如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

運のいい人になるには、まず「自分は運がいい」と信じること

 

運のいい人が心がけているちょっとした習慣

2018年8月29

 日頃「自分は運がいい」と感じることはあるにはあるが、同じぐらいの頻度で「運が悪い」と思うことも
多い。
本書によれば、何故か「運が悪い」と感じている人が多いようだが、そうした人々のための処方箋が書かれて
いる。
 具体的には、第一章と第二章で「感情」や「行動」を意識的にコントロールすることで「運」を呼び寄せる
ことが可能だということを解説している。
 
 面白かったのは第三章の「金運を最強にする哲学」。「お金さえあれば」もしくは「お金なんかなくても」
・・どうにかなる、というのはどちらも誤りで、おカネを過大評価も過小評価もしないバランス感覚が人生を
良い方向に向かわせる、という指摘だ。

 親の遺産や宝くじなどで意図せずに多額の資産を得た人が、妬みや借金の要請で人間関係を拗らせたり、
分不相応な使い方で人生がおかしくなったという話は珍しくないから、やはり人それぞれに応じた適度な資産
規模というのがあるのだろう。

 もうひとつは「自分への投資は絶対に損をしない」という話。まあ「投資」にもいろいろある訳だが、資格
などの勉強以外にもジムに通ったり、美術や芝居を見るのも自己投資だとしている。これについては見聞や教
養を高める点でも納得は行くが、本章にある「自己啓発セミナー」というのは、個人的にはあまりいい印象が
ないのだが・・・。

 続く第四章では、「しっかりとした目標設定が運を育てる」とし、ちょっと高めの目標を設定することが大
事だと解説している。確か、著名な経営学者ドラッカー博士も著作で「目標を設定し、毎年更新することが重
要」という趣旨を書いていたし、私も年始には過去の目標を見比べて、簡単な目標を決めている。ただ、効果
のほどは定かではないが。

 最後の第五章で、楽しさのレベルと運のレベルは連携して上がっていくとし、楽しさのレベルを上げる究極
の方法として「ああ、今日は楽しかった」と寝る前につぶやくという手法を紹介している。自己暗示の一種で
はあろうが、ここまでの本書の内容から判断して「意外と効果はあるかもしれない」とも思った。

【追記】
カトリックの修道女マザー・テレサについて、世間一般に言われるような「愛の使徒」ではない、おカネに貪
欲だったという一面を紹介している。

 これは事実なのだが、であれば彼女が広告塔となって世界中から集めた寄付金の管理・運用はバチカン銀行
が行なっており、この銀行は各種慈善事業も行う一方で、マフィアが不法な薬物取引で得た資金を、一定の手
数料を取ってマネーロンダリング(資金洗浄)しているという負の側面にも触れた方が良かったのではないか。

 個々が「良かれと思って」行った寄付が、実際には悪用されていることを知らないまま、事実上麻薬の組織
犯罪の後押しをしていることになるだろう。

 ちなみに私は寄付や義援金を出したことは一度もない。寄付金の運用に確かな信用が置けないという部分も
あるが、基本的に社会的弱者への保護は税金を使って政府・自治体がしっかり対応すべきと考えているためだ。