如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

もはや常態化した東京メトロ東西線の混雑度、解決策は先送り

やはり1位は東西線、首都圏の鉄道『最新混雑率』(東洋経済オンライン)

小佐野 景寿 : 東洋経済 記者

 

 昔といっても20年ぐらい前だが、東京メトロ東西線の門前仲町駅から数分のマンションに賃貸住まいしていたことがある。

 確かに都内への通勤には便利だったが、その混雑度には辟易していた。当時は「まあ人気路線だし仕方がない」と諦めていたが、この異様な混雑ぶりはまだ健在らしい。

 719付けの東洋経済オンラインに「やはり1位は東西線、首都圏の鉄道『最新混雑率』」という記事が掲載された。

 

 記事によれば、混雑度1位は昨年に続き、東京メトロ東西線・木場→門前仲町間の199%。「すっかり日本一の混雑路線として知られるようになってしまった」(記事より)。

 国交省の目安によると、混雑率200%は「体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める」レベルらしいが、これは乗客の実感とは相当かけ離れている。

 

 私の個人的な体験から言えば、まず電車に乗り込むこと自体が困難。ドアの前の位置取りと乗り込むタイミング次第では乗れないことも珍しくない。

 加えて、乗れたとしても身動きが取れないというレベルですらない。周囲の人に圧迫されて電車の揺れ次第では「片足のつま先で立って身体を支える」体制になることも多かった。

 しかも、大手町方面に向かう場合、途中の駅で乗降時間がかかるのと、運行本数が多いので途中の駅間で一時停止することが常態化。つま先立ちの姿勢を続けるのは非常にツラかった。

 

 決して運行本数が少ないわけではない。電車が発車すると同時に次の電車が駅に滑り込んでいた。むしろこれ以上本数は増やせないのではないかと思う。

 

 記事では、「列車増発を可能にする飯田橋―九段下間の折り返し設備の整備」が計画されているらしいが、今年発表した中期経営計画では当初2019年度の予定が2025年度に先送りされたらしい。

 東西線の混雑度No.1の悪名はもうしばらく続きそうだ。

 

 最後に当時、千葉の「浦安」駅から門前仲町の1つ手前「南砂町」駅のオフィスに通勤していた友人の「悲劇(喜劇?)」を紹介したい。

 乗車駅の浦安は、線路が隣り合わせなのでホームは別々にあり、乗り込む際には進行方向に向かって左側からなのだが、降りる南砂町は島形ホームなので、開くドアは右側だ。ちなみに南砂町は基本住宅街(当時)なので降りる乗客はほとんどいない。

 何が言いたいかというと、「乗ったはいいが降りれない」のである。これは本人から聞いたのだが、降りるには秘策があって「降ります!」と声を上げながら、コマのように回転しながら乗客を掻き分けてドアに向かうのがコツだそうだ。真偽のほどは定かではないが。