如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

2日続けてAmazonレビューがテーマになりますが・・・

偽レビューを見分けるには勉強代が必要

 

 このブログは原則毎日午前中の早い時間帯に更新しているのだが、ネタ元は多くの場合東洋経済オンラインで、たまにダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインを引用することもある。

 

 昨日は朝方から東洋経済などの記事を読んでいたのだが、これといってコメントしたり、ブログのネタになるような記事が見当たらなかったので、日々考えていたネタのひとつであるAmazonレビュアーのランキングについて、実体験をもとに「Amazonのレビュアーランキングの仕組みが不可解、順位変動の根拠が不明」というタイトルで書いた。

 

 外出から帰宅して何気に東洋経済オンラインを見たら偶然にも「アマゾンで偽レビュー作りまくる不届者の正体」という4日にブログで書いたテーマと被る記事が掲載されていて驚いた。

 もっとも、当ブログはレビューを書くレビュアーの「ランキング」についての内容で、東洋経済の記事にあるレビューとレビュアー「そのもの」ではないので、完全に重なる訳ではないのだが。

 

 とは言え、私が午前中に更新したブログの内容とほぼ同じテーマで東洋経済オンラインにその日の夕方に掲載された以上、黙って見過ごせないというのもある意味では本音。

 そこで、今回はAmazonの記事にある「偽レビュー」について私見を書きたい。

 

 まずAmazonのレビューについて言えるのは、「参考」にしてもいいが「信用」するには注意が必要ということだ。

 

 記事では、《0円仕入れ》という言葉を使っているが、これは正確な表現ではない。実際にはレビュー依頼のあった商品を自分のおカネで購入、五つ星のレビューを書いたことを連絡すると、PayPalで支払われるというのが実態である。

 なぜ先に商品を送り付けてこないかと言うと、商品を受け取ってレビューを書かないリスクを回避するという意味もあるが、Amazonで購入するとレビューの上段に「Amazonで購入」という赤い文字が表示され、レビューへの信用度が高まるという効果を狙っている側面の方が大きい。

 

 レビューを書いている当事者は、フェイスブックのグループに登録して「投稿者にメッセージで、レビューさせてください、って連絡するんです」と解説しているが、私の個人的な経験から言えば、レビュアーランキングで500位以内に入ると、自動的に向こうからレビュー要請のメールが届くようになる。

 

 メールにはAmazonの自己プロフィールを読んで、「あなたの考え方に共感しました」とアプローチを試みる手の込んだ「勧誘」もある。

 

 なかには勧誘に乗ってレビューを書くランカーもいるのだろうが、真面目なレビュアーは無視の一手だ。というのも、Amazonでは販促となる投稿を禁止しており、その具体例として「対価(現金、無料または割引商品、商品券、後日購入する商品に対して第三者が提供する割引など)を得るために、お客様がレビューを投稿する」が書かれている。

 これに違反した場合は、アカウント削除となる場合もあるはずで、苦労して獲得したランクをわずか数千円のために棒に振るようなマネはしないからだ。

 

 また記事では、「ネット上の口コミ情報を「かなり信用する」と「まあ信用する」を合わせると55%を超えており、口コミ情報を参考にするサイトとして、1位の《価格・ドット・コム》の次に、アマゾンのカスタマーレビューが2位となっている」と調査結果を引用しているが、別の見方をすれば半分近くは「信用していない」ということになる。

 

 米国での調査によれば「84%がレビューを自分の友人からの推薦と同じように信用している」そうだから、日本人の方がネット情報を信用していないというのは意外でもあるが、元々何の利害関係もないうえ、身元も不明瞭な他人のレビューを鵜呑みにする方が間違っている。

 

 レビューの見方については、各方面で研究されておりスマホのアプリでも「レビュー探偵」などの信用度を判定するアプリが出回っている。

 これらのアプリを利用するのもひとつの手だが、その分析ロジックがブラックボックス化しているため、どこまで信用が置けるのかはケースバイケースだろう。

 

 個人的な結論を言えば、絶対にまがいものを掴みたくないなら、本物び商品を正規ルートで買うしかない。具体例で言えばモバイルバッテリー大手のAnkerは本社が中国の企業だが、イヤホンなどを含めて製品のコスパは高い。

 ところがこれに乗じた「似たような名前やスタイルの中国製商品」がAmazonでは堂々と出回っている。価格は半額以下だ。大抵は性能も数段落ちる。

 

 逆に、偽ブランド品でも構わないというなら失敗覚悟で購入するのも一手だ。あまりお勧めはしないが、個人的な経験では「意外にコスパが良かった」商品も全くないわけでないというのが実態で、皮肉にもこれが消費者を惑わせる要因にもなっている。

 

 筋論で言えば偽レビューを書く側に一義的な問題があるのは確かなのだが、現実にはこれらをせん滅するのは不可能。

 多少の勉強代は払っても、実体験でレビューの真贋を見極める力を身に着けるのが、残念ではあるが王道なのかもしれない