如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

日本マイクロソフトの「外向き」週休3日制度

マイクロソフトが「週休3日制」を導入するわけ(東洋経済オンライン)

 

 日本マイクロソフトが国内の全オフィスを対象に金曜日を有休の「特別休暇」とし、期間限定ながら週休3日制を導入するという記事「マイクロソフトが『週休3日制』を導入するわけ」が723日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

 週休3日制度自体は、記事にもあるようにヤフーなどが育児や介護を抱える従業員を対象に導入しているし、古くは20年以上前に東武百貨店が当時の大卒の売り手市場で新卒を確保するために導入したこともあったと記憶している。

 

 今回の日本マイクロソフト社の制度導入の目的は、同社の業務執行役員が「週休3日制というより週勤4日制だ」説明しているように、「短い時間で働き、よく休み、よく学ぶ」ことだ。

 

 私のような普通のサラリーマンだと、「平日に全社休業にして顧客対応は問題ないのか」とか「金曜日が休みになってもその分他の平日の残業が増えるだけ」といったイメージを持つように思うが、同社は「Office製品で仕事の生産性を高めることを事業の軸としてだけに、週4日でも週5日と同じ成果が出せることを自社で証明したい」と解説、従業員の福利向上といういわゆる「内向き」な対応に加え、その効果を顧客に知らしめたいという「外向き」な志向があることが大きなポイントだろう。

 

 この考え方を裏付けているのが、週休3日を「他企業での職場体験」や「教職員向けのプログラミング研修」といった社外活動メニューを用意していることだ。

 どちらも自己成長や社会貢献といった名目はあるが、日本マイクロソフトへの理解や知名度向上を狙っていないとは言い切れないだろう。

 まあ、家族旅行への補助制度もあるらしいので、純粋な休息も推奨はしているようだが。

 

 個人的には、週休3日制度は日本の企業が既存の有給休暇すら完全には消化しきれていない状況では、休みを強制することはやむを得ない制度のひとつだとは思う。

 

 ただ今回の日本マイクロソフトの制度導入で気になったのは、3日の休みを「自己成長」「社会貢献」に使った人と、「私生活の休暇」に使った人で、勤務評価に差が生じないかということだ

 休暇とはいえ「有休」である。記事には記載がないが、休みの利用方法について何らかの申請が必要となれば、人事担当部署としては週休を「旅行補助」よりも「社会貢献」に使った人を評価するという可能性も捨てきれない。

 

 まあ、ここまで疑り深く考えてしまうのは私が根っからのドメスティック企業に在籍しているからで、米系資本の日本マイクロソフトにはそういった「裏読み」は不要、あくまで業務時間内の仕事での実績評価ということであれば、週休3日制度は素直に評価したい。