如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

キャッシュレス化とマイナンバーカード、新型コロナ禍で普及に加速も

脱現金とポイント制度が後押し

 

 政府の推進するキャッシュレス決済とマイナンバーカードが今年急速に普及する可能性が高まってきた。

 

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 諸外国に比べてキャッシュレス決済比率の低い日本が、その低迷する普及率の向上に向けて大きな動きを見せたのは、昨年10月1日の消費税率引き上げに伴う「キャッシュレス・ポイント還元事業」だ。

 これは税率引き上げに伴う個人消費の低迷を下支えするための政策(経済産業省は需要平準化対策と定義している)として、今年6月末までの9カ月間と期間を限定して、中小・小規模事業者には5%、コンビニやフランチャイズチェーン店には2%のポイント還元を実施するものだ。

 

 最新の【ポイント還元事業】店舗の種類別の登録状況と利用状況によれば、5月1日時点の加盟店は約113万店。このうち全体の約90%を占める中小・小規模事業者は、約102万店と初めて100万店の大台を突破し、昨年10月1日時点から2.5倍へと拡大している。

 

 一方、対象決済金額に占める決済手段の内訳をみると、昨年12月時点ではクレジットカード(約60%)、QRコード(約10%)、その他(約30%)だったが、最新のデータではこの比率がそれぞれ約64%、約7%、約29%となっており、クレジットカードの比率が上昇、QRコードは低下している。 

 世間ではキャッシュレスは「スマホ決済が主流」となっているようなイメージがあるが、金額ベースでは依然としてクレジットカードが優勢のようだ。

 

 ただ、1月21日時点の決済単価でみると、クレジットカードの4800円に対してQRコードは1400円と少額の買い物が中心であり、決済回数ベースではクレジットカードの28%に対して、QRコードは14%とかなり健闘していると言える。

 

 こうした現状のなかで、最近の新型コロナウイルスの感染を契機に、現金を回避する動きが出ていることを解説する記事「ATM利用6割減 コロナ禍、個人『脱現金』加速も」が4月26日の日本経済新聞電子版に掲載された。記事では「お札を通じた感染のリスクが相対的に高いとみる人がATMの利用を避けているとみられる」としており、今後「現金離れに勢いがつく可能性」と指摘している。

 

 確かに電車のつり革や手すりなどを中心に、不特定多数が触れる機会のあるモノには触れないようにする人は確実に増えているし、最近の私の体験では、クレジットカードの決済の場合でも、レジの店員はカードを受け取らず顧客自身で決済端末に挿入、操作するというスーパーまで出てきた。

 すでに現金利用不可のレストランなどは存在するが、今後感染防止のためにスーパーなどの小売店でも電子マネー決済専用レジが大量に出回る可能性もありそうだ。

 

 また、政策面からもキャッシュレス決済を支援する動きは今後も続く。政府は2020年9月から2021年3月までの期間、総務省において、マイナンバーカードを活用した消費活性化策(マイナポイント事業)を実施する予定で、消費者はこの期間内にマイナンバーを取得してキャッシュレス決済登録すると上限5000円のポイントが受け取れる。

 また、中小事業者がキャッシュレス決済に必要な端末を導入する際の費用の半分を負担する補助制度も導入される。(端末の価格はクレジットカード専用で約10万円、電子マネー対応型だと約20万円)

 

 さらに新型コロナウイルス対策で政府は1人当たり10万円の現金給付を決定、早い自治体ではすでにオンラインでの申請が可能だが、これにはマイナンバーカードと専用のカード読み取り機が必要。読み取り機は現在市場で人気化し在庫不足の状態。今後マイナンバーの普及が急速に進む可能性もキャッシュレス化の推進要因になりえる。

 加えて、2021年3月からはマイナンバーカードが健康保険証として利用できることも普及の後押しになるはずだ。

 

 専門家や政府関係者が新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になると発言していることから、感染予防対策は過去のインフルエンザなどと異なり向こう数カ月は日常化する公算が大きい。

 不特定多数が触れる現金への回避行動とポイント制度によるキャッシュレス決済の拡大、それに伴うマイナンバーカードの普及は今後弾みが付くと思われる。

 

 これは余談だが、私はスマホを所有していないのでQRコード決済は利用していない。が、SUICA定期券と頻繁に利用する店舗のクレジットカードで大半の決済を行うので、特に困ったことはない。

 QRコード決済を使ったことがないので私見になるが、利便性ではSUICAが手軽で決済スピードが最も速く、不正利用へのなどへの対応ではクレジットカードの信頼性が一番高いと思っている。

 アプリを立ち上げてQRコードのやり取りをするのは、どうにもひと手間余計にかかるような気がするのだが。