如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

資産管理アプリ「マネーフォワード for <みずほ>」が結構使える!

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 普段、差出人不明のダイレクトメール(DM)は問答無用でゴミ箱直行だし、取引のある差出人からのメールもDMは極力読まない主義なのだが、先日、みずほ銀行から届いたメールのタイトルに「【お金が貯まる体質に!】お金の見える化サービスで収支改善」というのがあったので、「お金の見える化」という言葉に釣られて珍しく読んでみた。

 

 メールを読むと「自動で家計簿を作ってくれる資産管理サービス」というアプリの紹介らしい。サービス名称は「マネーフォワード for <みずほ>」。運営会社は株式会社マネーフォワードで、会社設立は2012年5月とまだ若いが、2017年9月には東証マザーズに上場している(証券コード3994)。

 

 ちなみに、たまに購読していた、くらしの経済メディア「MONEY PLUS」というWebサイトも運営しているようだ。このサイト自体は「おカネ」に限らず、生活全般に関する情報提供をしているが、特筆するまでではないが、まともな記事が書かれているという印象はある。

 

 ということで、一応メガバンクのみずほ銀行から届いたメールで紹介しているし、マネーフォワード for <みずほ>と謳っている以上、信用はできるのではないかと思い、アカウントの登録を行った。当然ながら無料。

 で、ここからが本番なのだが、家計簿や資産管理を自動で行ってくれるという仕組み上、組み入れる銀行口座などを登録する必要がある。多少の不安はあったが、「みずほ」のブランドを信用して、まずはみずほ銀行を登録。

 必要なのは「お客様番号」と「ログインパスワード」の2つ。何とも言えない不安が高まってくるが、この2つでは残高商会はできても、振り込みなど資金の移動はできないので、とりあえず登録する。

 

 すると、口座へのログインを開始し、自動的に預金残高を収集、数分後には画面の左側に「みずほ銀行」のタイトルの下にデータ取得日時と残高が表示された。最上段の「総資産」も更新されている。

 

 これは使えると他の金融機関も登録を始めたのだが、他の銀行は言うまでもなく、証券会社の口座も登録できて資産残高が表示される。しかも驚いたことに、資産別情報に移ると、株式は銘柄別に保有株数、取得単価、現在値、評価損益なども一覧で表示されるのだ。

 ちなみに配当金などは証券会社の「MRF・預かり金」として計上される。

 

 さらに驚いたのは「年金」だ。日本年金機構が運営・管理する「厚生年金」の現在価値まで登録すれば自動取得できるのである。さらに、運用委託会社によっては加入している「確定拠出年金(DC)」までサポートしている。もっとも、個人で契約している終身年金などは自分で手入力する必要があるが。

 ちなみに他に手入力できる項目としては、先物オプションやFXのほか、仮想通貨まで対応している。

 

 とは言え、預金、証券のほか年金データまで自動取得してくれるとなれば、あとは退職金の見込み額と自宅の不動産価値を手入力するぐらいで、家計の総資産額は一目瞭然、しかも資産の内訳別に円グラフまで描いてくれる。 

 そのうえ、一万円以上の入出金があると、すぐにメールで知らせてくれるのだ(この金額は変更できるようだが未確認)。

 

 まさに至れり尽くせりのサービスなのだが、プレミアムサービスとして月額500円を支払うと、登録できる金融機関が11件以上、全金融機関のデータを一括更新、マンスリーレポートの作成などが機能追加されるらしい。ただ、個人的にはおカネを払うまでの必要性は感じないので、無料版で十分だと思う。

 

 このマネーフォワード for <みずほ>を使うまでは、自分でエクセルの資産一覧表を作成して半年ごとに資料を集めて手入力で更新していたのだが、この手間がほぼ不要になったうえに、必要な時に最新の情報が得られるようになった。

 

 ほぼ満足しているこのアプリだが、まだ改善してほしい点がある。それは、みずほ銀行の「定期預金」には初期設定では対応していないこと。定期預金の残高を反映させるには、いくつか方法はあるのだが、一番確実なのは銀行の店舗に行って決められた伝票を記入、窓口に提出するという手法。仕様によると「アプリでも可能」とあったが見つけられなかった。

 

 あと、気になったのは当然ではあるがセキュリティの問題。ただ情報の送受信には256bit SSL暗号化通信を採用しているし、2665以上の金融機関、事業法人などと提携(2018年7月)しているということは、相当の実績と信用はあるはずなので、個人的には「活用してもいいかな」とは思っている。

 

 最悪の場合、名前、口座番号、残高などの個人情報が漏れる可能性は否定できないが、おカネの入出金に必要なパスワードは登録されないので、資産を奪われる可能性は低いと思う。

 ただし、ログインパスワードと取引パスワードを同一にしていたら意味はないので、そこは個人の責任で管理すべきだろう。

 

 最後に、ここまでマネーフォワードのメリットを紹介してきたが、これをきっかけに「マネーフォワード」株式への投資に興味を持った人もいるかもしれない。

 確かに資産管理のアプリとしては優秀だが、業績は別の話。ちなみに前期の最終損益は8億円の赤字だ。今期はさらに赤字拡大の見通し。

 もっとも、中長期的な業績の拡大を期待して買うという考えもあろうが。