如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

ビジネス誌のランキング、コンマ数%の違いに意味はあるのか

 日ごろから仕事の関係もあって、東洋経済、ダイヤモンド、プレジデントなどを出勤途中にタブレットで購読している。

 昔は駅の売店で購入していたが、今はdマガジンという月額定額制のアプリを契約してタブレット端末で読んでいる。一部の記事は電子版では提供されないようだが、主だった記事はたいてい読めるので問題はない。

 私の場合、一週間に大体20冊以上は読むので、これで月額432円は激安である。ちなみにバックナンバーも読める。

 

 話がズレたが、今回のテーマは「ビジネス誌の手掛ける各種ランキング」である。

 別にランキングそのものを意味がないと否定する訳ではないのだが、どうもランキングの傾向を分析して、意味のあるデータだということを論じるために執筆する記事の内容にやや無理があるのではないか、という話だ。

 このブログでは、東洋経済オンラインの記事を紹介することが多いので、今回も7月26日に掲載された「本当に就職に強い大学」ランキングトップ150」を例として用いる。

 

 就職率ランキングは、大学進学希望者や親御さんにとっても関心は高いはずで意味はあるし、その傾向を解説することでさらに付加価値が高まることに異存はない。

 その意味で上位3校が私立の工業系大学(金沢、愛知、大阪)を独占したことについて、記事で「背景には・・・製造業や建設業の求人数が多いことがある。研究や論文執筆などを通して、・・・社会人に求められるPDCAサイクルを回す能力が身に付いている点も就職率が高くなる要因だ」という分析はとても参考になる。

 

 ただ、個人的に疑問を感じるのは、それ以外のランキング傾向分析だ。例えば、MARCHのランキングを紹介する記事では、トップが52位の青山学院大学で、5位が立教大学の125位だが、就職率の差は4.1ポイントしかない。70位以上の格差がこの2校にあるとは思えないのだが。

 ちなみにランクの上位を見ると、就職率95%台に11校、94%、93%に各9校、92%に20校、91%に23校、90%に18校がランクインしている。

 1パーセントの範囲に20校以上がランクするのに、そのコンマ以下のランク付けにどの程度の意味があるのだろうか。少なくともランクの序列を大学の評価にするには無理がある。もっともそのような見方をする東洋経済の読者は少ないとは思うが、このランキングを引用するであろうSNSなどでは順位が独り歩きする可能性は捨てきれない。

 

 とはいえ、さずが東洋経済というか面白い分析もあった。それは記事の最後にある「前年の実就職率を下回ったのは、比較可能な143大学中、49校で34%に上る」という記事内のランキングには出ていない昨年実績との比較。

 記事では、売り手市場は続くが「今後、実就職率が伸び悩む大学がさらに増えるかもしれない」と結んでいる。

 

 個人的には、絶好調ともいえる大卒新卒の就職環境において、逆に就職率が下がった大学の取り組みなどその要因を知りたいと思った。