如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

高学歴モンスターへの対応策、結論は「変えるのは無理」、スルーするのも大事!

 

高学歴モンスター: 一流大学卒の迷惑な人たち

2018年4月1日

 本書は、東大卒の政治家、医師、弁護士などが高学歴を背景に周囲に多大な迷惑をかけるモンスター行為
の現状と原因を分析、その対応策を論じた本である。

 まず第一章で、東大法学部を卒業した代議士、経営者(豊田真由子氏など5名)をまずは取り上げ、
その共通する特徴として、
 (1)強い特権意識
 (2)想像力と共感の欠如
 (3)現状否認
 (4)状況判断の甘さ
 (5)自覚の欠如
を挙げている。
 
 その後も様々な事例を引き合いに出して、世の中は「無自覚型のナルシスト」が蔓延する「自己過剰社会」
になっており、その象徴的な存在が米国のトランプ大統領だとしている。

 著者は、こうした自尊心が高いモンスターへの対応策としてまず、
 (1)学歴を過大評価しない
 (2)高学歴モンスターを変えるのは無理
という認識を持つことが大事だと指摘している。 

加えて、
 (1)権威を疑う
 (2)自分の直感を信じる
の2つを肝に銘じることが必要だと主張している。

 私の周囲にも高学歴モンスターはいて、その自己主張の強さと協調性の欠如に上司、同僚も含めて辟易して
いるのだが、本人にはその自覚がまったくない。仕事についても「選り好み」が激しいくせに、実力は「平均
以下」というのが実態である。

 人事に詳しい専門家に「どうしてこういう問題人物が採用されるのか」と聞いたことがあるが、「高学歴だ
けを評価したのではないが、面接では人間性の問題まで見抜けないのだろう」との説明を受けた。どうも一定
以上の学歴に絞り込んで、ある程度の人数を採用すると、一定の割合で高学歴モンスターが「混入」するのは
避けられないらしい。
 
 その意味では、本書最後の部分(p188)にある「わが身を守るために」の5箇条のうち、「なるべく第三者
を交え、証拠を残す」「スルーする」というのは問題解消のための現実的な対応策だと思った。

 あなたの周りにもいるはずの「高学歴モンスター」への対処法のひとつとして、本書は参考になる内容が多
いはずだ。★5つ。