如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

相当な「デジタル音痴」の中高年向け入門書としては高評価

 

リタイアライフが10倍楽しくなる定年デジタル

2018年10月7日

 まず、あなたがAmazonで、このレビューを読んだり、カートを使って買い物を普通にしているという時点
で、この本はおそらく不要だろう。

 と言ってもいいぐらい「相当にデジタル音痴な中高年」に向けて書かれた入門書である。

 そもそも「現在の60歳以上の男性は、メールやスマホに対してアレルギーのような苦手意識を持っている人
が多い」(P38)ということが前提条件になっている。

 つまり本書は、このレベルの人に対して、スマホなどのデジタル機器やアプリなどを「もっと気楽に構えて
使うようになれば、世界がずーっと広がるんですよ」ということを伝えたいのだ。

 ちなみに本書のキモをごく簡単に取り出すと、まず、「Gメールのアカウント取りなさい」から始まり、次
に「スマホ1台か、ガラケーとタブレットの2台持ち」を勧め、続いて、「LINEとFacebookの利用」、最後に
「各種アプリとサービスの紹介」という構成になっている。とまあ、ここまで読めば大体の人は内容の想像が
できるのではないか。

 逆に言えば、「この内容を是非とも知りたい」と思う中高年の方々には、本書は打って付けの良書である。

とにかくメールアカウントの取り方から画像付きで説明しているうえ、中高年のプライドもあって、ちょっと
恥ずかしくて人には聞けないような、「LINEって何?、Facebookって何?」という解説から、使い方はもち
ろん、使うことによるメリットまでも書かれているのだ。

 また、例えばスマホを買おうと思って相談する場合、「身近の子供」よりも「ショップの他人」の方が、適
切かつ丁寧に教えてくれるという、妙に説得力のある記載もある。とにかく「よく分からないけど世間で話題
になっているのでスマホやSNS等に関心はあるが、この年になって今更なぁ」などと考えている人は、一読し
てみる価値はあると思う。

 ちなみに私自身は3年ぐらい前からPHSとタブレットの2台持ちである。料金は2台合わせて2000円程度
(タブレット代金は別途)で、PHSは通話時間無制限が付いている。タブレットはOCNの1日110MBプラン、
実質月3GBと同等だが、動画など大容量のファイルをダウンロードしても一日単位で制限がかかるので、月
の上旬でデータ量を使い切ってしまう心配がないし、余れば翌日に繰り越せるので使い勝手がいい。

 第四章の「定年後が楽しくなるアプリとサービス」で、著者はAnazonのショッピングアプリも自分で使っ
たうえで推奨していて、実際に本を買う前にもレビューをざっと読んで参考にしているそうだ。ちなみに、文
芸書よりも実用書のレビューの方が参考になるらしい。

 トリンプ社の日本代表として19期連続の増収増益を達成しビジネスマンとしての実績は文句なし、退任後
70歳を超えてなお精力的な人生を歩むご本人の体験に基づいた「中高年向けのスマホ、SNS入門書」という
だけで価値があるだろう。

 ちなみに私は義理の父親が今年86歳になったが、先月私が設置を手伝ったAmazon Echoを自室で自由自在
に使いこなしている。携帯電話はまだガラケーなので、本書をプレゼントしようと考えているのだが、普通
に紙の本で送るか、kindleにインストールして渡して驚かすか、悩んでいる最中である。