「50代で再婚できる人」とできない人の明確な差(東洋経済オンライン)
旦木 瑞穂 : ライター・グラフィックデザイナー
巷では、中年世代以上の婚活事情が活性化しているらしい。
11月29日付けの東洋経済オンラインに、「『50代で再婚できる人』とできない人の明確な差」という記事が掲載された。
記事では冒頭、「近年、生涯独身人口が増加している一方で、熟年世代の婚活が活発になっている」で始まり、45歳以上から入会できる結婚相手紹介サービス最大手のオーネットのサービス「スーペリア」の会員が、2015~2017年までの間に約3倍になったこと。
また、創業60年の30代・40代・中高年・シニアを専門とした結婚情報サービスを展開する茜会では、少し前から50代が増加し、最近では60代、70代が増えてきたことを紹介している。
会員の婚歴だが、オーネットは未婚率は28%、茜会は0~50代は初婚の方多く、50~60代は初婚と離婚された方が同程度だそうだ。
ここまでは、婚活市場のいわば「客観的なデータ」。気になるのは、どういう人たちが結婚に成功もしくは、失敗しているのかという具体例だろう。
当然ながら記事でも成功例、その逆の例をそれぞれ4つ紹介している。またうまくいかない事例については、その理由もコメントしている。ちなみに成功例にはコメントはない。
具体的な内容は記事を読んで頂きたいが、失敗する傾向として「自分が選ぶ」という姿勢の人が多いことを挙げている。
ここからは個人的な感想だが、成功した人の事例を見ると、「子供がいない、もしくはすでに独立している」という共通項目が目を引いた。
4例のうち、離婚が3人、死別が1人。別離からはいずれも2年以上が経過しているが、行動を開始してからは1年以内に成婚している。
再婚に関することわざに「去り跡へ行くとも死に跡へ行くな」というのがあるが、現代では年月が経てば新たな人生に向けて、離婚・死別の差を問わず、再婚への意欲が高まってくるのかもしれない。
一方、うまくいかない方の事例は「なるほどね」と合点のいくものばかりだ。
例としては「高い理想を相手に求める」「自身の年収や学歴が低い」など、自分に対する社会的かつ一般的な評価を冷静に認識できていない(もしくはしたくない)ことに尽きる。
また記事では、女性は「経済依存」「入籍ありき」、男性は「親との同居」「婚歴なし」が不利な条件になっていると指摘している。
これも私見になるのだが、うまくいかない女性の事例をみると、「年収」「学歴」「趣味」「ビジュアル」など男性に求める条件が、やたらに多いのが気になった。
再婚なので慎重になる気持ちは分かるが、一般的には年齢が高いことは女性の方に不利に働く要因になりやすいはずだ。
相手に求める条件に見合った資質を自分の方でも備えているのであれば、構わないのだろうが、そのような好条件の女性は婚活市場に出てくる前に、再婚相手が見つかる可能性が高いだろう。「分相応」という言葉を参考にしてほしい。
もちろん男性側の事例にも問題はある。「料理ができて子供がいないことを希望」、「56歳まで親と同居」など、もう少し現実を見た方がいいのではないか、とアドバイスしたい。
記事では、「うまくいくかいかないかは、ほんのちょっとの差。タイミングや努力次第だと思います」と茜会のコメントを紹介しているが、うまくいかない人の事例を見る限り、「ちょっと」どころの差ではなく、「大いなる」勘違いが原因ではないかとも思える。
ここまでシニアの婚活事情について書いてきたが、世の中全体でみれば生涯単身のままの「ソロ化」が進行しているのも事実。
趣味などの遊び友達や相談相手を求めるのであれば、「結婚」は絶対の必要条件ではないだろう。
今回の記事には、オーネット社部長の「(50代で)結婚となると、資産や子どもの問題などが関わってくる。だから取りあえず、一緒にいて楽しい相手、気の合うパートナーを探したい……という方が増加しています」というコメントが紹介されている。
近い将来、「結婚」にこだわらず「パートナー」という選択が、シニアの間ではより普及していくのではないかと思った。