如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

増加傾向のアルコール依存症、回復には「断酒」しかない理由

「節酒」では、まず間違いなく失敗する

 

 昔は「アル中(アルコール中毒)」と呼ばれた大酒飲みは、今は「アルコール依存症」と呼ばれている。要するにギャンブルと同じで「『なし』ではいられない依存体質」だからだろう。

 

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 さて、今回のテーマはこの「アルコール依存症」である。今回のコロナ禍で在宅勤務になったり、仕事が減ったりして家にいる時間が増えて、手持ち無沙汰から酒を飲む機会が増えて、依存症になりかけている人が増加しているらしい。

 実は私も10年以上前まで浴びるように酒を飲んでいて、γGTPの値は2000を超えたこともあった。同じ酒飲みでも私の場合は「自宅飲み」がほとんど。帰宅後は毎日缶酎ハイの500ml缶を5本は軽く飲んでいた。そのあとは寝るまでウイスキーをボトル半分ぐらい。休日ともなると朝からビールを飲み始めて、食事もしないで夕方まで飲み続ける日も少なくなかった。

 

 さすがに欠勤など会社に迷惑をかけることはなかったが、午前中は仕事にならなかった日が多かった気がする。周囲の職場の人たちは私の酒の飲みすぎに薄々感づいていたとは思うが・・・

 

 ちなみに現在まで10年ぐらいは一滴もアルコールを飲んでいない。正確に止めた日を覚えていないぐらい前から断酒している。断酒に成功した理由を結論から先に言うと、「本人に止める意地(意志ではない)がなければ断酒できない」し、「節酒ではまず成功しない」と思った方がいい。これは依存症の経験者本人が行っているのだから間違いない。

 

 また、最近のアルコール依存症に関する記事で目立つのが「いきなり断酒は困難だから節酒から始めましょう」という内容。例えばAERA.dotの6月28日付けの記事「断酒は無理…酒好き肝臓専門医『1週間の総量規制で楽しんで』」などがそれに該当する。

 記事の趣旨は、1日20グラムのアルコール(ビール中瓶1本)に限定すれば身体への影響は避けられる、1週間で140グラムと言う「総量規制」でも構わない、としている。

 

 過去に大酒を飲んでいた人間から見れば、1日ビール中瓶1本で収まるぐらいなら、とっくに酒を止められている。かく言う私自身「節酒」から始めようとして何度も失敗している。飲み始めて途中でやめるぐらいなら、最初から飲まない方がずっと楽なのが実態なのだ。

 

 私は本格的に酒を止めようと思ってアルコール外来に行ったこともあるし、そこで紹介された断酒会やAAにも数カ月通ったことはある。そこで出席者から必ず聞かされることになるのは「ちょっとなら大丈夫」と思って飲み始めたら、いつの間にか止められず元の状態に戻っていた、という体験談だ。

 

 アルコール依存症もしくはその傾向があると思っている人は、アルコールに向き合う姿勢を「一生ここままでいい」とするか「絶対に断酒する」と誓うか、どちらかはっきりと決めた方がいい。「節酒」と中途半端は行為は、私に言わせれば「断酒」より困難で効果も限定的なものだ。

 

 では、どうやって「断酒」するかという話だが、これは言葉にすれば簡単だが「1日1日の積み上げ」しかあり得ない。「なんだそんなことか」と思われるのも無理はないと思う。実際に私もそのような虚しさを感じたのは事実だ。

 

 ただ考えてみてほしい。例えばギターやピアノなど楽器を趣味としている人は、数日の練習で演奏できるようになっただろうか。コードや指使いをイチから覚えて、日々の練習の積み重ねの結果、数か月経ってようやくサマになりかけたといったところではないだろうか。

 

 「断酒」も同じである。「今日1日断酒できた」という事実の積み重ねが結果として、長期の断酒に繋がっていくのだ。個人的な経験から言えば、確かに断酒を初めて1週間ぐらいは寝付けないし、寝汗はかくし、イライラ感は収まらないし、と精神的にかなり堪えるのは事実だ。ただ、これを乗り越えるとアルコールがない生活がごく普通になってくる。

 ただし、半年ぐらいは飲み会や宴会などには顔を出さない方がいい。アルコールとの接近は無用なリスクになるだけだからだ。もっとも最近は新型コロナの影響で、こうした会合はないだろうが。

 

 先にも書いたが私は断酒して約10年が経過している。こうなるともう誰も酒を勧めてこないし、当然ながら飲みたいとも思わない。昨年暮れにある趣味の団体の忘年会に参加したが、参加者のほぼ全員が酔っ払っていたなかで、私だけは最後まで悠然とウーロン茶を飲み続けていた。もはや達観の境地といってもいいだろう。

 

 最後に参考までに私が断酒するきっかけのひとつになった本を紹介したい。それは「禁酒セラピー」(アレン・カー著)である。アルコール依存症に関係する人たちの間ではかなり有名な本なので知っている人も多いとは思うが、読んだことのない方は一読されることを勧める。

 内容が参考になるのは事実だが、それよりも冒頭の「この本を読み終えるまでお酒は止めないでください」という書き出しが面白い。

 

 繰り返しになるが、アルコール依存症から脱したいなら「節酒」ではなく「断酒」しかない。節酒を勧める論調が昨今急速に増えてきたのは、「断酒」では病院の外来に来る人が限られるので、「節酒」という手法で治療のハードルを低くすることで、より多くの患者を呼び込みたいという医療関係者の思惑が働いていないとは言い切れないと思う。

 

 結局、アルコールの罠から抜け出すのに、「楽な方法」や「近道」はないのだ。

 

東京ディズニーリゾートの再開で世の中の雰囲気一変の可能性も

 東京ディズニーランドおよび東京ディズニーシーは6月25日、7月1日(水)から両パークを再開することを決定した(Webサイト)。

 

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 日本を代表する大型エンターテインメント施設の営業再開で、これまでまだ自粛ムードが優勢だった状況が大きく変化する可能性がある。

 これに先立って東京の主な遊園地では、「としまえん」が6月15日から、「東京ドームシティ」「よみうりランド」が6月16日から一部のアトラクションなどを除いて営業を再開している。

 

 とはいえ、東京ディズニーリゾート再開が世の中に与えるインパクトは相当大きい。ちなみに2018年の入園者数は過去最高の3255万人。国民の4人に1人は行っている計算になる。もっともリピーターが多いうえ、外国人も相当数占めるので、そう単純な話ではないが。

 

 ただ、今後予想される展開として、7月1日の再開に合わせてテレビ局などのマスコミがこぞって取り上げる可能性は相当高い。ニュースとして広まることで世間のムードが明るくなる可能性は大きいだろう。特に熱狂的なリピーターがインタビューなどで着ぐるみのキャラクターと並んで「再開して最高!」といった声が聞かれるのは間違いない。やや持ち直してきた国民の気持ちがさらに回復させる効果はありそうだ。

 

 こうなると、他の遊興施設への影響も出てくるはずだ。自治体の管理する博物館、資料館など施設の多くは東京都への緊急事態宣言が解除されたことから、6月1日から段階的な制限解除を前提に再開を進めているが、利用者の増加ペースに弾みが付くだろう。例えば上野動物園は6月23日から整理券の予約を条件に営業時間を短縮して再開しているが、入園希望者の増加でこの制限も緩和される可能性がある。

 

 これまで数カ月にわたって事実上の自宅巣ごもりを強いられてきただけに、これを機会に各種施設への外出意欲は急速に高まるはずだ。特に子供のいる家庭では、都内の小学校は8月1日からほぼ一斉に夏休みとなることの影響もあるだろう。

 

 一方で気になるのは、最近の東京の新型コロナウイルスへの感染者数の増加。6月14日に47人まで増えたあと、30人以上の日が多く24日には55人に達した。PCR検査の調査対象人数が増えているという影響もあるのだろうが、人々の自粛解放モードが高まって、再び感染が流行らないかは注意すべきかもしれない。

 

 あとは、最もコロナ禍の影響を受けた観光業だが、地方を中心に厳しい状況が続くと見ている。都道府県を跨いだ移動に自粛要請がかけられていたのは最近ようやく解除されたが、メディアの一部報道にあった地方の住民が「東京を含む他県からの流入者を罵倒したり嫌がらせをする」いうイメージは個人的に強く残っている。

 

 地元の観光協会などは都会からの観光客の誘致に努めるだろうが、今回の件で「地方はよそ者を排除する」という意識が根底にあることが改めて判った。今まで散々都市部からの観光客で地元経済が潤ってきたのに、感染するかもしれないという被害意識だけで、あそこまで過剰に反応されると私自身は「向こう数年は地方の観光には行かない」と心に決めた。

 

 以上、7月から国民の生活スタイルが平常時にさらに近づくのは間違いない。私自身は旅行はしないが、地元の料理店での外食は復活させようと思っている。よそ者を排斥する地方より、地元密着型の自営業者へのサポートを優先したいからだ。

9月スタートのマイナポイント、申請はお早めに――1人最大5000円

ポイント還元には予算の上限がある

 

 政府が9月からスタートするマイナポイントだが、還元率25%のポイントを受け取るにはマイナンバーカードによる事前登録が必要で、しかもポイントを取得できる人数には上限があることをご存じだろうか。

 

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 もともとこのマイナポイント制度は、今年6月までのキャッシュレス還元と東京五輪による景気下支えをサポートする意味で設けられたもので、キャッシュレスで支払いをすると、支払額の25%がポイントとして受け取れるというもの。ただし、ポイントの上限額は1人あたり5000ポイントだから、最大で2万円分の買い物が対象になる。

 

 特別定額給付金(1人10万円)のオンライン申請で突然脚光を浴びたマイナンバーカードだが、慌てて申請したり、パスワードの再設定などで自治体の窓口が「3密」状態になるという事態も招いたものの、特別定額給付金は郵送でも申請可能で、すでにかなりの世帯に給付金は行き渡ったようだ。

 

 今回のテーマは「マイナポイント」である。こちらは景気の下支え効果も意図しているが、マイナンバーカードの普及を目指していることは間違いない。なぜなら仕組みとして、マイナンバーカードを使って、「マイキーID」というIDを取得しないとマイナポイントは受け取れないのである。

 

 しかもこのマイナポイントの付与にあたって政府が20年度予算でポイント原資として計上した金額は2000億円。4000万人の利用を想定しているが、25%という高い「還元率」に惹かれて申請する人は意外と多いのではないだろうか。

 

 注意点はこのマイナポイントを受け取りにあたって2点ある。一つ目は「マイキーID」の取得によってポイント獲得の権利を得られるが、これにはマイナンバーカードを読み取る機材、具体的には適合したスマホか、ICカードリーダを接続したPCが必要ということ。

 もうひとつは「マイキーID」の取得は先着順で、総務省のマイナポイント事務局のWebサイトには小さな文字で「マイナポイントの予約者数が予算の上限に達した場合には、マイナポイントの予約を締め切る可能性があります」とされている点だ。

 

 一覧リストによれば、スマホの場合iPhoneだと7以降、アンドロイドだと適合機種はかなり限定される。私の場合、スマホは保有していないのでPCに接続したICカードリーダを購入して対応せざる得なかった。4月以降は特別給付金の申請用に機材が品薄状態にあったが、現在はほぼ解消している。有名メーカー品でなければAmazonで1000円台から購入可能だ。

 

 さて、ICカードリーダーを無事購入して一安心となる訳ではない。Windows10であれば接続すれば自動認識する機種が多いようなのだが、私の場合はPCを再起動させないと認識されなかった。

 さらに、パソコンに専用の「マイキーID作成・登録準備ソフト」をインストールする必要がある。この際のパソコンの動作環境に「Internet Explorer11」が指定されていることもパソコン初心者の混乱を招きかねない。現在のブラウザの主流はGoogleChromeかEdgeだからだ。

 また、カードをセットする際にICカードリーダーに「裏向き」に入れるというのも意外な盲点だろう。

 あとは、発行されたマイキーIDを印刷するか、メモしておけばよい。

 

 ここまで来れば、マイキーIDが発行されたので25%のポイント還元の権利は確保できたはずだ。あとは7月以降に、各マイキーIDと利用するキャッシュレス決済を「紐づけ」すれば、9月からの利用でポイント取得が可能になる。

 キャッシュレス決済の都度ポイントを貯めていくのも手だが、ポイント還元の予算の上限が決められていることを考えると、上限の2万円(還元は5000円)を電子マネーとして一度にチャージしてしまったほうが気軽で安心な気はする

 

 いずれにせよポイント取得の権利を確保する「マイキーID」の取得までは、早めに対応した方がいいだろう。

 

存続可能か?「SUUMO新築マンション」、掲載物件はわずか2つ

当面は不動産販売の回復見込めず

 

 駅ナカなどに隔週で配布されているフリーペーパー「SUUMO新築マンション」が大変な状況に陥っている。

 最新の2020年5月26日号(東京市部・神奈川北西版)では、何と掲載している新築物件がたったの2件しかないのである。

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 しかも、この2件とも千葉県の柏市の物件で、東京都でも神奈川県でもない。掲載物件の少なさにも驚いたが、対象地域がそもそもカバーするエリアと異なることから考えて、SUUMOはかなり追い詰められていると考えていいだろう。

 

 ほんの数年前の最盛期には数十件もの物件を掲載し、厚みも2センチぐらいはあったのだが、その後新築マンションの価格が急騰し、買い手が手控えムードとなると掲載物件の件数は大きく減少、とじ込みは「糊付け」から「ホッチキス」に切り替わったほか、発行頻度も「週刊」から「隔週刊」に変わった。

 

 さらにこの春の新型コロナウイルスの影響で、新築マンションのモデルルームは閉鎖を余儀なくされ、営業活動はほぼ休止状態。実際5月17日の東洋経済オンラインにはコロナ新築・中古マンション価格』への影響度」として、SUUMO編集部が寄稿、「新築マンションモデルルームへの来場者は大幅に減少。来場者数は半減どころか80~90%減といったところが続出」と書いている。

 

 数千万円の買い物をするのに顧客との対面営業は欠かせないのだが、ソーシャルディタンスの確保を考えると事実上「懇切丁寧な営業」は不可能だろう。となれば営業できない以上、物件の広告を打っても集客効果は見込めないのだから「SUUMO」の掲載物件が激減するのは当然の結果ではある。

 

 問題は、この状態がいつまで続くのかだろう。6月に入って一部の不動産販売会社は営業を再開したようだが、これまでのような集客は見込めないうえ、仮に顧客が来てもテーブルの間隔を空けざるを得ず、成約への道程は厳しそうだ。

 

 加えて、新型コロナウイルスの影響で、賃金や仕事など雇用への不安感は社会全体に急速に高まっている。35年もの長期ローンを組むことに慎重な向きが増えることは間違いない。

 しかも都心部の新築マンションは土地の価格が高い時点でデベロッパーが購入しており、原価から計算して価格は下げようがないのが実態。しかも財務力の高い大手デベロッパーの市場占有率が高く、安易に値下げする必要性が現時点ではないことも、価格の高止まりと購入手控えに影響している。

 

 一方、個人売買が大半の中古マンションは先のSUUMOの記事によれば、株価次第で「都心中古マンション成約単価は15~20%マイナスで推移する」と予想している。

 気になるのは、夫婦がペアローンで購入可能な最大限の価格の物件を購入したものの、所得の減少を受けてマンションを手放す動きが強まることだ。

 

 都心3区や湾岸エリアのタワーマンションなどが急騰したのは数年前から。ローンの支払いの大半は利払い当てられ、借入残高はほとんど減っていない可能性が高い。つまり売却しても残債が残る可能性が高い。

 ただ、支払い不能に追い込まれれば、任意売却などに追い込まれるのは必至。売却物件の増加で中古マンション価格への影響は避けられないだろう。

 

 さらに言えば、今回の感染防止策の一環であるリモートワークの普及で、職場への通勤利便性を最優先に考える向きが減少するのは間違いないはず。

 毎日出社する必要がなくなり、時差通勤がさらに普及すれば、バカ高い都心部のマンションを購入する必然性は低下する。都心のターミナル駅から30~40分程度の距離で探せば、物件価格は大きく下がる。こうなると駅近のマンションに限らず、やや離れた建売の戸建ても視野に入ってくるはずだ。

 

 いずれにせよ、今回の新型コロナウイルスは秋以降に予想される第二波などの影響も予想されることから、生活様式を含めた住宅購入予定者の思考回路に大きな変化をもたらすだろう。この変化が住宅市場に与える影響は、一時的なものではないことは間違いなさそうだ。

キャッシュレス化とマイナンバーカード、新型コロナ禍で普及に加速も

脱現金とポイント制度が後押し

 

 政府の推進するキャッシュレス決済とマイナンバーカードが今年急速に普及する可能性が高まってきた。

 

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 諸外国に比べてキャッシュレス決済比率の低い日本が、その低迷する普及率の向上に向けて大きな動きを見せたのは、昨年10月1日の消費税率引き上げに伴う「キャッシュレス・ポイント還元事業」だ。

 これは税率引き上げに伴う個人消費の低迷を下支えするための政策(経済産業省は需要平準化対策と定義している)として、今年6月末までの9カ月間と期間を限定して、中小・小規模事業者には5%、コンビニやフランチャイズチェーン店には2%のポイント還元を実施するものだ。

 

 最新の【ポイント還元事業】店舗の種類別の登録状況と利用状況によれば、5月1日時点の加盟店は約113万店。このうち全体の約90%を占める中小・小規模事業者は、約102万店と初めて100万店の大台を突破し、昨年10月1日時点から2.5倍へと拡大している。

 

 一方、対象決済金額に占める決済手段の内訳をみると、昨年12月時点ではクレジットカード(約60%)、QRコード(約10%)、その他(約30%)だったが、最新のデータではこの比率がそれぞれ約64%、約7%、約29%となっており、クレジットカードの比率が上昇、QRコードは低下している。 

 世間ではキャッシュレスは「スマホ決済が主流」となっているようなイメージがあるが、金額ベースでは依然としてクレジットカードが優勢のようだ。

 

 ただ、1月21日時点の決済単価でみると、クレジットカードの4800円に対してQRコードは1400円と少額の買い物が中心であり、決済回数ベースではクレジットカードの28%に対して、QRコードは14%とかなり健闘していると言える。

 

 こうした現状のなかで、最近の新型コロナウイルスの感染を契機に、現金を回避する動きが出ていることを解説する記事「ATM利用6割減 コロナ禍、個人『脱現金』加速も」が4月26日の日本経済新聞電子版に掲載された。記事では「お札を通じた感染のリスクが相対的に高いとみる人がATMの利用を避けているとみられる」としており、今後「現金離れに勢いがつく可能性」と指摘している。

 

 確かに電車のつり革や手すりなどを中心に、不特定多数が触れる機会のあるモノには触れないようにする人は確実に増えているし、最近の私の体験では、クレジットカードの決済の場合でも、レジの店員はカードを受け取らず顧客自身で決済端末に挿入、操作するというスーパーまで出てきた。

 すでに現金利用不可のレストランなどは存在するが、今後感染防止のためにスーパーなどの小売店でも電子マネー決済専用レジが大量に出回る可能性もありそうだ。

 

 また、政策面からもキャッシュレス決済を支援する動きは今後も続く。政府は2020年9月から2021年3月までの期間、総務省において、マイナンバーカードを活用した消費活性化策(マイナポイント事業)を実施する予定で、消費者はこの期間内にマイナンバーを取得してキャッシュレス決済登録すると上限5000円のポイントが受け取れる。

 また、中小事業者がキャッシュレス決済に必要な端末を導入する際の費用の半分を負担する補助制度も導入される。(端末の価格はクレジットカード専用で約10万円、電子マネー対応型だと約20万円)

 

 さらに新型コロナウイルス対策で政府は1人当たり10万円の現金給付を決定、早い自治体ではすでにオンラインでの申請が可能だが、これにはマイナンバーカードと専用のカード読み取り機が必要。読み取り機は現在市場で人気化し在庫不足の状態。今後マイナンバーの普及が急速に進む可能性もキャッシュレス化の推進要因になりえる。

 加えて、2021年3月からはマイナンバーカードが健康保険証として利用できることも普及の後押しになるはずだ。

 

 専門家や政府関係者が新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になると発言していることから、感染予防対策は過去のインフルエンザなどと異なり向こう数カ月は日常化する公算が大きい。

 不特定多数が触れる現金への回避行動とポイント制度によるキャッシュレス決済の拡大、それに伴うマイナンバーカードの普及は今後弾みが付くと思われる。

 

 これは余談だが、私はスマホを所有していないのでQRコード決済は利用していない。が、SUICA定期券と頻繁に利用する店舗のクレジットカードで大半の決済を行うので、特に困ったことはない。

 QRコード決済を使ったことがないので私見になるが、利便性ではSUICAが手軽で決済スピードが最も速く、不正利用へのなどへの対応ではクレジットカードの信頼性が一番高いと思っている。

 アプリを立ち上げてQRコードのやり取りをするのは、どうにもひと手間余計にかかるような気がするのだが。

在宅勤務が2カ月に。後ろ倒しになる有給休暇の有効活用を

クルマ以外の運転免許取得のススメ

 

 4日に政府から緊急事態宣言の延長が発表され、5月31日まで終了期限が伸びた。

 これによってこれまで会社の要請で在宅勤務をしてきた人々は、さらに約1カ月のテレワークを迫られる事態になった。

 

 在宅勤務が始まった当初は、そのメリットを享受していたが、最近のメディアの報道などを見ると、家族全員が在宅することによるストレス、自宅に籠ることによる運動不足などの弊害も目立つようになった。

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 当ブログでも、2日に「在宅勤務1カ月で変わったこと、変えていきたいこと」として在宅勤務の長期化に伴う対応策などを書いたが、今回は別の観点からより具体的な私見を述べてみたい。

 

 まず考えられるのが、有給休暇の消化方法である。平成30年の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」の成立によって、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日の取得させることが義務付けられた厚生労働省;年5日の年次有給休暇の確実な取得)。

 

 例えば4月から5月末まで在宅勤務となった場合、緊急事態宣言で外出が自粛要請されているので旅行などの休暇のために有給休暇を取得した人はいないだろう。この間病気(新型肺炎も含めて)で仕事を休んだ人以外は、おそらく一日も有給休暇を取得していないことになる。

 

 これまではゴールデンウィークに絡めて取得する人も多かったと思うが、これはほぼ全滅だろう。次に取得していたのが夏休み期間だったと思うが小中学校の始業開始時期が早くても6月、今後の展開次第ではさらに後ろ倒しされる可能性もある。

 こうなると例年の7月下旬から8月末までの夏休みは短縮ないしは中止されるのは確実で、家族旅行もお盆の帰省もままならない状況になりそうだ。

 

 以上を考えると、年5日の有給休暇取得は実質的に9月以降となり、来年3月までの7か月間で取得しなければならなくなる

 しかもこれは法律で定められた最低限の日数であり、先の資料によれば、勤続勤務年数6年6カ月以上の労働者には20日間の有給休暇の付与が示されており、会社の規模や事情内容にもよるだろうが、ちなみに私の勤める会社では条件を満たせば可能な限り20日間の取得が推奨されている。

 

 こうなると、9月から来年3月までの7か月間で20日間の有休休暇を消化する計画を立てる必要があり、1カ月当たりにすれば約3日となる。ほぼ毎週1日は休んでいる形だ。

 

 個人的な意見を言えば、だらだらと細切れに休暇を取るのはお勧めしない。一日ぐらい休んでも休暇の効果はあまり見込めないからだ。おそらく現状のリモートワークの環境は、働き方改革の一環でコロナ禍が過ぎ去った後も継続されるだろう。休暇中、家にいても何らかの形で仕事に接する機会が増えるのは確実だ。これでは気分転換にすらならない。

 

 そこで私が推奨したいのが、最低でも5日以上連続した有給休暇を取得し、仕事とまったく関係のない資格取得や新しい趣味に使うことである。せっかくまとまった休みを遠慮することなく取得できる機会なのだから、いっそのことこれまでの自分とはまったく縁のない世界に首を突っ込んでみるのもいいと思う。

 

 具体例として今回は「運転免許」について触れたい

 具体的には、まず「オートバイの免許」だ。クルマの免許は持っている人が多いと思うが、この免許で運転できるのは排気量50cc以下の原付二輪。これだと制限時速は30kmだし、信号のある交差点では2段階右折となるなど使い勝手が悪い。これが125cc以下の小型二輪免許になれば制限速度は自動車と同じになる。スクーターのAT車なら最短2日で取得できるのもありがたい。

 ただ個人的には、私も取得している排気量400ccまで乗れる「普通二輪免許」を勧めたい。やはりオートバイらしい存在感があるし、高速道路も通行可能になり、長い距離を走るなら姿勢も楽で疲れにくい。二人乗りは小型免許の125ccでも可能だが、実際にはパワー不足に悩むはずだ。125ccはあくまで街乗り用である。

 しかもクルマの普通免許を持っている場合、小型AT二輪の費用が総額で約10万円なのに対して、普通二輪は約12万円と大した差額ではない。もっとも通学日数は10日ぐらいかかるが。

 

 同じ運転免許でも、趣味だけではなく将来仕事として役立てたいというのであれば「フォークリフト免許」という手もある。

 こちらは自動二輪に比べて教習所の数が少ない(東京都で14カ所)のだが、取得すれば倉庫や工場などの物流施設での求人は結構あるらしい。きつい肉体労働ではないし、定年後のアルバイトとして選択肢のひとつになるだろう。

 ちなみに費用は普通免許を持っていれば5日間で約5万円。しかも職業訓練給付制度の対象なので条件を満たせば受講料の20%が返ってくる。ただし、基本的に連続して5日間の受講が必要なので有給休暇の取得は必須だろう。

 ちなみに私は、2年前に取得したが、運転する感覚や操作方法がクルマと違って新鮮で非常に面白かった。実技試験も資格自体が「就業支援」という立場上、よっぽどのことがなければ確実に合格できる。しかも免許証は更新の必要はなく一生有効だ。

 これはクルマの免許が警察の管轄なのに対して、フォークリフトは厚生労働省の管轄という違いからだ。

 

 以上、今回はまとまった有給休暇を生かす方法のひとつとして「運転免許取得」をとりあげたが、他にもトラックなど「中型免許」やクレーン車などの「大型特殊」などの選択肢もある。

 いずれにせよ、有給休暇を利用した資格取得の参考になれば幸いである。

在宅勤務1カ月で変わったこと、変えていきたいこと

自分マネジメントの重要性

 

 4月の政府の緊急事態宣言以降、テレワーク、在宅勤務が急速に普及して一カ月弱。

 私の勤める会社でも、3月に入って在宅勤務を「希望すれば基本的に承認」されるようにはなっていたが、4月からはこれが「出社する合理的な理由がなければ在宅勤務」となった。

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 つまり、会社でしか使用できない端末の操作業務と一部の本社業務などを除いてほぼ全員が在宅勤務となっている。しかも4月30日に安倍首相は緊急事態宣言の延長を示唆しており、報道によれば約一カ月の延長となる見込みのようなので、少なくとも5月末、もしくは6月7日(一カ月)までの延長となる可能性が高い。

 

 こうなると現時点で1カ月の在宅勤務がさらに1カ月延びることになる。始まった当初は通勤時間の解消による時間的、身体的な余裕、自分のペースで仕事を進められる自由さ、などから大きなメリットを感じていたが、そろそろ何かと弊害も見え始めた。具体的には、仕事とプライベートの切り分けが曖昧、運動不足とそれに伴う体重増加である。

 あと一カ月もこの状態が続くとなると、さすがに健康面で影響が出そうだと懸念せざるを得ない。

 

 こうしたなか、5月1日付けの東洋経済オンラインに「激増『在宅勤務疲れ』を予防する5つのコツ」というタイトルの記事が掲載された。執筆したのは経済コラムニストの大江英樹氏。元野村証券で個人営業などを長く担当し、現在はシニア向けを中心とするライフスタイル全般及び資産運用関連の記事や講演でかなりの有名人である。

 

 大江氏が記事のなかで「在宅勤務疲れ」への対策として挙げているのは、

  1. 毎朝ヒゲを剃ること
  2. 楽な格好ではなく、ワイシャツとズボンを着る
  3. 自分で時間割を作って、それを守ること
  4. 夜は早く寝て、朝は日の出と共に起きること
  5. 2時間おきに家の中でできる運動をすること

 以上の5つである。これらは実際に大江氏が実践している項目とのことだ。

 

 ここで自分を振り返ると、この中でこれまで私が実践しているのは5つのうち「4.の睡眠、起床時間」しかないことに気づいた。

 

 まず1.のヒゲを剃るのが原則1~2日おきになった。特に週末は木曜日か金曜日の朝に剃ったら翌週のWeb会議までまず剃らない。理由は2つあって、まず「面倒だから」。外出自粛要請も出ているので人に会うこともないので、ヒゲを剃る必要性を感じなくなったこと。もうひとつは、4月25日の当ブログ「私がこの状況下でも頑として『マスク』を使わない理由」でも触れたが、顔の皮膚が刺激にとても弱いので、できるだけ電気シェーバーを使いたくないからだ。

 

 2.については、おそらく多くの人が共感しているのではないだろうか。私の場合は、早朝の起きてからWeb会議がある日はその時間帯まで、会議がない日は一日中上下ジャージである。確かに「仕事モード」に切り替えるという意味では上は襟付きのシャツ、下はカジュアルでもパンツなどに着替えた方がいいのだろうが、これも「面倒だから」が理由になっている。休憩時間にベッドで横になるのに都合がいいという事情もある。

 

 3.は自分の仕事内容とも関係しているのだが、在宅勤務以前から「時間割」のようなモノは会議以外設定していない。私の仕事は基本的に週末までに仕上がれば時間配分は自由という内容がほとんどなので、通勤していた頃から特に時間ごとに「いつまでに何をやる」といったスケジュール管理はしていなかった。従って現在も「時間割」は業務のWebカレンダー上では存在するがほとんど機能していない

 

 5.は自分にとって最大の問題かもしれない。通勤時に一日5000歩はあった歩数が現在は数百歩にまで減少している。まあその分お腹も空かないので食事の量も減りつつはあるのだが、運動不足は歴然で体重が増える一方で、筋肉量はずいぶん減ったような気がする。時間の合間を見て近くを散歩する際に、疲れやすさと体力低下を実感するようになった。

 これに対しては、4月13日に「在宅勤務で煮詰まったら『フィットネスバイク』はいかが?」でも書いたが、5月1日からは毎日45分の自転車漕ぎを実践している。幸い気温も上がってきたので汗もかきやすく、効果は大きそうだ。

 

 大江氏は「5つのポイントの中では3つ目の自分で時間割を作って、それを守ることがいちばん重要」と書いているが、その考え方の背景にあるのは「自分で自分をマネジメントする」ことの重要性を認識すべきということだろう。

 その意味では「髭剃り」や「シャツとズボン」は、外見上の自分マネジメントの一環と言えそうだ。もっとも私にとっては、「運動不足」が最大の問題なのだが。

 

 目標を宣言すると達成への意識が高まり成功率が高まるそうなので、ここで「5月末までに5%体重を減少させる」を目標としたい。結果は必ず発表することをお約束します。(あぁ、言い切ってしまった・・・

 

主張するのは「自由」だが、それで「品性」が評価されることも自覚すべき

反対するなら対案を出さないのは無責任

 

 いまさら言うまでもないが世の中はネット社会となり、誰もがWebサイトやSNSなどを通じて自由かつ簡単に発言できるようになった。

  

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 ほんの10年ぐらい前までは新聞、雑誌、テレビなどの大手メディアしか社会的な影響力を持っていなかったので、自分の意見を述べつ機会も手段も限られていたが、SNS全盛の時代となり、新しい話題やテーマなどはネットから拡散して、それをテレビなどが伝えるという情報発信の主役が変わりつつある。

 

 とはいえ、無名の個人がツイッターなどで発言してもその影響は限定的だ。やはり芸能人や成功したビジネスマンなど有名人の発言の方が影響力が大きいのは事実だろう。

 

 こうしたなか、4月27日付けのWebメディアJBpressに「著名人の政権批判、メディアは選別すべきではないか」という記事が掲載された。サブタイトルは「PV目当ての「タレント発言垂れ流し」はメディアの仕事なのか」である。

 

 この記事、私が日頃から何となく気になっていたことをズバリと指摘していて、説得力もあった。まさに私が言いたかったことを代弁してくれたようなものである。

 

 記事ではまず、堀江貴文のツイッターでの小池都知事や新型コロナウイルス専門家会議に対する発言を取り上げ、「堀江氏の主張は理性的のようには感じられません」と指摘、また、そうした発言を多くのメディアが取り上げるのは「発言を記事にすれば簡単に視聴率やアクセスが稼げるから」と解説している。

 

 さらに、最近では芸能人にも政府の政策へのヒステリックな発言が目立つとし、その理由として

  1. 政治判断に100%の正解はないので、瑕疵を探して批判すればよく論立てとしては非常に容易
  2. 批判をすることで視聴率を上げられ、ネタを探しているメディアで取り上げられ宣伝効果が大きい
  3. 固定ファンもいることから、そのような人を通じて世論を引き込むことができ、批判を発信することによる見返りが大きい

 を挙げている。以上の3点は芸能人に限らず、評論家やコメンテーター全般にもあてはまると思う。

 

 まず1.だが、私はテレビをほとんど見ないので週刊誌のコラムを引き合いに出したい。連載されるコラムには当然様々な立場の人が自分の意見を述べているが、そのなかでも政府批判の傾向が著しいのが、サンデー毎日に「抵抗の拠点から」を連載中の青木理と、週刊朝日の「しがみつく女」を書いている室井佑月である。

 

 まあ2人とも「毎週毎週よくここまで続くものだ」というぐらい手を変え品を変えて安倍政権の政策批判を書き連ねている。

 あえて違いを言えば、青木氏が共同通信の記者出身らしく文章が論理的ではあるが、本人の性格のせいか「読んでいて暗い気分になる」。一方、室井氏は元銀座のホステスだけあって人当たりが上手なためか、文面は柔らかいが「表現が感情的で中身が薄い」ということだ。

 

 逆に共通しているのは、激しい批判はするものの対案は出したことがないということ。過去のコラム全てを読んでいる訳ではないが、私の知る限り「こうすればいい」という提案は見たことがない。

 もっとも青木氏は、過去のラジオかテレビの番組で「対案を出すのはジャーナリストの仕事ではない」という趣旨の発言をしているので、これはもう確信犯なのだろう。

 

 何事もそうだが「批判」をするのは簡単である。政府が新型コロナウイルス対策で布製マスクを全世帯に2枚配布することを決めた際にも、「たった2枚」「なぜ布製」といった批判は多く聞かれた。一方で、「ではどうすればいいのか」、「それをどうやって実現させるのか」といった「対案」はほとんど聞いた覚えがない。 

 批判する人は2枚の布製マスクなら「ない方がマシ」とでも言いたいのだろうか。たとえ2枚でも手元にマスクがまったくない人たちにとっては「とても助かる」話ではないか。

 

 2.と3.についてだが、これは私も自分の体験から感覚的に理解できる。今から2年ほど前になるが当時私は「Amazonレビュアー」としてランクを上げるのに夢中になっていて、2018年の6月に出版された人気作家の橘玲の「朝日ぎらい」を発売当日に購入してその日うちに一番目となるレビューを投稿した。本の内容は興味深く参考になったが、理解しにくい部分もあったので、★4とした(役に立った投票は45票)。

 

 驚いたのはその翌日に★1のレビューが立て続けに投稿され、かなりの評価(142票と73票)を集めたこと。しかもこの2つのレビューに共通するのは「感情的な思い込み」だ。しかも内容が本への見解ではなく、関係の乏しい自説の主張でしかないという点も同じだ。要するに「自己満足のストレス発散」でしかない。

 

 著者の橘玲氏が、同年7月11日の現代ビジネスで「『朝日ぎらい』な人々が世界各国で急増している理由」というタイトルの記事で「(この)類のレビューは、本文はもちろん目次すら読まずに書かれたものです」と書いているように、アンチ橘派は自分の意見と異なるといったん決め付けると、問答無用で反発、抵抗、批判をためらいなく盲目的に実行するのだ。そしてこれを支持する層がいるのも事実なのだ。

 

 この反対の事例もある。元大阪府知事の橋下徹氏が昨年5月に出版した「実行力」には、現在244のレビューが書かれ、このうち★5が64%を占めている。私自身もレビューを書いているが、内容は事実に基づいていて、説得力があり大変参考になったので★5を付けた(投票数は112)。

 ところがこの本、発売直後に1000件を超える★5つの評価が一時的に付いていたのだ。当時のスクリーンショットが手元にないので説得力に欠けるのだが、丸一日以上はこの状態だったと記憶している。Amazonのシステム障害でない限り、これは先の例とは逆に「橋本支持派の結束行動」なのかもしれない。もっとも反対派による巧妙に仕掛けられた罠の可能性もあるが。

 

 ここまでいろいろ書いてきたが、私が言いたいのは「反対するなら対案も考えろ」、「人の意見を知名度や人気で判断するな」ということだ。

 大体、自分の考えている事と違うからという理由で反対するだけなら小学生でもできる。先の室井氏のコラムやAmazonのレビューのように感情的な反発なら、幼稚園児の「泣きわめいて駄々をこねる」レベルだ。まともな大人なら「ではどうすべきか」まで考えるのが常識だろう。

 

 誰にでも反対の意見を言う自由があるのは言うまでもないが、著名人、芸能人の「言いっ放し」に盲目的に共感するのは、同じような狭小な視野しか持てない一部のファンぐらいだろう。彼らはもはや、自分の頭で冷静に考えることを放棄していると言っていい。

そしてその著名人の発言を視聴率という観点だけで取り上げるメディアもまた等しく愚かだと言えよう。

 

 SNS等で自分の「意見や主張」を明らかにすること自体は簡単だが、それによってその人の「人格や品性」まで評価されるということは覚悟しておいた方がいいと思う。もちろん私も含めての話だが。

私がこの状況下でも頑として「マスク」を使わない理由

「マスクアレルギー」という症状

 

 日本では現在、外出時にマスクをしていない人はほとんど見かけないと言ってもいいくらいの「必需品」になっている。

 家電メーカーのシャープやパナソニックまでマスクの製造を手掛け始めるなど、マスクの絶対的な供給不足は明らかなのに、どうやってほぼ全員がマスク(しかも使い捨ての紙製がほとんど)を調達しているのか非常に疑問である。

 

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 このように外出時には不可欠という意識が常識化しているマスクだが、私は今年に入ってほぼ一度もマスクをしたことがない。こう言うと「どうしてそのような反社会的な行動を取るのか」という批判が聞こえてくるのは重々承知している。以下に「なぜ私がマスクを使わないのか」理由を述べたい。

 

 最大の理由は、「マスクアレルギー」である。マスクをすると短時間で口の周りの皮膚がかぶれて炎症を起こすので、指で触ったりして逆にウイルス感染の可能性が高まるのだ。

 これは一種のアレルギー反応のようなもので、私の場合顔面にできた傷やケガなどでも包帯や絆創膏などは使えない。塗り薬を使うだけだ。

 つまりコロナウイルス感染防止のためにマスクをすると炎症を起こすので、塗り薬を使うことになるが、その薬の上にマスクをすると結局炎症が止まらないという状態になるのだ。

 日頃お世話になっている内科医の先生も事情は承知しているので、 マスクは使わず、どうしても人との間隔が狭くなる際には「その時だけハンカチで鼻と口を押えればいい」と言われている。

 

 ちなみに私は睡眠時無呼吸症候群という病気にかかっているのだが、この治療には睡眠時に機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止するCPAP(シーパップ)が有効とされている。この空気を送り込むのに鼻と口を覆うマスクが使われる。

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 過去にこのCPAPを使い始めてすぐに、口元のかゆみと炎症が止まらず、睡眠できない状態が続き日常生活に支障をきたしたため、こちらも医師の判断の上で中止した経緯がある。

 

 また私がマスクを使わない理由は時期によって2つに分けることもできる。一つ目は1月から新型コロナウイルスが中国・武漢で感染が始まり、日本でも話題になり始めてから2月下旬まで。もう一つは3月に入ってから現在に至るまでである。

 

 前半の時点では、マスクは自分が感染を予防するという意味と、咳やくしゃみなど自覚症状のある人が他者に感染させないという2つの点からマスクの装着率が急速に高まった。

 この段階で私がマスクを使用しなかったのは、会社に超早朝出勤し、午後の早い時刻に帰宅するので、混雑する電車とは無縁で、感染リスクが少なかったこと。そして発熱や咳などの症状がまったくなかったためだ。私の記憶では電車内でマスクをしている人は半分ぐらいだったと記憶している。

 

 これが後半になると「無症状でも感染者としてウイルスを拡散させるリスクがある」という話になり、世間では症状の有無を問わずにマスクが必須となった。

 これに対して私が取った対応は、「自宅に籠る」である。幸いなことに勤務先では3月に入って希望者は在宅勤務が基本的に認められるようになり、通勤は不要になった。外出する必然性がなくなったのである。

 

 とはいえ3月以降、食料品などの買い出しでどうしても外出する必要があったのも事実。これに対して私のとった行動は24時間営業のスーパーマーケットに朝の4時頃に行くことだ。

 3月以降、結構な回数でこのスーパーを利用しているが、この時間帯に店内に客が3人以上いるのを見たことがない。確かに生鮮品などの品ぞろえは日中に比べれば劣るが、逆に賞味期限の近い格安の見切り処分品がそこそこ見つかるというメリットもある。レジでも買い物かごを置けば何も言わずとも店員さんが計算、決済してくれるので、会話で他人への感染を気にする必要もない

 

 ということで、現在の私は基本的に「自宅に籠り」、外出時は「朝の4時ころ」に限定することで、「3密」どころか人との接触もほとんどない生活を実践している。あとは気分転換に自宅近くを散歩するぐらいだ。

 

 さて、今回の記事の趣旨は言うまでもないが「マスクをしない生活のススメ」ではない。あくまで世の中には「マスクアレルギー」という症状を持つ人もいるということを知ってもらうことだ。

 言い換えれば、街中でマスクをしていない人を見ても問答無用で「加害者扱い」は避けてほしいというのが正直な感想だ。確かにこの時期にマスクをしていない人には「自分には関係ないし、他人の事はどうでもいい」という無責任な人の方が圧倒的に多いのは確かだろう。

 これだけ「3密」が騒がれ、営業自粛が求められても一部のパチンコ屋は営業を続け、朝から開店待ちで並ぶ人もいるのが現実だ。

 

 ただ日中街中ですれ違うマスクをしていない人の中には、私と同じ「マスクアレルギー」の人がいる可能性もある。悪気がないのは理解できるが、無条件に蔑んだ目で見たり、いきなり暴言を吐くのは勘弁してほしいと思う。

パナソニック、ようやく4K液晶テレビの新機種を発表するも・・・

現行機種はすでに生産中止、発売は6月26日

 

 パナソニックの液晶4Kテレビ「VIERA(ビエラ)」の新機種(HX850シリーズ)が4月20日に発表された。

 同社のプレスリリースによれば、発売されるのは43型と49型の2機種で現行機種GX855シリーズにあった55型と65型はラインアップから外れた。

 

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 しかし、現行機種が発売されたのが昨年10月、3月には一部機種が生産完了とWebカタログで記載され、4月に入って液晶4Kテレビは3つのシリーズ(GX855、GX755、GX500)のすべての商品が生産完了となり、カタログ上ではレコーダーを内蔵したGR770しか選択の余地はなかった。レコーダー内蔵型はあくまで傍流であり主力商品ではない。事実上パナソニックは4K液晶の販売を在庫処分に任せていた状態だった。

 ちなみに、現行の有機ELの4Kテレビも3ラインアップのうち2つが生産完了となっているので、こちらも近々新製品が発表されるものと思われる。

 

 私が購入したGX855が発売から5カ月で生産完了になったのには驚いたが、今回の発表で一番驚かされたのは発表日と発売日のズレ

 前々モデル(GX850)シリーズのこの「ズレ」の期間が16日(2019年1月9日発表、発売は同月25日)だったのだが、前モデル(GX855)シリーズではこの期間が28日(同9月20日発表、発売は10月18日)に伸びた。

 これが今回の新モデルHX850シリーズでは、4月21日発表、発売は6月26日だから2カ月(60日)以上先になったのである。期間は前回の2倍だ

 

 すでにヨドバシカメラではGX855シリーズは、49型以外はすべて予定数の販売を終了しており、その49型も在庫残小の状態。価格は底値圏にあるのでお買い得なので、新機種発表で月内にも販売完了となる可能性が高い。

 となると、6月26日までの約2カ月、消費者はパナソニックの4K液晶テレビを購入できない事態となる。

 

 ちなみにライバルのソニーも4月2日に液晶、有機ELの新ラインアップ16機種を発表したが、最も発売日が早いX8000Hシリーズ(5機種)は4月18日の発売で、発表からの期間はわずか16日。残りのうち6機種は4月下旬か5月中の発売で、約7割は5月までに発売される。

 しかも、既存の4K液晶モデル(X9500G)などはまだ「在庫あり」の状態であり、商品供給を途絶えることなく新機種に移行させる計画だ。

 

 この状況を見ると、パナソニックはテレビ事業に対してどのような戦略で望んでいるのか疑問を持たざるを得ない。

 この問題のヒントが週刊ダイヤモンドの今年2月3日の記事「パナソニック家電・テレビ国内工場、統廃合の『生贄』になるのは?」にありそうだ。

 記事では「昨年末、津賀社長はダイヤモンド編集部の取材に対し、『テレビ事業だけは許さない』と断言したばかりだ」と書かれており、自社生産にこだわらない姿勢を明確にしている。

 しかもすでに製造コストの約半分を占める液晶パネルは外部調達しており、今後テレビの開発、製造工程を外部に委託する可能性は十分にある。

 

 想像するに、社内でテレビ事業を巡って混乱が生じているのではないだろうか。事業を切り離したい経営トップと自社開発にこだわる開発部門との間で今後の方針がなかなか定まらず、その結果「約2カ月」という発表と発売の時期のズレが生じたのではないかと思える。あくまで個人的な見解だが。

 

 さて、話は今回発表された新モデルHX850シリーズに戻るが、プレスリリースによれば<特徴>は以下の3点。

  1. 臨場感あふれる画質・音質でスポーツ番組もその場にいるかのように楽しめる

  (1)ビエラ独自の映像処理技術であらゆる映像を色鮮やかで高コントラストな映像に

   (2)激しい動きの映像もなめらかに表示「オブジェクト検出 倍速表示」

        (3)頭上を含む上下左右から音に包み込まれる迫力の立体音響「ドルビーアトモス」に対応

  1. 地震に強く、倒れにくい「転倒防止スタンド」
  2. BS4K・110度CS4Kダブルチューナー内蔵で外付けハードディスク(別売)への新4K衛星放送の裏番組録画にも対応

 

 このうち2.と3.については前モデルにも搭載されていたので新たな機能ではない。

 また1.についても、(1)は具体的には[ヘキサクロマドライブ]と[AI HDRリマスター]のことを指していると思われる。どちらの機能も前モデルに搭載されていたが、プレスリリースには「AI HDRリマスターを進化させ」とあるので画質の改善は見込めるかもしれない。

 ただし(2)「オブジェクト検出 倍速表示」と(3)「ドルビーアトモス」はプレスリリースからは具体的な改良内容が記載されておらず、変更点があるのかは不明だ。

 

 他にパッと見で判る違いと言えば、よく使うアプリを登録しておけば、アイコンが画面下に表示される「かんたんホーム」機能に、サムネイルが追加表示されるようになったことぐらいだ。

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 ただし、プレスリリースでは開示されていない改良があるかもしれないので、現時点ではあくまで発表資料からわかる範囲ということは補足しておきたい。

 肝心の価格は49型が16万円前後と想定されているので、前回のモデルチェンジ時とほぼ同じだ。

 

 以上をまとめると、個人的な意見としては、3月に事実上生産完了となって店頭から液晶4Kテレビが消えつつあったなか、ようやく4月20日に新機種の発表があったが、大きな改良点は見当たらず発売時期も含めて「期待はずれ」といったところだ。

 

 実際調査会社BCNの実売台数ランキングでは、前々モデル(GX850)は新モデル発表の直前まで1位だったが、後継機(GX855)は4月12日時点の集計で9位に留まっているし、10位以内にはパナソニックはこの1機種しかランクインしていない。人気が低迷しつつあるのは明らかだ。

 

 ハイセンスなど海外勢の安値攻勢に押されている側面はあるとはいえ、それは国内メーカーも事情は同じ。先のBCNランキングで、10位内にシャープがトップを含む4機種、東芝が3機種ランクインしている(どちらも純粋な日本メーカーとは言い難いが)。

 

 いずれにせよ、パナソニックはテレビ事業の方向性を早急かつ明確にしないと、顧客離れは一層深刻になると思う。