本ブログの5月25日に、「高血圧の主因は『塩分、肥満、ストレス』だが、要は『塩分』」というタイトルで書評を書いた。
対象の本は「ズボラでもラクラク! 薬に頼らず血圧がみるみる下がる!: 血管を鍛える最強の方法(知的生きかた文庫)」なのだが、その書評で、本にはない私自身が考えた高血圧対処法として、「調味料を一切摂取しない」という手法を紹介した。
それから3カ月が経って、いまだに調味料は一切摂取していないのだが。血圧の明らかな低下効果があったので報告したい。
対処法を公開した直後の5月27日(月)時点での血圧は、上が174mmHg、下が121mmHg、脈拍は85だったのが、約三か月後の昨日8月23日(金)の計測では、上が133mmHg、下が105mmHg、脈拍は74となっていた。
上の血圧は41下がって率にすれば23.5%の低下、下の血圧は16下がって同12%%の低下となった。脈拍も約13%下がっている。
この3カ月の間、生活面で変化があったのは「調味料を止めた」ということだけ。食べるものは回数、分量、内容などまったく変えていないし、運動も相変わらず何もしていない。本当に変えたのは「調味料」を使わないことだけなのである。
つまり「調味料を摂取しない」だけで、わずか三カ月で血圧は上が20%以上、下も10%以上下がったのだ。もともと素人の勝手な思いつきで始めた訳だが、事前にかかりつけの内科医の先生には相談して、「まあ試してみてもいいのでは」との了解は得ていたが、正直ここまで効果があるとは想像していなかった。
日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2019 によれば、上は120未満、下は80未満が「正常血圧」なので、まだ下げる必要はあるのだが、だいぶ目標に近づいた。
日本高血圧学会のWebサイトでは「減塩」を勧めているが、可能であれば「調味料不摂取」の方が、実践した者としては効果は大きいような気はする。
確かに、醤油やソースなどを止めると、刺身やとんかつなどを食べる際に何となく味に「物足りなさ」を感じるのだが、しばらく続けていると、刺身なら魚本来の持つ旨味や、肉に含まれる肉汁の感覚が分かるようになるのだ。
今までは、私自身の味覚音痴という側面もあるのだろうが、何の疑問も持たずに調味料を使っていたので、刺身は「醤油味の生魚」、とんかつは「ソース味の肉の揚げ物」としか認識していなかったのだが、この認識は大きく変わった。
という訳で、調味料の不摂取には効果があったという結論なのだが、当然ながら個人差はある訳で、「どうしても調味料がないと食べた気がしない」、「味が薄くて物足りない」という人も少なくないと思う。
ただ、病院に行って降圧剤をもらって飲むには手間もコストもかかる。運動を始めるにも時間も体力も限りがあるという人は一度試してみてはどうだろうか。
「調味料の不摂取」には、時間もおカネもかからない。「自分には向いてない」と思ったら止めて、元の食生活に戻せばばいいだけの話である。「うまくいったら儲けもの」ぐらいの期待値で十分だと思う。ちなみに普段のオカズやお菓子、飲料の類にも、多少なりとも「塩分」は含まれているので、調味料を止めても完全な「断塩」にはならない。
もっとも私は医師でも医療関係者でもないので、あくまで自分が実践した結果を伝えているだけで、その効果を他人に無理やり勧めている訳ではない。何かあっても責任は取れないので、「調味料不摂取」を実践するなら、あくまで個人の判断でお願いします。