如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

他人の目を気にせず、信念を確立することが「一流」の条件

「人から嫌われても」全く気にしない人の共通点(東洋経済オンライン)

高 利美 : 銀座ルナピエーナ オーナーママ

 

 サラリーマンを続けていると、上司や周囲の評価がどうにも気になり、好きになれない仕事にも本音を抑えて取り組む――こんなサラリーマンはまだ多数派を占めると個人的には思ているのだが、「一流」の人は全く逆の信念に基づいて行動をしていることを紹介する記事「『人から嫌われても』全く気にしない人の共通点」が12月21日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

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 著者は、銀座ルナピエーナのオーナーママである日高利美氏。「コミュニケーションのプロフェッショナル」として書籍や雑誌、TVなどのメディアでも活躍しているらしい。ちなみに現在新人スタッフも募集中のようだ。

 まあ26歳で銀座に店を構え、平成の経済低迷時代、競合の厳しい中で26年間商売を続けているのだから、実績は申し分ないはずで、発言にも説得力があるのは間違いない。

 

 本稿は、銀座のママとして今まで夜の銀座で出会い惚れ込んだ「男性」の共通点について3回の連載の第一弾となる。

 今回の記事のポイントは、一流の男性は

  1. 「人に好かれようとしない」
  2. 「好き嫌いで仕事している」
  3. 「時間の大切さを知っている」

 という特徴があるということ。

 

 各項目の事例や内容については記事を読んで頂くとして、個人的に感じたのは、これら3つに共通するのは「自分の評価を基準にしている」ということだ。

 

 こう言うと「俺は自分の行動基準は自分で決めている」と主張する人は多いはずだが、実際に自分の行動をよく思い返してほしい

 1の「言いたいことがあるけど場の空気を読んであえて発言しなかった」、2の「好きになれない案件だけど仕事だと思って割り切る」という経験とまったくしたことがないと断言できるビジネスマンは、私を含めてそう多くはいないはずだ。

 3の「時間の大切さ」はサラリーマンの基本であり、これを実行できない人は社会人としてすでに失格だと思うので、個人的には「一流」の条件以前の問題だろう。

 

 1の「人に好かれようとしない」は、所属するチームやプロジェクトのなかで「協調性」を優先した結果だが、仮にそこで発言し、「より優れた結果」に結び付く内容だとしたら、それは「機会損失」という意味で会社にとって逆効果のはずだ。

 確かに、議論の方向性が出てまとまりかけていた案件に、異論を差し挟むのは勇気がいるが、論理的で説得力があれば、常識のある人なら見直すことに反対はしないはずだ。場を取り仕切っている人には嫌がられるかもしれないが。

 また、個性的な持論を持ち出すことで、それが考慮されて実績が出れば、「仕事に一家言もっている」として周囲の評価も変わってくるはずだ。

 ただ注意したいのは、目的は「仕事の質の向上」であり、「自分が目立つこと」はないこと。いつでもどこでも自己主張すればいい訳ではない。場をわきまえない自己主張が許されるのは新人の数カ月ぐらいだ。

 

 2の「好き嫌いを基準に仕事をしている」というのは、記事を読まないと誤解を招くかもしれない。

 記事では「仕事の内容を個人の好き嫌いでより好みをしているとか、仕事関係の人を好き嫌いで判断して態度を人によって変える、という意味ではありません」と解説している。

 著者の本意は「信念が共感できない人とは一緒にいたくない」ということで、相手の信念に共感できる人を「好き」になり、一緒に仕事をしようと言う意味で選別しているということだ。

 

 とはいえ、会社全体から見れば「ルーチンが完全に機能していて改善の必要が見当たらない」仕事や、主力事業から外れて「残務処理」のような職場が存在するのも事実。

 こうしたケースでは「仕事」そのものを「好き」になるには現実問題として無理がある。であれば、その職場にいる信念を共感できそうな人と「交流」することを仕事にすればいい。

 

 会社の仕事として「結果」はでなくても、価値のある人脈を得られれば、それ自分にとっては十分な「成果」だ。

 

 サラリーマンにとって、与えられた仕事は「材料」に過ぎない。肝心なのはその材料を処理するための「ツール」やその「使い方」だという意識で仕事に取り組んだ方が、本人のスキルは向上すると思うし、将来役に立つのは間違いない。