詐欺まがいの婚活に疲れ果てた男性の一大転機(東洋経済オンライン)
大宮 冬洋 : ライター
独身時代に散々女性からのネットワークビジネスに引っ掛かりそうにあり、婚活パーティーや結婚相談所を避けてきた50代の男性が、見事相性のいい伴侶を得たという喜ばしい結婚事例を紹介する記事「詐欺まがいの婚活に疲れ果てた男性の一大転機」が9月6日付けの東洋経済オンラインに掲載された。
結論から言えば、「お互いにかなり運よく巡り合えた感が強い」ような感じがした。記事が話を「盛っている」とは思わないが。
というのも、男性側は筆者が書いているように「朴訥」「のんびり」「お人よし」を絵にかいたような性格で、基本的に受け身の姿勢。人ががよさそうに見えるからネットビジネス狙いの女性のカモになりやすい。
記事によれば、独身時代(20台前半?)から50歳近くまで5年に一回の周期で「勧誘」を受けてきたというから、少なくとも5~6回は「その手の女性」と付き合ったことになる。
普通の感覚だと、一度もしくは二度会えば「ああ、またこのパターンね」となるはずなのだが、どうにも学習効果がないようだ。というか「受け身」が基本なので、こうなるのだろう。
結果として、この受け身の姿勢が、民間の「まともな婚活市場」の回避につながり、長い独身時代が続いた。
一方の女性は、逆に好きになった男性に対して「後先を考えずに結婚する」という過剰とも言える「積極性」が失敗につながった。
今回再婚した男性がいうように「『なんでそんな男と結婚したのか』と思うほどの人物」のようで、相手の気持ちをまったく考慮しない男性だったらしい。
まあ「若気の至り」と言ってしまえばそれまでだが、その積極性による失敗の反動で、今回の再婚にはやや慎重になった側面はあるようだ。
このまったく異なる性格と過去を持つ二人を結びつけたのが、自治体の「婚活サポーター」制度だ。
心れは、いわゆる市民のボランティアによる婚活支援、いわゆる「世話好きおばさんの仲人」なのだが、営利目的の民間の結婚相談所と異なり、現実からかけ離れた「要望」を受ける義務はないので、男女ともに分相応の相手を探すことになる。
この仕組みが、「受け身」の男性と、「結婚に失敗」した女性を結びつけることになった。
男性は、ネットビジネス勧誘のような疑念を持つことなく女性に接することができ、女性も安心して男性をしっかり見極めることができたからだ。
女性の気持ちに配慮できるという「いい意味」での「お人よし」ぶりが、悪い方向に働いた「積極性」による結婚という苦い経験から、男性に警戒感を抱いていた女性の心を「解きほぐした」のは間違いないだろう。
婚活というと、お金をかけてパーティーや紹介を繰り返すという手法になりがちだが、「身の丈に合った相手を客観的に探してもらう」という視点に立てば、自治体の「婚活サポーター」制度は利用価値がありそうだ。
ちなみに東京都では、港区が「出会い応援プロジェクト」として、婚活イベントを年3回実施予定している(令和元年)ほか、非営利団体として「一般社団法人日本婚活支援協会」が同様のサービスを実施している模様。
興味のある方は一度、問い合わせしてみてはいかがだろうか。