「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ
2018年6月10日
野口先生の本は、20年以上前に「超」整理法を読んで以来だが、「既存の常識に囚われない独自の視点でア
イディアを提起する」という立ち位置は変わっていないと感じた。
さて今回のテーマは「独学」である。
さて今回のテーマは「独学」である。
まず第1章で、学校に通って学ぶのは「受動的」であるのに対して、独学は「能動的」であると説明、IT技
術の進展で必要な情報は容易に取得できるうえ、自分の都合に合わせて勉強できるメリットを指摘している。
「独学を大げさに考えずに、まずは第一歩を踏み出そう」というのは合点のいく提案だと思う。
続く第2章から第5章までは、歴史上独学で成功した人の紹介や、著者の体験、学校に通う非合理性の解説
続く第2章から第5章までは、歴史上独学で成功した人の紹介や、著者の体験、学校に通う非合理性の解説
など「独学」のための関連情報の整理というか、特に参考になるような内容は少ないと感じた。
第6章からは具体的な独学のテクニックという本題に入る。ポイントは「継続」だ。
第6章からは具体的な独学のテクニックという本題に入る。ポイントは「継続」だ。
そのために必要なのは「目的」「インセンティブ」「楽しさ」「時間」としている。このなかで最大の課題
は「楽しさ」だろう。著者は好奇心を持つことが楽しさに繋がるとしているが、好奇心は誰にもあるだろうが、
いわゆる勉強という知的好奇心を持つ人はさほど多くないと思う。逆に言えば、この知的好奇心を維持できれ
ば他の3要素は、自分なりに解決してしまえるのではないだろうか。
テクニックの観点から言えば第7章にある、勉強は基礎から一歩一歩ではなく、「途中でわからないことが
テクニックの観点から言えば第7章にある、勉強は基礎から一歩一歩ではなく、「途中でわからないことが
あっても、とにかく全体を把握せよ」というのは有効な手法だと思った。
勉強で効率がいいのは、どこが重要で重点的に勉強するかを理解することであって、全体をくまなく把握す
るよりも、メリハリを付けた方が断然はかどるのは事実だからだ。
一方、やや疑問に思ったのは第8章の英語の習得に関する内容。著者は英語を聞いて暗記することを通勤電
一方、やや疑問に思ったのは第8章の英語の習得に関する内容。著者は英語を聞いて暗記することを通勤電
車で2年間続ければモノになる、としている。
確かにこの方法で相当の英語の実力が身に着くことは間違いないだろう。
ただ2年という期間は短いようで意外に長いものである。しかも著者も第10章で述べているが、AIの技術は
加速度を上げながら進歩しており、すでに携帯型の自動翻訳の聞き取り・発音装置が市販されていることから
見ても、2年後の自動翻訳は想像以上に進歩している可能性が高い。
会社に制度があるのならば、同じ2年なら「英語圏への海外赴任」「米国の大学院留学」などの方が、24時
間英語の環境に染まることができるし、仕事上の海外人脈の形成という観点からも有用ではないかと思った。
【追記1】
著者は一般論として「本の中核となっている部分は全体の二割もない」としているが、本書は全10章のう
【追記1】
著者は一般論として「本の中核となっている部分は全体の二割もない」としているが、本書は全10章のう
ち、第1章、第6章、第7章、第9章、第10章は中核とは言えないまでも個人的には参考にはなった。ペー
ジ数にすると約35%である。その意味で本書は「効率は悪くない」と言えそうだ。
【追記2】
第6章の最後で、「電車の中での時間帯の過ごし方を見ていると、その人の将来が見える。スマートフォン
【追記2】
第6章の最後で、「電車の中での時間帯の過ごし方を見ていると、その人の将来が見える。スマートフォン
を見ている人が多いが、何を見ているのだろうか?」と疑問を持っている。
正解は「ゲーム」だろう。少なくとも個人的に電車の中や駅のホームで見る限りは80%以上はそうだ。ちな
みに私はゲームはやらないしスマホも持たず、タブレット(とガラケー)を利用しているが、通勤時間帯は
「dマガジン」で経済から趣味まであらゆるジャンルの雑誌を読んでいる。
スマホより画面は大きくて見やすいし、新聞よりもスペースを取らない。なによりも同じ時間で取得できる
知識の範囲はこの方が大きいからだ。