如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

休業要請対象外の「理髪店」、独立系の低価格店に注目

全国チェーンQBハウスの臨時休業で 

 

 政府の緊急事態宣言を受けた東京都内の事業者への休業要請について、都と政府は「百貨店」や「理髪店」は対象から除く方向で調整中で、10日にも結論が出るらしい。

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 個人的な事情を話せば何となく「嫌な予感」がしたので、「理髪店」が俎上に上がる前の3月28日にちょっと早かったが日頃通っている低料金の理容室で散髪を済ませた。ちなみに外出自粛の影響か客は少なくガラガラだった。

 さて、東京都が理髪店を休業要請の対象にしたいのは、「待合室で人が隣合わせ」になり、「理髪の際に担当者と接触」し、「店自体も小規模で換気が不十分」という、いわゆる「3密」の状態だと判断したためだろう。

 これは「感染予防」という点では理屈が通っているようにも思えるのだが、「個人・家族経営の多い理髪店」にとっては死活問題だろう。

 

 顧客にとっても不便なことは間違いない。行きつけの理容師に聞いところ、髪を今までよりかなり短くする男性が増えていて、散髪にくる間隔が伸びつつあるとは言っていたが、それでも1カ月を目安に来店する人がまだ多いらしい。5月6日まで休業となれば、3月上旬に散髪に行った人は2カ月も間隔が空くことになる。

 

 最終的に理髪店は対象から外れる方向のようなので制度的には問題ないのだろうが、たとえ対象外となっても個人・家族経営の理髪店の苦境は続く一方で、「独立系の低価格店」が存在感を増すと観ている

 

 住宅街や地元の商店街などに多いフルサービス理髪店(客単価4000円程度)への影響は大きいだろう。大体1時間ぐらいは椅子に固定されて理容師と密着することになるし、髭剃りでは刃による感染を気にする人もいるはずだ。また直接的な影響ではないが景気悪化による収入減少への不安から「不要不急」の散髪を先送りする人もいるだろう。

 

 こうなると、駅前などに立地する「髪切り」に特化した低価格、短時間が特徴の理髪店(QBハウスなど)は、待ち時間も短く、接触時間も少なく、髭剃りのリスクもないので「追い風」になるはすなのだが、そのQBハウスは7日、7都府県の営業を「4月10日から当面の間を臨時休業する」と発表している。

 もっともこの「当面の間」というのがクセモノで、緊急事態宣言の期限である5月6日となっていないことが気になる。東京都が対象外を正式発表し、顧客からの開店要請が集まれば、4月中にも「感染防止策の徹底」を宣言して、営業を再開するのではないだろうか

 

 こうしたなかで、注目しているのが私も行き付けにしている「小規模事業者の低価格店」だ。QBハウスのような全国チェーンではなく、各店舗は独立経営。在籍する理容師は数名から多くても10名程度で、洗髪、髭剃り込みのフルサービスなのに1600円(税込)からという価格設定である。低価格の理由は徹底した効率化だ。洗髪・髭剃りと調髪の分業制で、一人当たりの時間は約30分だ。

 私の住む東京市部であれば、駅の近くにも結構な数の店舗があるはずだ。もっとも派手な広告や看板などは出していないので探さないと見つけにくい。

 

 私の行く店舗も含めてこのような理容室は、規制対処外となったことで営業を継続する模様だ。こうしたなか「髪は切りたいがコストは抑えたい、けれどもQBハウスは休業中」で困っている男性の間は少なくないだろう。

 彼らの中にはこのような「小規模事業者の低価格店」に行き、感染リスク低減のために「洗髪と髭剃りはなしで」とオーダーする人も増えるはずだ。ちなみに私の行く店舗ではこの2つをカットすると200円安くなるそうだ。

 QBハウスの10分1200円(税込)には構わないが、それでも例えば私の行く理容室でも、洗髪と髭剃りをカットすれば時間はほぼ同じぐらいのはずだし、価格も数百円しか違わない。

 

 ここからは何の確証もない勝手な憶測だが、今回のQBハウスの休業で、低価格店に馴染んだ顧客は「小規模事業者の低価格店」に向かうのではないかと思っている。

 個人的には行きつけの店が混雑するようになるのは、あまりありがたくはないのだが。