝出勤し、午後の早い時刻に帰宅するので、混雑する電車とは無縁で、感染リスクが少なかったこと。そして発熱や咳などの症状がまったくなかったためだ。私の記憶では電車内でマスクをしている人は半分ぐらいだったと記憶している。

 

 これが後半になると「無症状でも感染者としてウイルスを拡散させるリスクがある」という話になり、世間では症状の有無を問わずにマスクが必須となった。

 これに対して私が取った対応は、「自宅に籠る」である。幸いなことに勤務先では3月に入って希望者は在宅勤務が基本的に認められるようになり、通勤は不要になった。外出する必然性がなくなったのである。

 

 とはいえ3月以降、食料品などの買い出しでどうしても外出する必要があったのも事実。これに対して私のとった行動は24時間営業のスーパーマーケットに朝の4時頃に行くことだ。

 3月以降、結構な回数でこのスーパーを利用しているが、この時間帯に店内に客が3人以上いるのを見たことがない。確かに生鮮品などの品ぞろえは日中に比べれば劣るが、逆に賞味期限の近い格安の見切り処分品がそこそこ見つかるというメリットもある。レジでも買い物かごを置けば何も言わずとも店員さんが計算、決済してくれるので、会話で他人への感染を気にする必要もない

 

 ということで、現在の私は基本的に「自宅に籠り」、外出時は「朝の4時ころ」に限定することで、「3密」どころか人との接触もほとんどない生活を実践している。あとは気分転換に自宅近くを散歩するぐらいだ。

 

 さて、今回の記事の趣旨は言うまでもないが「マスクをしない生活のススメ」ではない。あくまで世の中には「マスクアレルギー」という症状を持つ人もいるということを知ってもらうことだ。

 言い換えれば、街中でマスクをしていない人を見ても問答無用で「加害者扱い」は避けてほしいというのが正直な感想だ。確かにこの時期にマスクをしていない人には「自分には関係ないし、他人の事はどうでもいい」という無責任な人の方が圧倒的に多いのは確かだろう。

 これだけ「3密」が騒がれ、営業自粛が求められても一部のパチンコ屋は営業を続け、朝から開店待ちで並ぶ人もいるのが現実だ。

 

 ただ日中街中ですれ違うマスクをしていない人の中には、私と同じ「マスクアレルギー」の人がいる可能性もある。悪気がないのは理解できるが、無条件に蔑んだ目で見たり、いきなり暴言を吐くのは勘弁してほしいと思う。

パナソニック、ようやく4K液晶テレビの新機種を発表するも・・・

現行機種はすでに生産中止、発売は6月26日

 

 パナソニックの液晶4Kテレビ「VIERA(ビエラ)」の新機種(HX850シリーズ)が4月20日に発表された。

 同社のプレスリリースによれば、発売されるのは43型と49型の2機種で現行機種GX855シリーズにあった55型と65型はラインアップから外れた。

 

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 しかし、現行機種が発売されたのが昨年10月、3月には一部機種が生産完了とWebカタログで記載され、4月に入って液晶4Kテレビは3つのシリーズ(GX855、GX755、GX500)のすべての商品が生産完了となり、カタログ上ではレコーダーを内蔵したGR770しか選択の余地はなかった。レコーダー内蔵型はあくまで傍流であり主力商品ではない。事実上パナソニックは4K液晶の販売を在庫処分に任せていた状態だった。

 ちなみに、現行の有機ELの4Kテレビも3ラインアップのうち2つが生産完了となっているので、こちらも近々新製品が発表されるものと思われる。

 

 私が購入したGX855が発売から5カ月で生産完了になったのには驚いたが、今回の発表で一番驚かされたのは発表日と発売日のズレ

 前々モデル(GX850)シリーズのこの「ズレ」の期間が16日(2019年1月9日発表、発売は同月25日)だったのだが、前モデル(GX855)シリーズではこの期間が28日(同9月20日発表、発売は10月18日)に伸びた。

 これが今回の新モデルHX850シリーズでは、4月21日発表、発売は6月26日だから2カ月(60日)以上先になったのである。期間は前回の2倍だ

 

 すでにヨドバシカメラではGX855シリーズは、49型以外はすべて予定数の販売を終了しており、その49型も在庫残小の状態。価格は底値圏にあるのでお買い得なので、新機種発表で月内にも販売完了となる可能性が高い。

 となると、6月26日までの約2カ月、消費者はパナソニックの4K液晶テレビを購入できない事態となる。

 

 ちなみにライバルのソニーも4月2日に液晶、有機ELの新ラインアップ16機種を発表したが、最も発売日が早いX8000Hシリーズ(5機種)は4月18日の発売で、発表からの期間はわずか16日。残りのうち6機種は4月下旬か5月中の発売で、約7割は5月までに発売される。

 しかも、既存の4K液晶モデル(X9500G)などはまだ「在庫あり」の状態であり、商品供給を途絶えることなく新機種に移行させる計画だ。

 

 この状況を見ると、パナソニックはテレビ事業に対してどのような戦略で望んでいるのか疑問を持たざるを得ない。

 この問題のヒントが週刊ダイヤモンドの今年2月3日の記事「パナソニック家電・テレビ国内工場、統廃合の『生贄』になるのは?」にありそうだ。

 記事では「昨年末、津賀社長はダイヤモンド編集部の取材に対し、『テレビ事業だけは許さない』と断言したばかりだ」と書かれており、自社生産にこだわらない姿勢を明確にしている。

 しかもすでに製造コストの約半分を占める液晶パネルは外部調達しており、今後テレビの開発、製造工程を外部に委託する可能性は十分にある。

 

 想像するに、社内でテレビ事業を巡って混乱が生じているのではないだろうか。事業を切り離したい経営トップと自社開発にこだわる開発部門との間で今後の方針がなかなか定まらず、その結果「約2カ月」という発表と発売の時期のズレが生じたのではないかと思える。あくまで個人的な見解だが。

 

 さて、話は今回発表された新モデルHX850シリーズに戻るが、プレスリリースによれば<特徴>は以下の3点。

  1. 臨場感あふれる画質・音質でスポーツ番組もその場にいるかのように楽しめる

  (1)ビエラ独自の映像処理技術であらゆる映像を色鮮やかで高コントラストな映像に

   (2)激しい動きの映像もなめらかに表示「オブジェクト検出 倍速表示」

        (3)頭上を含む上下左右から音に包み込まれる迫力の立体音響「ドルビーアトモス」に対応

  1. 地震に強く、倒れにくい「転倒防止スタンド」
  2. BS4K・110度CS4Kダブルチューナー内蔵で外付けハードディスク(別売)への新4K衛星放送の裏番組録画にも対応

 

 このうち2.と3.については前モデルにも搭載されていたので新たな機能ではない。

 また1.についても、(1)は具体的には[ヘキサクロマドライブ]と[AI HDRリマスター]のことを指していると思われる。どちらの機能も前モデルに搭載されていたが、プレスリリースには「AI HDRリマスターを進化させ」とあるので画質の改善は見込めるかもしれない。

 ただし(2)「オブジェクト検出 倍速表示」と(3)「ドルビーアトモス」はプレスリリースからは具体的な改良内容が記載されておらず、変更点があるのかは不明だ。

 

 他にパッと見で判る違いと言えば、よく使うアプリを登録しておけば、アイコンが画面下に表示される「かんたんホーム」機能に、サムネイルが追加表示されるようになったことぐらいだ。

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 ただし、プレスリリースでは開示されていない改良があるかもしれないので、現時点ではあくまで発表資料からわかる範囲ということは補足しておきたい。

 肝心の価格は49型が16万円前後と想定されているので、前回のモデルチェンジ時とほぼ同じだ。

 

 以上をまとめると、個人的な意見としては、3月に事実上生産完了となって店頭から液晶4Kテレビが消えつつあったなか、ようやく4月20日に新機種の発表があったが、大きな改良点は見当たらず発売時期も含めて「期待はずれ」といったところだ。

 

 実際調査会社BCNの実売台数ランキングでは、前々モデル(GX850)は新モデル発表の直前まで1位だったが、後継機(GX855)は4月12日時点の集計で9位に留まっているし、10位以内にはパナソニックはこの1機種しかランクインしていない。人気が低迷しつつあるのは明らかだ。

 

 ハイセンスなど海外勢の安値攻勢に押されている側面はあるとはいえ、それは国内メーカーも事情は同じ。先のBCNランキングで、10位内にシャープがトップを含む4機種、東芝が3機種ランクインしている(どちらも純粋な日本メーカーとは言い難いが)。

 

 いずれにせよ、パナソニックはテレビ事業の方向性を早急かつ明確にしないと、顧客離れは一層深刻になると思う。

テレワークは時代遅れ? 米IBMは廃止するも、日本IBMは推奨強化

在宅勤務“先進国”の米国、すでにリモワ廃止&オフィス勤務義務化へ回帰という現実(ビジネスジャーナル)

 

 

 テレワーク、在宅勤務という言葉がごく普通に使われるようになって2カ月余り。私が勤める会社でも政府の緊急事態宣言を受けて導入が決まり、原則として全社員が在宅勤務となり、出社する場合には事前にその理由を申請することになった。

 こうなると、会議・打ち合わせや資料作成などで出社することは「理由」にならないので、必要最小限の業務作業員を除いて、テレワークは「義務化」されたと言っていい状態だ。

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 テレワークの実現で、仕事環境は一変した訳だが、これまで世の中の反応を見ると総じて「効果あり」と言っていいだろう。通勤時間の削減、勤務時間の使い方、集中できる環境などが主なメリットだ。

 一方、家事や私用との切り分けが困難、家庭内に仕事に適した場所がない、といった不満も聞かれる。

 

 こうしたなか4月18日付けのビジネスジャーナルに「在宅勤務“先進国”の米国、すでにリモワ廃止&オフィス勤務義務化へ回帰という現実」というタイトルの記事が掲載された。

 その趣旨を簡単に言えば、テレワーク先進国ではIT関連の大手企業でテレワーク廃止の動きが出ている。その理由として、十分な信頼関係がない場合、テレワークはうまくいかず、生産性が低下するばかりか、人間関係さえ崩壊させかねないからだ、という指摘だ。

 

 具体例として、米国のヤフーが2013年に、IBMが2017年にそれぞれテレワークを廃止、アップル、グーグル、フェイスブックも、テレワークを勧めてはいない、ことを紹介している。

 記事では最後に「逆説的になるが、テレワークを進めるうえでのカギは、対面での信頼関係づくりにあるということになる」と締めている。

 

 さて、この米国企業のテレワーク廃止の動きが、日本にも影響するのかどうかだが、個人的には、コロナウイルスで一気に普及した揺り戻しでテレワーク一辺倒の流れは多少修正されるとは思うが、1月以前のような社員のほとんどが毎日出社するような事態には戻らないと考えている。

 

 その理由だが、まず日本と米国では社員を構成するメンバーに大きな違いがある。日本でも中途採用や外国人社員は増えてはいるが、大手を中心にまだ新卒で入社した日本人が大半を占めている。仕事に応じて必要な人材を多方面から随時採用する米国とは異なる。

 つまり、記事で必要と指摘している信頼関係作りを、米国では対面でイチから構築していく必要があるのに対して、日本では同期入社という関係から情報を交換したり、同じ職場での勤務が数年以上になるという人間関係の深さから、改めて信頼関係を気付く必要が基本的にないのだ。

 

 4月17日付けのYAHOOニュースでは「わが社はこうやってテレワークしています【日本IBM編】」として、同社では33年前からテレワークを実施、現在では、会社からはPCおよびiPhoneを支給、メールはLotus NotesとIBM Verse、チャットはSlack、Web会議はWebEx、資料の共有には、おもにBoxを使っている、と紹介。米国本社とは異なり日本IBMではテレワークを積極活用し続けている。まさに日米の社員層の違いが影響した結果だろう。

 ちなみに同社は、政府から方針が示された2月25日には、「在宅勤務を強く推奨」に警戒レベルを引き上げたそうだ。

 

 また別の理由として、通勤に伴う時間的、身体的な負担の違いが挙げられる。「平成28年社会生活基本調査結果」(総務省統計局)によれば、平日の通勤時間の平均(往復)は1時間17分。これは全国を対象にしているので首都圏に限れば2時間近くなるはずだ(片道約1時間)。実際、私自身東京郊外に住んでいるが、通勤には片道1時間15分かかっている。

  一方、Webサイト「アメリカ人の通勤事情」によれば、平均通勤時間は片道25分30秒。しかも大半がクルマでの通勤と見られ、日本の満員電車による通勤地獄とはまったく事情が異なる。都市部への通勤には電車、地下鉄を使うアメリカ人も多いようだが、日本のような異様な混雑状況ではないだろう。(東洋経済オンライン:やはり1位は東西線、首都圏の鉄道「最新混雑率」

 

 さらに言えば、大手町、丸の内を中心とするオフィス賃貸料の高さ坪単価5万円台!)もオフィス面積縮小、テレワーク推進の追い風になる。コロナウイルスの影響などで日本企業の業績回復が見込み薄の中で、経費の削減は最優先事項になるはず。賃貸料などの固定費は真っ先にその対象になるだろう。

 

 以上をまとめると、日本は米国とは異なり、

(1)会社での人間関係がすでに構築されている

(2)過酷な通勤事情が社員の大きな負担になっている

(3)固定費オフィスの賃貸料削減傾向が強まる

 などから今回のコロナウイルス対策で急速に普及したテレワークは、大手企業を中心に定着するはずだ。

 

 普及を阻む要件として考えられるのは「部下の勤怠管理ができないのではないか」という管理職の懸念だが、これも社員の評価を「出社した勤務時間」から「貢献した成果物」へと切り替えることで対応できるはずだ。

 この意識改革ができない管理職は、「そもそもマネージャーの器ではない」と判断される時期はすぐそこに迫っていると思う。

高井議員のセクキャバ問題の本質を問う――倫理で感染は止められない

本件について気になった2本のブログ記事

 

 立憲民主党が、今月7日の緊急事態宣言の発令後に東京・歌舞伎町の「セクシーキャバクラ」と呼ばれる飲食店を訪れた高井崇志衆院議員の離党届を受理せず、除籍(除名)処分とすることを決めた、と各種マスコミで報じられている。

 

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 まあ常識的に考えて、宣言発令直後に歌舞伎町のその手の店に行くこと自体、もはや普通の感覚では理解できないのが当たり前だし、非常識、不謹慎と言われても反論はできないだろう。本人も離党届を出す時点で反省はしていたらしい(枝野代表のツイッター動画)。こうなると高井議員本人の言い分を聞きたくなるのだが、肝心のホームページにアクセスすると「Forbidden」が表示され、閲覧はできない状態だ。(4月17日現在)

 

 さて、当ブログのポリシーは「話題、情報を斜め視線から」であり、巷に溢れる高井議員へのディスりは避け、最近投稿された興味深くも方向性が全く異なる2つの記事を紹介したい。

 

 一つ目は、参議院議員音喜多駿氏のブログで4月15日に公開された「あわや国会がストップ?!立憲民主党議員の「セクキャバ騒動」の何が問題だったのか」という記事。

 論調は世論やマスコミとほぼ同じで、「都知事が特に自粛を要請した『夜の繁華街』に出かけたこと」と「国会の仲間・関係者を始め、周囲の人を著しく危険に晒した(晒している)こと」の2点を取り上げて、批判している。

 

 ただ気になったのは「国会議員と言えどプライバシーはありますし、平時であれば『趣味の話』で特段に問題視することではないと思います。お店でも言動を含めて、平時であればガハハと笑い飛ばしておけばよろしい」とまで言い切るのはいかがなものだろうか。

 個人的には、国会議員はその行動が常に国民の視線を受けている者と認識すべきだと思うし、性風俗の店に行ったことが報じられれば、議員のイメージダウンは必至、たとえ議員歳費の経費として計上してなくても「立場上何をやっているのか」と非難されて当然だろう。この手の性風俗店には平時、非常時を問わず関与すべきではないと思う。

 

 そもそも「セクシーキャバクラ(セクキャバ)」とはどんな店なのか。私も経験がないのでネットで調べた範囲でしか分からないが、ネットの記事「初心者でも分かるセクキャバ遊び」によれば、「セクキャバとは、おっぱいパブ、おっパブとも呼ばれます。 キャバクラでもありますし、風俗でもあります。 キャバクラのように女性の接客でお酒を飲みながら、その女性の体を触ることができるサービス」と書かれている。

 

 この記事を読む限り、通常の女性とお酒を飲んで会話を楽しむ通常のキャバレーというよりは、性風俗業に近いと言ってもいいのではなかろうか。平時であっても国会議員が通って「趣味の問題」として国民が納得するだろうか。お遊びにも「程度」というものがあるはずだ。

 

 さて、気になった記事のもう一つはNPO法人いいちばみらい代表理事の角間惇一郎氏がYAHOOニュースに4月16日に投稿した「国会議員の性風俗店利用の報道 本当にまずい問題」である。

 記事では、「今回の報道姿勢と社会の反応には無自覚な問題(アンコンシャス・バイアス)が内包されており、明らかにそれら問題のほうが根深い」と指摘している。

 

 ここからは性風俗業に特化した内容になるのだが、「今回高井議員が利用された店舗は所謂、『店舗型』に該当する形式で、歓楽街等に実店舗が存在しており「3密」の環境になりがちだ」と問題視している。

 

 一方で、「日本には『無店舗型』と呼ばれる性風俗店が存在します。派遣型性風俗店(デリバリーヘルス)とも呼ばれ、1999年4月の改正風営法により誕生し国内の性風俗店の届け出上約70%程がこの形式をとっています」と性風俗業界の現状を解説している。(データは令和元年度版の警察白書の109ページ)

 

 記事では、この『無店舗型』の場合、ホテルや自宅を使うので「密閉」はなく、1対1なので「密接」でもなく、「密集」もほぼないと、いわゆる「3密」ではないと解説している。私はこの『無店舗型』も経験がないので詳細は不明だが、大きく間違ってはいないのだろう。

 ただ見ず知らずの相手との1対1の個人的な接触が「密接」でないとは言い切れないと個人的には思うが。

 

 記事の著者が主張したいのは以下の内容だ。現在の東京都の休業要請リストに入っている各種風俗店(セクキャバもおそらく該当)に、この「無店舗型」が入っていない。だが、規制対象の「店舗型」の営業自粛の影響を受けて休業を始めた結果、これが無店舗型にも波及して休業が増え、所属している女性が禁止行為であっても自身の客と店舗を通さず直接連絡を行うことが予想されるという点だ。

 この結果、「不運にも個人営業中に新型コロナウイルスに感染した場合、客も含め自身がまずいことをしているという自覚から、その感染元を公表することは見込めず、国も病院も感染元を辿れない事態に発展する」と指摘している。

 

 つまり、東京都が休業要請を指定した各種「店舗型」の性風俗業から全体の70%を占める「無店舗型」が外れたことで、他の性風俗に通っていた人たちが、この無店舗型に切り替えるも、そこも休業となることで「非合法」かつ「管理不能」な状態の個人営業の性風俗が活性化し、感染経路不明の患者が増えるという指摘だ。

 もっともすでに東京都の1日当たりの新規感染患者数は100人超えが続いており、すでに感染経路の追跡は困難な状況にあるのだが

 

 記事では「実際に東日本大震災のときにも同様の店舗を通さない営業活動を行う方が多く発生する現象が起こりました。残念ながら、店舗があろうとなかろうと、働きたい女性と利用したい客がいる限り普段性風俗店内で行われている経済活動が止まることはないと推測されます」とも書かれている。

 

 音喜多参議院議員の指摘がどちらかと言えば「倫理的な視点」な内容であるのに対して、角間氏の主張は「性風俗の現場」からの声だと言えるだろう。

 

 個人的には、セクキャバに国会議員が通うこと自体が「議員としての資質」を疑うべき事柄であり、立憲民主党の迅速な除名処分は倫理的に正しい行動だと思う。

 

 ただ、政府や自治体が性風俗業の営業自粛を訴えても「利用したい男性とお金が欲しい女性」が存在する限り、無店舗型に勤める女性の個人営業のような「抜け道」ができるのは避けようがないだろう。人の行動は「倫理」だけでは制御できないものなのだ。

 しかも現在の感染状況を見る限り、5月6日に緊急事態宣言が解除されると限らない。「抜け道」は一層増加・拡大していく可能性もある。

 

 性風俗業の実態に合わせた感染防止策を検討、実施するべきではないだろうか。

「選択と集中」がもたらしたもの――コロナウイルスで欠陥が露呈

やみくもに効率と利益の最大化を目指したが

 

 1990年以降、ビジネスの世界では「選択と集中」という言葉がこれでもかというほど喧伝された。

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 これはビジネスの領域を選別し、利益の見込める分野に経営資源を集中投資するという考えで、極論すれば「効率化を最大限に進め、利益を最大化する」ということだ。

 アメリカの元ゼネラル・エレクトリック会長で、米フォーチュン誌で「20世紀最高の経営者」にも選ばれた故ジャック・ウェルチ氏が常々主張していた「世界で1位か2位になれない事業からは撤退する」という言葉はまさにこれを具体化したものだと言えよう。

 

 かくして世界中の企業が、事業領域を選別して不要な事業の売却や、コスト削減のためアジア各国などでの工場建設などに動いた訳だが、昨年前半ぐらいまではこの経営が有効だったのは確かだろう。

 背景には、上場企業に対して「モノを言う株主」の存在感が増し、利益と配当の極大化を要求する傾向が強まったことも影響しているのは間違いないはずだ。

 

 さて現在、新型コロナウイルスで世界中の経済が混乱に陥る中で、この「選択と集中」は正しい選択だったと言えるのだろうか

 

 企業行動をまず「生産」という点から見ると、製造業の多くは、賃金などが相対的に安い中国を中心にベトナム、タイなどに工場を配置している。特に自動車など多種多様な部品を使うメーカーは、一定の品質を確保しつつも最も安い下請けから購入するので、結果として数多くの部品メーカーから調達するはずだ。

 

 これが今回のように工場の生産中止という事態に陥ると、すぐには代替品を調達できないから部品不足で完成車が生産できないという事態となる。

 コロナウイルスは予測不能ないわば「天災」のようなものだが、今回の事態は生産に関わる調達過程を過度に絞り込んだ集中が招いた「人災」といっていいだろう。

 米ブルームバーグは3月3日、自動車調査会社、カノラマの宮尾健アナリストのコメントして「中国のみで生産される部品もあり、状況が改善されなければ在庫がなくなった時点で『車が作れなくなる』と指摘」したことを報じている。

 

 一方、「売上」という面からも同様のことが言える。ここでは身近な事例として大手百貨店を取り上げる。各社が中心に中国からのインバウンド需要で大きく潤ったのは数年前でその後一巡感はあったが、それでも昨年までは余韻は残っていた。

 これが2月に入ると一気に風向きが変わる。日本百貨店協会の2月の全国百貨店売上高概況によれば、売上高は前年同月比12.2%の減少。インバウンドに限れば、購買客数は同68.3%の減少、免税総売上高も同じく65.4%の減少と目も当てられない状況だ。

 

 かつて家電販売大手だったラオックスが中国の蘇寧電器と資本提携したのは2009年、2013年には大型免税店「ラオックス銀座本店」を開店し、その後インバウンド需要で大きく売り上げを伸ばしラオックス自身も自社を「国内最大規模の免税店」とまで自認していたが、その効果も中国客の嗜好の変化などで数年に留まった。2020年2月からは6店舗を閉店、3店舗を一時休業するなど現在はリストラの真っただ中にある。

 

 こうなると「選択と集中」はもはや過去の経営スタイルとも言えそうなのだが、これに関して12年前の2008年に、日本総研が「研究員のココロ」として「選択と集中は本当に正しいのか」というコラムを発表している。

 

 その趣旨を要約すると、選択と集中には「当たりはずれが大きい」「長期的視野がない」という2つのリスクがあるということだ。2008年当時はインバウンド需要もまだ存在しなかったし、現在の新型コロナウイルスも予測できるはずがない。コラム自体は短いものなので是非読んで頂きたいが、現在でも十分に通用する先見性のある内容だと思う

 

 私自身、選択と集中という概念自体は悪い発想ではないと思う。先行きの見通しが立たない事業を抱えて業績の足を引っ張るよりは、売却して成功する可能性が見込める新規事業に取り組んだ方がマシなのは確かだからだ。

 要するに、選択・集中と多角化は相反するものではなく、取り巻く環境、強みのある技術、活用できる資金などに応じて柔軟に対応させていくべきものなのだろう。

 

 ここで具体例として、私が個人的に評価している「富士フイルム」という会社について触れてみたい。

 この会社もともとは「富士写真フイルム」といってフジカラーなどカメラ用のフイルムや印画紙がメイン事業だった。この会社の凄いところは、写真・カメラブームでフイルムの売り上げ本数が最大となる1998年の10年前からデジタルカメラの開発に取り組み、1988年には世界初のメモリカードに画像を記録するデジタルカメラ(フジックスDS-1P)を発表している。

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 これが1998年から始まる同社の人気デジカメFinePixシリーズの礎となったのは間違いない。デジカメ分野の技術では先行していた同じ印画紙メーカーの米コダックがデジタル化に遅れ、2012年に倒産したのとは正反対の動きだ。

 

  その後もコンパクトデジカメの衰退を予見するかのように、写真フイルム技術を生かした液晶ディスプレイに使用される偏光層保護フィルム事業に進出、シェア80%を占有している。そして2008年には化粧品事業にも進出している。

 一見、写真フイルムと化粧品には何の関係もないように思えるが、同社のWebサイト「富士フイルムだからできること」によれば、化粧品に使用されるコラーゲンは写真フィルムの主成分だそうで、他にも抗酸化機能、ナノテクノロジーも活用されているとのこと。この勢いに乗って、現在はサプリメント事業などにも進出している。

 今月9日には、抗インフルエンザウイルス治療薬「アビガン」について、新型コロナウイルス感染症を対象とした米国第2相臨床試験を開始すると発表、医薬品事業でも注目を集めているのは知っての通りだ。

 

 富士フイルムは時代の流れに沿って自社の得意分野を生かしながら「選択と集中」をうまく活用した事例のひとつだと思う。

 

 現在は世界中で混乱を巻き起こしているコロナウイルスだがいずれ収束するのは確か。その後ビジネスの世界で「選択と集中」の欠陥が指摘され、経営手法が見直されるのは確実だろう。

 その際に、新たな経営理論のキーワードがまた出現、流行してくるのかもしれないが、安易にその流れに乗るのでは、将来また同じような失策を繰り返すことになるのではないかと危惧している。

 コロナ禍の過ぎ去った後の将来が見通せない今の時期こそ、先の日本総研のコラムを是非読み返してほしい。

在宅勤務で煮詰まったら「フィットネスバイク」はいかが?

ストレス・運動不足の解消にも効果

 

 在宅勤務が急速に普及するようになって一カ月あまり。私の勤める会社でも政府の緊急事態宣言の発令に合わせて、基本的に社員は在宅勤務となった。

 

 という訳で在宅勤務者としてはまだ初心者ではあるのだが、最初の数日でまず感じたのは通勤時間の解消によって朝夕の自由時間が増えたことと、周囲から不要不急の連絡や仕事が舞い込むことが激減したこと。どちらも有意義に使える時間が増えたことで大きな有難みを感じている。

 

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 一方、その後気になってきたのが、自宅に籠ることで気分転換がしにくくなったのと、運動不足による倦怠感である。

 一応自室があるので仕事はそこでネット環境を使って不自由はないのだが、外出の自粛が要請されているので、「ふらっと散歩」というのも気が引けるし、何よりも平日の昼間に自宅の周囲をうろうろすることに抵抗がないと言えばウソになる。中年男性が住宅地を散策していると、どうしても「不審者扱いされているのではないか」という懸念がぬぐえないのだ。

 「日頃から周辺住民とのコミュニケーションを取っていないツケだ」と言われれば反論できないのだが、50代サラリーマンで周囲の世帯や自治会で広い接点を持っている人の方が少ないのではないだろうか。

 

 また、通勤時間が改称されたことはいいのだが、在宅勤務をして分かったのは往復の通勤が結構な運動量になっていたということ。私は運動量の確認の意味で歩数計を携帯しているのだが、通勤していた時期の一日当たりの歩数はほぼ5000歩前後。これは在宅勤務になって数百歩に激減してしまった。これでは運動不足は明らかで、同じ量の食事をしていたら体重が増えるのは必至である。

 

 そこで、最近再開したのが室内用のサイクルマシンいわゆるフィットネスバイクである。ちなみに一般にはエアロバイクという呼称の方が通りがいいが、この名前は元来コンビウエルネスという会社の登録商標で、現在はコナミスポーツクラブが所有している。ので、ここではフィットネスバイクとする。

 

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 ではなぜ、フィットネスバイクなのかということだが、場所を取らず、費用も安く、手軽に始められる、という3点に集約される。その上、気分転換、運動不足も解消されるうえ、継続すれば減量効果もある。

 

 まず場所だが畳一畳もあれば機材は置けるし、最近は折り畳み式もある。価格も2万円ぐらいから購入できるので、スポーククラブの月額利用料数カ月分だ。しかもちょっとした時間の合間に自宅で使える利便性が高い。

 ちなみに数年前に減量のために購入したフィットネスバイクだが、当時は帰宅すると同時にパンツ一枚になって45分漕いでいた。終わればそのまま床に寝そべってもいいし、シャワーを浴びてもいい。

 この自由気ままな気軽さはスポーツクラブにはないだろう。しかも私の場合これを半年続けたことで20kgの減量に成功した。(糖質制限の効果も大きかったが)

 

 やや話が逸れたが、在宅勤務で運動不足を実感していて「この機会に減量も」と考えている人には参考になるかもしれない。

 ちなみに私のおススメはALINCOのエアロマグネティックバイクで、折り畳み式でない2万円程度のオーソドックスなスタイルがいいと思う。やはり全体重をかけて稼働させるので、ある程度しっかりした形状の方が耐久性があるからだ。あとはフィットネスマシンメーカーとして実績が長いことも評価できる。

 

 あと個人的に実践しているのは、ハンドルの中間にある液晶部分にタブレット端末などを置いてトレーニングすること。最初の頃は液晶の消費カロリーや走行距離などを見ていても時間は過ぎるが、すぐに飽きてしまうはずだ。

 タブレットを置いて、好きな動画などを見ていると時間はあっという間に過ぎてしまう。ちなみに私が先に45分と書いたのは、Amazonプライムの番組の多くが一話22分程度なので、2話見るとちょうどトレーニング終了となるからだ。

 

 一日のうち空いた時間にフィットネスバイクを漕ぐことで、気分転換になり、運動不足も解消されて、好きな動画も見れるし、続ければ減量効果もある。これが2万円程度で実践できるのだから、多少なりとも試す価値はあると思うのだが。

休業要請対象外の「理髪店」、独立系の低価格店に注目

全国チェーンQBハウスの臨時休業で 

 

 政府の緊急事態宣言を受けた東京都内の事業者への休業要請について、都と政府は「百貨店」や「理髪店」は対象から除く方向で調整中で、10日にも結論が出るらしい。

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 個人的な事情を話せば何となく「嫌な予感」がしたので、「理髪店」が俎上に上がる前の3月28日にちょっと早かったが日頃通っている低料金の理容室で散髪を済ませた。ちなみに外出自粛の影響か客は少なくガラガラだった。

 さて、東京都が理髪店を休業要請の対象にしたいのは、「待合室で人が隣合わせ」になり、「理髪の際に担当者と接触」し、「店自体も小規模で換気が不十分」という、いわゆる「3密」の状態だと判断したためだろう。

 これは「感染予防」という点では理屈が通っているようにも思えるのだが、「個人・家族経営の多い理髪店」にとっては死活問題だろう。

 

 顧客にとっても不便なことは間違いない。行きつけの理容師に聞いところ、髪を今までよりかなり短くする男性が増えていて、散髪にくる間隔が伸びつつあるとは言っていたが、それでも1カ月を目安に来店する人がまだ多いらしい。5月6日まで休業となれば、3月上旬に散髪に行った人は2カ月も間隔が空くことになる。

 

 最終的に理髪店は対象から外れる方向のようなので制度的には問題ないのだろうが、たとえ対象外となっても個人・家族経営の理髪店の苦境は続く一方で、「独立系の低価格店」が存在感を増すと観ている

 

 住宅街や地元の商店街などに多いフルサービス理髪店(客単価4000円程度)への影響は大きいだろう。大体1時間ぐらいは椅子に固定されて理容師と密着することになるし、髭剃りでは刃による感染を気にする人もいるはずだ。また直接的な影響ではないが景気悪化による収入減少への不安から「不要不急」の散髪を先送りする人もいるだろう。

 

 こうなると、駅前などに立地する「髪切り」に特化した低価格、短時間が特徴の理髪店(QBハウスなど)は、待ち時間も短く、接触時間も少なく、髭剃りのリスクもないので「追い風」になるはすなのだが、そのQBハウスは7日、7都府県の営業を「4月10日から当面の間を臨時休業する」と発表している。

 もっともこの「当面の間」というのがクセモノで、緊急事態宣言の期限である5月6日となっていないことが気になる。東京都が対象外を正式発表し、顧客からの開店要請が集まれば、4月中にも「感染防止策の徹底」を宣言して、営業を再開するのではないだろうか

 

 こうしたなかで、注目しているのが私も行き付けにしている「小規模事業者の低価格店」だ。QBハウスのような全国チェーンではなく、各店舗は独立経営。在籍する理容師は数名から多くても10名程度で、洗髪、髭剃り込みのフルサービスなのに1600円(税込)からという価格設定である。低価格の理由は徹底した効率化だ。洗髪・髭剃りと調髪の分業制で、一人当たりの時間は約30分だ。

 私の住む東京市部であれば、駅の近くにも結構な数の店舗があるはずだ。もっとも派手な広告や看板などは出していないので探さないと見つけにくい。

 

 私の行く店舗も含めてこのような理容室は、規制対処外となったことで営業を継続する模様だ。こうしたなか「髪は切りたいがコストは抑えたい、けれどもQBハウスは休業中」で困っている男性の間は少なくないだろう。

 彼らの中にはこのような「小規模事業者の低価格店」に行き、感染リスク低減のために「洗髪と髭剃りはなしで」とオーダーする人も増えるはずだ。ちなみに私の行く店舗ではこの2つをカットすると200円安くなるそうだ。

 QBハウスの10分1200円(税込)には構わないが、それでも例えば私の行く理容室でも、洗髪と髭剃りをカットすれば時間はほぼ同じぐらいのはずだし、価格も数百円しか違わない。

 

 ここからは何の確証もない勝手な憶測だが、今回のQBハウスの休業で、低価格店に馴染んだ顧客は「小規模事業者の低価格店」に向かうのではないかと思っている。

 個人的には行きつけの店が混雑するようになるのは、あまりありがたくはないのだが。

雇用、賃金の減少はこれからが本番、株価は2番底を模索へ

緊急事態宣言は今後の景気悪化を決定づける

 

 7日夕方に政府が緊急事態宣言を発令した。本ブログでも4月1日に「東京、『都市封鎖』は不可避の様相に――買い溜めは回避すべきも長期戦を覚悟」と書いて、個人的に3つの条件を挙げたが、そのうち「47都道府県すべてへの感染者確認」はクリアせず(岩手、島根、鳥取の3県は感染者なし)に実施されることになった。もっとも正しくは「都市封鎖」ではなく「緊急事態宣言」だったことはお詫びし、訂正したい。

 

 緊急事態宣言については、様々なメディアやSNSで語られるであろうから、ここでは本ブログの趣旨から在り来たりのことは書かない。

 今回私が意見したいのは、どうにも世の中が「新型コロナウイルス禍の影響を過小評価しているのではないか」と思われることだ。その対象は「賃金」「雇用」「株価」である。

 

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 これから影響が顕在化すると思われるものに「雇用」と「賃金」がある。厚生労働省が調査している「毎月勤労統計調査」の最新発表は4月7日発表の2月分だが、これを参照してみたい。

 

 まず賃金だが、主に正社員である一般労働者の現金支給総額は前年同月比0.4%増だが、このうち所定外給与は同1.2%の減少となっている。残業代の減少が主な要因と思われるが、これが3月以降はコロナ禍の影響でさらに減少するのは確実だろう。

 さらに言えば4月からの働き方改革で「同一労働同一賃金」が大企業に適用され、正社員の家族手当や住宅手当などが軒並み廃止される。これはおそらく所定内給与(同0.5%増)を直撃する可能性が大きい。

 この結果、一般労働者の賃金(現金支給総額)は早ければ3月以降減少に転じ、4月以降はさらに減少を続ける公算が大きい

 

 一方、雇用の40%近くを占めるとされる非正規雇用者のなかで統計にあるパートタイム労働者(31.58%)を見ると、その見通しはさらに暗い。

 現金支給総額こそ前年同月比1.1%の増となっているが、残業代が中心の所定外給与は同7.5%の減少となっている。しかもこれはコロナウイルスで顧客や売り上げの減少が顕著になる前の2月の統計値だ。消費者の外出などの自粛が始まった3月、緊急事態宣言が発令された4月にどうなるかは想像すらできない。

 

 次が雇用。総務省の労働力調査(基本集計)によれば、最新のデータは今年1月。何とも古いデータだが、これによれば就業者数、雇用者数ともに85カ月連続で増加と7年以上の拡大が続いており、これは安倍政権の経済政策の効果と言っていいだろう。もっともこの連続記録も2月か遅くとも3月で途切れる可能性が大きい。

 一方、完全失業率(季節調整済)は2.4%で前月比0..2ポイントの上昇となり、これは過去2年間でのピーク2.5%に近い水準。このなかで小売り、外食、レジャーなどの業種は非正規雇用の比率が高く、経営者が売り上げ減少に伴うコスト削減で真っ先に手を付ける対象になりやすいのは周知の事実だ。

 

 しかも安倍首相は7日の衆院議院運営員会で「緊急事態宣言で営業休止を求められた事業者などへの損失補塡(ほてん)について「現実的ではない」と否定した」と朝日新聞デジタルで報じられている。3月以降の売り上げ減少で、雇用者が会社生き残りのために非正規労働者を中心に解雇に動く可能性は相当高いだろう。

 

 ここ数年2%台に留まっている完全失業率は今後急速に上昇、1948年以降の最大値である2002年の5.4%に近づくこともあると個人的には想定している。(データは独立行政法人労働政策研究・研修機構

 

 最後が株価。コロナウイルスの兆しが出る前の1月の日経平均は24000円台で、ここから3月18日には1万6000円台前半まで急落した。

 ちなみに当ブログでは、3月18日に「株価の暴落は一時的なもので、日経平均は年内にも2万円台を回復すると想定している」と書いた。

 

 この見通しは今でも訂正する気はないのだが、気になるのは戻りピッチの速さだ。3月25日に19000円台の回復したのは、急落への一時的な反動で説明はつくが、4月7日の終値18950円(高値は1万9162円)はちょっと理解できない。         

    

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 市場では、出渋られていた緊急事態宣言が出ることで、「アク抜け」を意識したとの見方があるようが、今後雇用、賃金などの悪化が鮮明になり、景況感が悪化するの確実。私が年内に2万円台を回復といったのは、コロナウイルス感染拡大の世界的な収束が見え始めたことを前提にしており、その時期は早くても年後半おそらく10月以降になるはずだ。

  今この時期に2万円台近くまで回復するのは、市場がコロナウイルスの影響を楽観視し過ぎていると感じる。

 

 いくら政府が事業継続のための目先の資金繰りを手当てしたところで、本業が回復する見通しが立たないのだから根本的な解決策にはならない。

 特に自転車操業で事業をやり繰りしていた小規模経営者などは、淘汰されるのは時間の問題だろう。レジャー、観光など「不要不急」の代表ともいえる業界は、経営規模の小さい会社が大半で、今後経営破綻が続出することは免れない。

 マスコミはこぞって景気悪化の象徴として取り上げるだろうから、社会不安は高まり、世間の消費ムードはさらに落ち込むことになる。まさに向こう数カ月は、売り上げ低迷⇒経営破綻⇒さらに売り上げ減少という「悪循環」にはまるのは確実だ。

 個人的には景気悪化の経済指標が今後相次いで明らかになるにつれて、相場は冷静さを取り戻し、2番底を模索すると観ている。感覚的には2016年の安値である16000円割れが下値の目途になるだろう。

 逆に言えば、この水準からなら買い下がっても中期的には利益が得られると観ている。

 

 ここまでをまとめると、現時点の雇用、賃金の公開データは景気の実勢を反映していない。しかもこの事実から眼を逸らしたうえで、コロナウイルスの経済的、社会的な影響を楽観視しているのが現在の株価水準である、ということだ。

 緊急事態宣言が発令されたことで、世の中の経済活動にさらなる低迷がかかるのは必至。ここは向こう数カ月は「冷静な行動」を取るようにしたいと考えている。

昭恵夫人には「自宅籠りの楽しみ方」を動画配信してもらえば?

その積極性と注目度を生かさない手はない

 

 安倍首相夫人の昭恵さんへのバッシングが激しい。親しい有名芸能人ら10人以上の仲間との集合写真が3月26日にインターネット上で公開されたのがきっかけらしく、国会でも追及された。

 

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 まあ常識的に考えれば、政府や自治体が外出の自粛などを国民・市民に要請しているのに、そのトップの奥さんが率先してグループで花見というのは少なくとも褒められる話ではない。しかもその写真を公開してしまうというのは「脇が甘すぎる」と言わざるを得ない。

 

 4月4日付けの東洋経済オンラインでは「安倍首相、昭恵夫人をコントロール不能なわけ コロナ下の花見と布マスク配布で大炎上」というタイトルの記事のなかで、「夫の足を引っ張る夫人は、首相のアキレス腱だ(自民党の閣僚経験者)などと非難する声が相次いだ」、「ツイッターでは「首相夫人がレストランで13人の『桜』宴会は駄目」「史上最悪な“ワーストレディ”では」との書き込みが相次いだ」ことなどが紹介されている。

 

 要するに昭恵夫人の自由奔放な性格と神出鬼没な立ち振る舞いが、今回は「悪目立ち」している訳だ。様々なマスコミの報道を見る限り、安倍首相も夫人の行動には関与できないようで国会の答弁でも擁護に徹している。ある意味では「惚れた者の弱み」状態なのかもしれない。反論はあろうが、安倍首相の「一貫して家族を守る」という姿勢は個人的には嫌いではない

 

 悪評が大きいとはいえ、ここまで各種パフォーマンスが耳目を集める昭恵夫人の存在感はとても貴重だ。であればこれを現在の非常事態時に上手に生かさないのは非常にもったいないと思う。具体的には、その積極的な性格を逆手にとって「自宅籠りの楽しみ方」の動画を撮って、Youtubeなどで配信してはどうだろうか。

 

 居酒屋を経営し、多種多彩な料理への知見があろう昭恵夫人ならではの独創的な料理を作ってみるもよし、抜群の人脈を持つだろうから専門家からオススメの映画やドラマを紹介してもらい、視聴した感想を語ってもいいだろう。

 こうした内容の動画配信をすれば、「いままでのアッキーとは異なる一面を発見できた」といった反応も見込めるかもしれない。少なくとも世間の注目を集めることは確かだろう。

 

 しかも、自宅での「楽しみ方」を伝えることで、結果として国民の外出が減るという効果も狙える。知り合いから昭恵夫人に提案してみてはいかかだろうか。

 もっとも、料理にしても映画鑑賞にしても昭恵夫人の事だから「友人を集めて大騒ぎ」になっては逆効果だということは予め釘を刺しておきたい。あくまで「一人で」が重要なのである。

 

 これは偶然なのだろうが、同日の東洋経済オンラインには経済コラムニストの大江英樹氏の「『外出自粛』それでも出かける人を抑える方法」という記事も掲載されている。

 記事では「報道する側としては、呼びかけに対してそれを無視する人たちを紹介するほうが、ニュースの映像になると考えてやっているのかもしれませんが、これは逆効果ではないか」と指摘、「むしろ、『自粛して出歩かない人が多い』ということを積極的にメディアで取り上げるべきではないでしょうか」と提案している。

 

 この大江氏の趣旨に沿えば、私の提案する「昭恵夫人の自宅籠りの楽しみ方」を動画配信すれば、昭恵夫人の新たなイメージが広まり、視聴者は自宅籠りの楽しさを知り外出を控えるので、結果としてコロナウイルスの拡散が抑えられるという多角的な効果が期待できるはずだ。意外性という観点から動画パフォーマンスへの評価も上がるだろうから、昭恵夫人も満足感を得られるだろう。

 

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 安倍首相には、良くも悪くも政策面リーダーシップがあるのは事実なのだから、ここは昭恵夫人とも相談して「外出自粛キャンペーン」の一環として動画配信を是非検討してほしいと思う。

 動画配信で得た収益金は「マスク製造支援金」として寄付すれば、さらに評価は高まるはずだ。

私が「競輪」は楽しむが「競馬」をやらないワケ

馬を走らせるか、人間が自分で走るか

 

 「ギャンブル」と聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか。

 おそらく「競馬」「パチンコ」などを挙げる人が多いと思うが、正確には公的にギャンブルと認められているのは、「競馬」「競輪」「競艇」「オートレース」の4つであるのはご存じだろう。

 

 来週末から競馬では、重賞レースである桜花賞が、その翌週には皐月賞が開催される。競馬ファンにとってはたまらない季節の到来ではないだろうか。

 

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 かく言う私は、基本的にギャンブルが「嫌い」である。ギャンブル依存症のように借金をしてまでのめり込んで家庭崩壊に繋がったりといった社会的な悪影響が大きいと思っているからだ。

 もちろん収益金の一部が、環境保全や福祉などの事業に回っていることは理解しているが、「賭け事」は本来人間が生きていくために必須のものではない。いわば趣味や嗜好品と言っていいだろう。

 

 そのなかでも私が特に問題視しているのが「競馬」である。ここからは極めて個人的かつ独善的な意見であり、競馬ファンの方は嫌悪感を持たれると思うので、この先は読まないことを勧める。

 

 なぜ競馬が嫌いかと言うと、動物を人間の欲望で賭け事の対象にしているからだ。農作業で働く馬は農家にとって農作物の育成という生活上の実益に貢献しているが、競走馬はそうではない。

 人間の都合で、交配され、訓練を受け、レースでは鞭を打たれ、走れなくなれば処分される。しかもその根底にあるのはギャンブルで儲けたい、生計を立てたいという関係者の思惑しか働いていない。動物をこのように「身勝手に」扱うことに誰も疑問を持たないのだろうか。

 

 実はこの考え方についてどう思うか動物愛護協会にメールで問い合わせたことがあるのだが、回答は「この度いただきました内容に関しては、如月様のおっしゃっている通りだと思います。是非、日本中央競馬会へご意見を出されてみてはいかがでしょうか?」だった。

 

 ちなみにメールの文面には日本中央競馬会の窓口のリンク先も書かれているのだが、この窓口は受付専用でページには「ご意見・ご要望への個別の返信・回答はいたしかねます」と表示されている。

 動物介護協会には「うまくかわされた」といったところだ。おそらく様々な事情から、政府の管轄する事業には関わりたくないというのが本音だろう。

 メールには「本協会は犬や猫を中心とした家庭動物の啓発をメインに行っております」とも書かれている。であれば「動物愛護協会」ではなく「犬猫愛護協会」に名称を変えるべきだろう。どうにも偽善的な団体との印象を強く感じた

 

 という訳で「競馬」に対する私の狭小な視野に基づく見解を述べた。

 冒頭で「基本的に」ギャンブルが嫌いと書いたが、実はまったくやらない訳ではない。むしろ「競輪」は私の30年来の趣味のひとつでもあるのだ。

 

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 一見矛盾するように思えるかもしれないが、競輪は人間が自分の脚で、意志を持って走る競争であり、これこそが正にプロスポーツと言えるのではないか。しかも賞金は1レースごとに着順に応じて決まり、成績が悪ければ選手登録を抹消される。非常にシビアな世界だ。

 

 これは余談だが、昨年まで現役でレースに参加していた三ツ井勉選手は63歳だった。自分の体力(脚力)が勝負のプロスポーツで、60代半ばまで現役を続けられる競技が他にあるだろうか。しかも50代の選手なら現在もザラにいる。

 

 私の場合は、競輪を「ギャンブル」としてではなく「駆け引きのある自転車競技」として観て楽しんでいる要素が大きい。

 競輪場に行くのは年に数回だが、一日に使う金額は多くて5000円である。これは自分で展開を読めるレースしか車券を買わないので、約10レース中実際に賭けるのはその半分程度。払戻金の額よりも、予想した展開と結果になったことの方が嬉しいのが本音だ。

 30年もやっていると大体4~5レースに1回ぐらいは予想は的中するので、実際には午前中から夕方までいて3000円ぐらいしか損をしていないことが多い。交通費と食事代込みで5000円で一日中楽しめるのだからありがたい

 

 しかも競輪には、レースをすぐ目の前で観戦できるという他の公営ギャンブルにはない臨場感が楽しめる。まさに数メートル先を選手が全力疾走で駆け抜けていくのだ。この迫力のプロスポーツの入場料がたったの50円である(立川競輪場の場合)。

 

 話はちょっと変わるが、公営ギャンブルを嗜むようになるきっかけは「競馬」という人が多いだろう。マスコミの扱いも他よりは大きいし、ファンも多い。それに対して「競輪」はどうしても暗いイメージが付きまとう。想像するに、レースが生身の人間同士の力勝負なので「選手間で何か暗黙の取引しているのでは」と疑いの目で見られやすいという側面はあるかもしれない。

 

 だが私の周囲を見ると、競馬から始まって競輪に行き着く人はそれなりにいるが、競輪を止めて競馬に戻るという話は聞いたことがない。これは競輪という競技が、人間が自分の脚を使いつつ、選手間の駆け引きも重要なレースの要因であり、レース展開を読む面白さが他の公営ギャンブルよりも大きいからではないだろうか。

 さきに紹介した三ツ井勉選手に限らず、レースに勝つには若さの脚力だけでなく展開を読むアタマも必要なのだ。

 

 ここまで競馬を批判し、競輪を擁護してきたが、別に読者に競輪を積極的に勧めるつもりはない。ギャンブル全般に拒絶反応を示す人もいて当然だからだ。

 ただ繰り返しになるが、競輪を一攫千金狙いのギャンブルではなく、破格の見物料金で楽しめるプロスポーツと捉えて、馬を人間の都合で走らせる競馬とは本質的に違うものだ、ということを理解してもらえれば、一人の競輪ファンとしてこれ以上にありがたいことはない。