如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

パナソニック、超売れ筋の液晶4Kテレビを半年で販売中止

モデルチェンジで好調な販売を加速か? 

 

 売れ行きが好調な4Kチューナー内蔵型テレビ市場で、抜群の売り上げを誇っていたパナソニックの最新型液晶テレビが、発売から半年余りで突然販売中止となった。

 

 その機種は「TH-49GX850」。他の画面サイズも含めて、すでにメーカーのWebサイトでは生産完了商品となっている。このテレビ、4Kチューナー内蔵のほかに、AI機能の搭載や、転倒防止スタンドなどが評価されて、調査会社BCNの8月26日から9月1日までの実売台数ランキングでは第1位だったほどの超人気の機種。雑誌「家電批評」などでも高評価だった記憶がある。

 

 実は自宅の、今観ているパナソニックのプラズマテレビが壊れかけているので、1月の発売当初からこの機種の価格変動をウォッチしてきたのだが、当初20万円台だった価格は5月以降急速に下がり始め、6月には一時12万円台まで下落した。その後やや価格は持ち直したものの、8月末には家電量販店のWebサイトでは「取り扱い中止」「生産完了」などの文字が出始め、9月に入ってカタログからも消えたというのが、これまでの経緯だ。

 

 ネットでは、「生産予定分を販売し終えただけ」とか「モデルチェンジがあるのでは」といった噂が流れているが、真相は不明。10月には新型機を発売するという予想も流れている。

 

 これらの話をまとめて類推すると、パナソニックのTH-49GX850は市場では高評価だったが、4Kチューナーが1つで裏撮りができない(他社は2チューナー内蔵)。売れ行きが好調なうちにマイナーチェンジして仕様を強化し、ライバルと同機能でさらに販売を伸ばす、というメーカー側の意図があるのではないかと思う。

 

 でなければ、売れ行き絶好調のモデルを半年やそこらで販売中止にするメリットがない。ちなみに現在は市場の残っている在庫品が14万円台で出回っているが、新機種の登場を考えると、ここは待った方が得策だろう。

 

 もうひとつ気になるのが、次世代の4Kテレビ「有機EL」の動向だ。パナソニックのカタログを見れば、有機ELへの製品シフトを狙っているのは一目瞭然で、液晶は隅に追いやられている。キャンペーンの2万円キャッシュバックも「有機EL」の最上位機種のみだ。

 

 確かに店頭で同じパナソニックでも有機EKと液晶を並べて比較すると、「黒色」の表現力は全然違う。しかも一番安いモデル「TH-55GZ1000」なら23万円台なので、先の液晶モデルと10万円程度の差しかない。

ただ、55型以上の製品しかないことと、パネルの生産が韓国LG1社独占というのは昨今の日韓対立問題を考えると不安要因ではある。長期の利用で「画面が焼き付く」という問題も解決されたとは言えない状況らしい。

 それでも有機ELは、感覚的には液晶以上のスピードで、価格下落が進んでおり、価格差がさらに縮まれば、画質では圧倒的に優れている有機ELの普及が進む可能性もある。

 

 昨年末にBS4K放送も始まり、今年はラグビーのワールドカップなどもあって4Kコンテンツも拡充傾向、さらに言えば、約10年前の家電エコポイント制度でテレビを買い替えた層のテレビが、そろそろ寿命を迎えつつあるということもあって、4Kテレビの普及度が加速するのは確実。

 実際に、4K放送を受信できるチューナー内蔵型の薄型テレビが、5月の販売実績では4K以上の解像度のテレビの構成比が初めて50%を突破して、52.1%になったそうだ。

 

 来年のオリンピック・パラリンピックに向けて、今年冬のボーナス、4月の新年度、6月の夏のボーナス商戦といった節目で、さらに4Kテレビの普及に弾みが付くとこは間違いないだろう。

 

 個人的には、10月に出ると予想されるパナソニックの液晶の新型機の価格が落ち着いてくる年明け頃の購入を検討しているが、有機ELテレビ製品が液晶にかなり近い水準まで下落すれば、選択は悩ましくなる。

 

 最後に、ここまで読まれた方は「何故そこまでパナソニックにこだわるのか」とう疑問を持たれるかと思う。特に東芝レグザの高級機の評判は総じて高い。

 これには理由があって、10年前にパナソニックのプラズマテレビと同時に同社のBDレコーダーを購入したのだが、子供がまだ小さくてリモコンが行方不明になることが頻繁にあった。

 リモコンなしでは操作できないので、対策として「テレビ」「ビデオ」の各純正リモコンを3つづつ計6個別途購入したのだ。当然ながら同じメーカーなら、チャンネル切り替えや音量調整などの基本機能は新機種でもそのまま使える。これが最大の理由である。

 もちろん「赤色」などの発色が鮮明で、Amazonプライムにも対応、リモコンが他社よりも大きくて使いやすいという利点もあるが。

 

 とにかく今は、10月と噂されるパナソニックの新製品に期待したい。