ミライのつくり方2020―2045 僕がVRに賭けるわけ
2018年4月28日
本書は、現在VR(バーチャルリアリティー)の主流であるHMD(ヘッドマウントディスプレイ)はより小型
化、高性能化が進み、メガネのように違和感なく装着できるようになり、仕事、エンタメなどを含む生活環境
が大きく変わることを予想している。
具体的には、ポケモンGOに代表されるAR(オーグメンテッド・リアリティ)という現実の世界に「情報を
具体的には、ポケモンGOに代表されるAR(オーグメンテッド・リアリティ)という現実の世界に「情報を
重ねる技術」がとりあえず普及、その後「情報を代替する技術」であるVRに置き換わっておくという。この過
程も一気に変化するのではなく、現実60%・VR40%といった状況に応じて配分が変化する複合現実が当面主流
になると見ている。
筆者は、幼少期から「ミライが変わる」という直感を「ビビビ!」と感じ取る能力があるらしく、過去に
筆者は、幼少期から「ミライが変わる」という直感を「ビビビ!」と感じ取る能力があるらしく、過去に
「パソコン」「モデムを使ったネット接続」「携帯PC・ParmPilot」で、現在は「VR」に「ビビビ!」を感じ
取り、近未来の社会現象的な普及を確信しているようだ。
面白いと思ったのは、「ペーパーパラダイム」という机に「水平」に紙を置いて仕事をしていた時代が、
面白いと思ったのは、「ペーパーパラダイム」という机に「水平」に紙を置いて仕事をしていた時代が、
PCによって「垂直」なディスプレイに移行し、現在はスマホで「手元」の画面のアプリに変化したが、「四
角い画面(紙)の枠」という概念は変わっていない。これがVRになると物理的な「狭い」という概念がなく
なるという「空間パラダイム」が実現するという指摘だ。
自分のための作業空間を自由に作れるということは、資料などの置き場にも制限がなくなるうえ、VRの空
間自体もオフィス仕様に変化させることで、仕事に集中したい、会議に参加するなどの必要な環境に対応する
ことが可能になる。
筆者は、本書でVR普及の前提として「結局、人間は『楽』で『ダメ』になりたいのではないか」と分析し
筆者は、本書でVR普及の前提として「結局、人間は『楽』で『ダメ』になりたいのではないか」と分析し
ている。ただ一方で、「楽」になった結果、人間は何らかの形でクリエイティブな生活を送るようになるはず
だとしている。
人間が本来クリエイティブな生き物かどうかには疑問があるが、何らかの事情(おカネ、健康、地域など)
で旅行やコンサートなどに行けない人達にとっては、VRは大きなメリットになるだろう。手軽に趣味や教養
にアプローチが可能になることに誰も異存はないはずだ。
現在、ごく普通のサラリーマンが定年退職後に特にすることがなく、自宅にも居場所がなくなって、図書館
現在、ごく普通のサラリーマンが定年退職後に特にすることがなく、自宅にも居場所がなくなって、図書館
や公園などで時間をつぶす高齢者が増えているという。VRは彼らを「何もしない孤独」から抜け出す手段に
もなるかもしれない。
【追記】
【追記】
本書には様々なVRを使った未来の生活の予想図が書かれているが、一番面白いと感じたのは「温泉」。
具体的には「完全防水仕様のVR機器」を装着して、自宅の風呂に「温泉の素」を入れて、「視界」と
「音」を温泉仕様にしたら、本格的な温泉が楽しめるのではないか、との提案だ。第三者から見れば
「何やってんだ?」かもしれないが、余計なことを考えず集中すれば意外に「楽しめるかも」と思った。