SUUMO新築マンション2019.6.25号
前回5月28日の記事「住宅情報誌SUUMOが一転して面白くなった!」で、無料住宅情報誌SUUMOの内容が急激に面白くなったことを書いたが、今回は「また内容が微妙になってきた」という指摘である。
表紙にデカデカと書かれている特集は「住みたい街ランキング」だが、はっきり言ってこの記事はつまらないというか新鮮味が乏しい。
具体的には、ベスト3が「横浜」「恵比寿」「吉祥寺」と相も変わらず、実際の生活感に乏しい街が並んでいるからだ。
「住みたい」の意味が「憧れ」なら構わないが、「住む」であれば違和感アリアリである。そもそもこの3つの駅から徒歩5分以内にマンション供給が十分にあるとは思えない。
話を戻すと、今回の第2特集である「売れる家・売れない家」の方がツッコミどころ満載で面白かった。
最初のキーワードは「駅徒歩分数」。この区分がグラフでは「4分」「7分」「10分」「13分」「16分」未満などになっているのだが、SUUMOのWebサイトの区分では「3分」「5分」「7分」「10分」「15分」以内などとなっている。「未満」と「以内」という違いはあるが、それだとなぜ「7分」「10分」は同じなのかという疑問が起こる。
ついでに言えば、今話題の「晴海フラッグ」は最短で徒歩16分なので、「16分」未満には含まれない。しかもこの16分以上かかる物件の中古騰落率は78.4%とより近い物件(86%以上)より一段下がる。あえて不利な設定をなぜしたのだろうか。
次に注目したいキーワードが「方角」。集計結果では「北」や「北西」など北向きの騰落率が軒並み100%を超えていることについて誌面では「北向きが人気を集めたのではない」と解説しているが、そもそも人気を集めなければ中古価格が新築を上回るという現象は「逆立ち」しても起きない。
これは推測だが、北向きの部屋の新築分譲時の価格が他の方角に比べて安かったので結果として中古で割安感が高まり人気化したのではないだろうか。
まあ他にも全4ページの特集にしては、何ともSUUMOらしい「個性の強い」内容となったが、前回紹介した「沿線特集」のような実用的な方向から再び逸脱してしまったのは残念である。