如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

再婚がうまくいく秘訣は「他人」ではなく「過去の自分」と比較

過去より幸せになる「大人の再婚」密かな醍醐味(東洋経済オンライン)

大宮 冬洋 : ライター

 

 3人に1人が離婚すると言われるなかで、当然ながら「もう二度と結婚なんか御免」という人もいれば、「良い縁に出会えて再婚に成功」する人もいる。

 

                                    f:id:kisaragisatsuki:20191206170822j:plain

 

 12月6日付けの東洋経済オンラインに、「過去より幸せになる『大人の再婚』密かな醍醐味」というタイトルの記事が掲載された。

 

 個人的には「再婚」というと、偏見と言われても仕方がないのだが、「慰謝料など関係清算で揉める」「子供の養育費の未払い」「連れ子との微妙な関係」いったイメージがあって、どうにもあまりいい印象を持っていない。

 

 ところが今回の記事は「とてもうまくいった再婚例」として参考になった。

 

 登場するのは、22歳で結婚したものの旦那の浮気が原因で10年目に離婚した49歳の女性と、大阪への転勤をきっかけに歓迎会で知り合った2歳年上の男性の2人。ともに子供がいる。

 

 付き合い始めた当初は、二人とも結婚は考えていなかったが、「彼の母親の認知症が進行して彼が同居」せざるを得なくなったことが、結婚の決め手になった。

 

 普通はこうなると、「男性彼女に同居を希望し、女性がそれに反発するという」事態となり、別れるという結末に終わるのが通例だと思うが、今回は展開が異なる。

 

 男性が「この歳になって母親と同居している男なんて嫌やろ? ふってくれていいよ」と彼女の立場を優先したことで、それを受けた女性が「親を大切にできる人でよかった。むしろ絆が強まるのを感じた」と、自分の親の問題と絡めて受け止めたことが再婚の決め手になった。

 「相手のことをしっかり考えてくれている」という気持ちが伝わったのだろう。初婚の際には、「自分の立場優先」だったのが離婚で変化したのかもしれない。

 

 もちろん日々細かいケンカはあるようだが、お互いバツイチで失敗したくないという意識が「大人の対応」に繋がっているのだろう。

 

 記事の最後では「他人と比較しても幸福にはなりにくいが、過去の自分と比べることによって現状のよさを実感できることはある」としているが、これが本記事で最も伝えたいことだろう。

 

 結婚しない人は増えているし、先のように離婚も多い。ただ「結婚」で失敗する人もいれば、逆に「再婚」で成功を勝ち取る人もいる

 

 無理に結婚生活を続けて「我慢とストレス」のなかで生きるよりも、新たな「機会」を求めて自分の人生を取り戻したいと考えている人には、「再婚」はひとつの手段だし、生き方や働き方の多様化が進む中で、様ざまな恋愛のスタイルがあってもいいとは感じた。

 

 また、現実にはシングルマザーの貧困率は相対的にかなり高い。厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によれば、母子世帯の母自身の年間平均就労収入は200万円に留まっている。

 

 こうした厳しい家計状況から抜け出すにも、再婚は有効な手段だろう。もちろん家計の問題だけで相手を選ぶのは感心しないが、離婚に至った原因を把握し、新たな人生を目指すことは子供の問題を含めて、十分に意味があると思う。