日本史A 改訂版(山川出版)
老川慶喜、加藤陽子、鈴木淳、高埜利彦、高村直助
結論から言えば、本書のタイトル「日本史」は誤解を招くだろう。正確には「日本近現代史」であり、史実としては明治維新以降の内容しかカバーしていない。
逆の見方をすると、同じ山川出版社の小説日本史Bが454ページなのに対して、本教科書は254ページしかないので、近代史としてはこちらの方が充実しているとも言える。
問題なのは、Amazonの商品の説明に「平成29年度改訂 高校用 文部科学省検定済教科書」としか記載がないことだろう。これでは、買って初めてその内容に気づくことになる。
私自身そうなのだが「日本史Bよりは読みやすく、分かりやすいのではないか」との期待から日本史Aを読む人もいる訳で、明らかに内容が異なるのに何の説明もないのは不親切と言われても仕方がないのではないか。
値段も「教科書」にしては1600円強と高い。この価格ならもっと内容の充実した「参考書」が買えるのではないだろうか。
このレビューが、本書日本史Aを買おうとしている人の役に立てば幸いである。