如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

高血圧の主因は「塩分、肥満、ストレス」だが、要は「塩分」

ズボラでもラクラク! 薬に頼らず血圧がみるみる下がる!: 血管を鍛える最強の方法(知的生きかた文庫)

板倉 弘重

 

 本書のタイトル「薬に頼らず・・・」は確かに内容と一致してるが、その大半となるページ数の40%強は食事、特に塩分の摂取量の削減に関する内容である。


 また「ズボラ」で食事のコントロール可能かどうかは個人差があるだろうが、やはり血圧を下げたいという意志を持ち続けるぐらいの覚悟は必要だろう。

 

 高血圧が「塩分の影響によるもの」という話はよく聞くが、では「何故そうなのか」という疑問を特に抱いていなかった。
 本書では、塩分の摂取で血中濃度が高くなり、これを下げるために血液の水分量が増加し、血液量が増えることで血圧が高まるという「仕組み」が理解できたのは勉強になった。

 

 具体的な塩分の過剰摂取回避と排出に役立つ食品については本書を読んでいただくとして、私が最近始めた塩分摂取回避法を紹介したい。
 それは「調味料を使わない」である。

 具体的には、今まで何ら気も遣わずに無意識に使っていた「醤油」「ソース」の類を止めることだ。

 これは調味料を止めてみて初めて気が付いたのだが、刺身でもとんかつでも調味料がないことで、逆に素材の味が引き立ってくるのである。

 これは私の味覚の問題なのだろうが、刺身に醤油をつけていた時には「刺身本来」の味というよりは「塩味のする魚」の味という感覚だったのだが、これが大きく変わった。最初は物足りなさがあるのだが、すぐに慣れてしまう。

 調味料を使わないことで、塩分の摂取は確実に減るので、一石二鳥でなないだろうか。もっとも血圧低下の効果を確認するにはしばらく時間がかかりそうだが。

 

 あと、本書で参考になったのは「脈圧」というキーワード。

 これは「上の血圧」から「下の血圧」を引いた数値なのだが、この「脈圧が大きいほど脳や心臓の発作を起こしやすい」(p180)そうだ。具体的には脈圧が60を超えると死亡率が高まるという。

 

 高血圧対策の本は多いが、本書は食事中心の内容とはいえ、具体例や説明が豊富で、文章もわかりやすいと思う。

 健康診断で高血圧と言われたが薬は飲みたくない、という人にはお勧めしたい。