如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

転職成功のカギは「スキルアップ志向」だった

転職で給料を上げる人と下げる人の決定的な差(東洋経済オンライン)

宇都宮 徹 : 東洋経済 記者

 

 給料のアップは役職とともにサラリーマンの目標ひとつだが、9月24日付けの東洋経済オンラインでは、雑誌・週刊東洋経済の特集「給料、最新序列」のなかから、転職に関する部分を抜粋して「転職で給料を上げる人と下げる人の決定的な差」と題して掲載した。

 

 記事では、転職者数が8年連続で増加、10年ぶりの高水準となったことや、転職で給与が上がった人の割合も過去最高を更新、一方で、給料が減少した人の割合も増えており、二極化が進んでいると解説している。

 

 給料を上げる傾向パターンとして紹介しているのは2つ。

 ひとつは、「業種」として給料が低い業界から業界に転じること。

 ただ記事では、給料が高い業種として「総合商社」「コンサルティング」などを挙げる一方で、低い業種として「介護」「百貨店」などを紹介している。

 

 それぞれの業界を見れば、高い方には「交渉力」「語学力」などが高いレベルで求められるのに対して、低い方には基本的に必要とされる「スキル」は低いと言える。

 実際問題として、介護でも百貨店でも高い専門性(特殊な技能や経験)がなければ、他業界で評価されることは困難だろう。つまりごく一般的な社員が、給与の高い業界に転職するというのは現実的ではない。

 

 もうひとつの方法が「スキルアップ」だ。

 記事では、「広告営業職だったが顧客企業のブランディングに深く関与」していた実績をアピールして未経験の広報部門への転職に成功した人や、逆に「年収アップには拘らなかったが、自分の個性を生かせる職場を限定して」営業から人事部門に転職、給与も約10%アップした具体例を紹介している。

 

 確かに、他業界で必要とされる人材と評価されるには、「その会社には存在しないレベルの営業テクニックや実績を持つ」という社内で即戦力を期待されるケースが多いとは思う。

 ただ、会社側が「経営改革に伴う組織や人事制度の一新」や「新規事業への参入に伴う経験者の確保」を意図している場合は、異業種からでも「転職」できる可能性は高まる。

 

 それでも、採用する側が重視するのは、「求職者が何を実績として残し、会社にどのように貢献してくれるのか」だろう。

 転職希望者が、自身のスキルアップを目指していて、目標がしっかりしていることが採用に有利に働くことは間違いないはずだ。

 

 ただ、これは知り合いの採用担当者から聞いた話だが、面接で重視しているのは「その人物の過去、現在、未来にわたって生き方に一貫性があるかどうか」だという。

 

 スキルアップは重要だが、やみくもに頑張ればいいというものではない。転職を目指すのであれば、自分の将来設計をしっかり固めたうえで、説得力のあるスキルアップを目指すことから始めるべきなのだろう。