如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

第一印象が決め手?、就活生の採用サイト評価

就活生が選ぶ「印象のよい採用サイト」20社(東洋経済オンライン)

佃 光博 : HR総研ライター

 

 最近の就活生は、就職先の企業を研究するにあたって「採用ホームページ」を最も利用するらしい。その採用HPの学生の評価をランキングした記事「就活生が選ぶ『印象のよい採用サイト』20社」が、9月19日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

 同日に掲載された「40歳年収東京都ワースト500社ランキング」に比べると対象企業の数がかなり少ないような気もするが、1人1社で有効回答数は1890人ということだから、ランキングとして公表するには妥当なのかもしれない。実際上位20社といっても、21ポイントの同数で18位に3社も入っているので、これ以下のランキングはあまり意味はなさそうだ。

 

 上位2社は「ANA」「JAL」の航空会社大手2社。記事には「学生が採用ホームページを評価する基準は「見かけ」である」とあるが、ANAのページを見る限り、トップページに特に派手に目を引くような仕掛けはない。会社情報、仕事紹介と続いたあとに「社員インタビュー」のコーナーがあり、リンク先で業務別に47人が紹介されている。この社員のコメントが充実していて一人当たり約2000字もある。

 新卒の就職希望者にとっては、売上高や利益などの数値データよりも、実際の社員のコメントの方がイメージしやすく参考になると思えるので、これは親切な対応だと思う。まあ会社のイメージアップのバイアスがかかっていることは前提だが。

 

 一方のJALだが、冒頭に「3分で知るJAL」として会社概要を数値データを解説するコーナーを設けているが、その直後にあるのは「トップメッセージ」。まずは経営トップの考え方を知ってもらおうというスタンスなのだろう。写真付きながら文字数は約2600。

 その先にスクロールすると「若手社員座談会」として、社員5名による会話が掲載されている。文字数は約3000字。一人あたりにすると約600字で、ANAの約3分の1だ。

 

 ここまではあくまで、若手社員のコメントをどう扱っているかという観点から見た分析だが、「トップの意思」か「現場の声」のどちらかを優先するかで会社の姿勢の一端がわかるような気もする。いうまでもなく、これはどちらが良い悪いという話ではなく、会社の考え方の違いの話だ。

 

 参考までに、両社ともに親会社ではなく企業グループとしての採用サイト(ANAJAL)を見ると、どちらも最初に派手な動画や大きな画像が目に飛び込んでくる。記事の学生コメントにある「動画が魅力的」というのは、こちらのサイトのことを言っているのではないだろうか。

 「インパクト」があるのは確かだが、そこから先に進むのにやや手間取った。TVコマーシャルとは違うのだから、もう少し使い勝手に配慮があってもとは感じた。もっともスクロールすれば済む話ではあるのだが。

 

 今回はランキングの上位2社の採用サイトを取り上げたが、同業でもその構成を比べることで方向性の違いは、多少把握できると思う。

 

 ただ、あくまで採用サイトは「応募する新卒を集めるための広告」という側面があるのは確か。企業分析の取っ掛かりにはいいが、トップや社員のコメントはあくまで「参考情報」として、業界や会社の将来性を幅広い視点から分析した方がいいと思う。

 

 新卒でも職種別の採用が増えつつあるとはいえ、総合職で採用されれば、希望通りの職場に配属されるかの確証はないのが一般的。であれば会社全体としての未来を分析した方が現実的だろう。