如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

歴史を知るには役に立つが、「反骨」な内容は少ない

 

東京人 2019年 05 月号

2019年4月3日

 この「東京人」という雑誌を手に取るのは初めてなので、本誌の読者層や過去の経緯などは知らないので
恐縮だが、店頭で表紙の特集(多摩・武蔵野)に惹かれて読んでみた。

 タイトルは「反骨の多摩、武蔵野」だが、その内容の大半は「写真を資料として地域の歴史を振り返る」
であり、いわゆる反骨な記事は五日市憲法の解説や滝山団地に関するエッセイ程度で少ない。

 ただ、参考資料が豊富なうえ、地理的には三鷹から八王子辺りまでをカバーしているので、「多摩・武蔵野」
の変遷を知るには役に立った。

 個人的に面白いと感じたのは、批評家「矢野利祐」、漫画家「久住昌之」、地理人「今和泉隆行」という地
元に所縁のある三氏の座談会。地元に住んで暮らした人だけが分かるようなある種の世界観は、多摩地域の在
住者として読んでも「言われてみればそうなんだよね」と納得できるメッセージが多かった。
 
 私は、この「東京人」という雑誌のテーマのひとつであろう「文学」がどうにも苦手分野なので、この雑誌
を定期購読する予定はない。ただ、今回のように関心のあるテーマの特集であれば「普段読む実用系の雑誌と
は異なる編集方針に触れる」という観点からも勉強になるだろうとは感じた。