田舎暮らしに殺されない法
2018年8月15日
男性特に会社員は、定年が近づくと何故か「田舎暮らし」への憧れが生じるものらしい。
テレビ番組や雑誌の特集で、定年後に田舎に移住した元都会人の自然に囲まれた生活を見聞きして、自分も
同じような環境で暮らしたいという意識が芽生えるのだろうが、本書はそういった安易な田舎への移住に対し
て、非常に厳しい警鐘を鳴らしている。
本書のタイトルからして「警告音」が高らかに響いてくるが、内容はさらに辛辣だ。
本書のタイトルからして「警告音」が高らかに響いてくるが、内容はさらに辛辣だ。
まず、田舎暮らしに憧れるのは「自立の精神が欠如しているため」と、開始早々いきなりのカウンターパン
チである。家庭に依存し、職場に依存し、社会に依存して自立を回避してきた結果、今度は田舎への移住とい
う逃げ道を求めているに過ぎないからだ、と論じている。
各章の見出しも、「自然が美しい」とは「生活環境が厳しい」と同義である、「孤独」と闘う決意を持て、
各章の見出しも、「自然が美しい」とは「生活環境が厳しい」と同義である、「孤独」と闘う決意を持て、
田舎は「犯罪」の巣窟である、田舎に「プライバシー」は存在しない、など田舎暮らしのリスクが、これでも
かというほどボディブローのように効いてくる。
本書を読んで、それでも「田舎暮らし」をしてみたいと思うのであれば、おそらくその読者は「著者の意図
本書を読んで、それでも「田舎暮らし」をしてみたいと思うのであれば、おそらくその読者は「著者の意図
を理解する気がない」か「苦労への相応の覚悟を決めている」かのどちらかだろう。まあ大半は「憧れ」とい
う思い込みから脱せない前者だとは思うが。
ちなみに私個人は、「田舎暮らしへの憧れ」はないが、「余暇を田舎で過ごす」のはアリだと思っている。
ちなみに私個人は、「田舎暮らしへの憧れ」はないが、「余暇を田舎で過ごす」のはアリだと思っている。
非日常性という点で気分転換になるのは確かだろうし、自然に囲まれた空間に心身が癒されるのは悪くない。
ようするに、田舎での「生活」を選択するから様々な問題が生じる訳で、都会に住居があるなら、年に2,
ようするに、田舎での「生活」を選択するから様々な問題が生じる訳で、都会に住居があるなら、年に2,
3カ所を合わせて数週間程度、別荘感覚で「借りて」過ごすのが良いのではないかと考えている。つまりは
「田舎のいいとこ取り」をすれば良いのだ。ちょっと暮らしてみて環境が合わなければさっさと別の田舎へ向
かえばよい。
所詮「よそもの」が田舎社会の内側に入り込もうとする結果、軋轢が生じるのであって、外側でお金を払って
所詮「よそもの」が田舎社会の内側に入り込もうとする結果、軋轢が生じるのであって、外側でお金を払って
くれる「お客さん」であれば、理不尽な警戒や嫌がらせを受ける可能性は低くなるはずだ。
もともと田舎と都会では、ありとあらゆる価値観が180度違うのだから、相性がいいはずがないのである。
最後に、生来のマゾヒストなら田舎のイジメにも価値を見出せるのかもしれないと付記しておく。私はまっ
ぴら御免だが。