如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

東久留米市の「障害者がいどぶっく」への対応を考える

窓口では「本人以外には渡せない」、その後「謝罪文」が届く

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 私の知り合いに精神疾患を患って、障がい者手帳の申請を考えている人が東京都の東久留米市に住んでいるのだが、気力・体力の低下で本人が市役所に行けないため、私が本人に替わり担当窓口に行って、障がい者向けの支援策などが書かれている「障害者がいどぶっく」を受け取ることにした。

 当然ではあるが、事前に市役所に問い合わせて窓口で受け取れることは確認している。以下は当日(7月13日)の担当部署である障害福祉課の担当者とのやり取りの主要部分。

 

 私:知り合いの市民が障がい者手帳の申請をするので、こちらで配布している「障害者がいどぶっく」が欲しいのですが。できれば参考までに私の分と含めて2部。

 窓口の若手職員:わかりました。少々お待ちください。業者の方ですか?

 私:いえ友人の代理で、個人です。

 ―――職員が奥に引っ込んで、替わりに上司思われる女性が窓口に来る

 女性職員:「障害者がいどぶっく」は障がい者手帳の申請者本人が手帳を受け取るときに渡しているので、それ以外の方にはお渡しできません。

 私:その理由を教えてください。

 女性職員:手帳の所有者以外の方に渡すと「障害者になるとこんな支援策がある」などと障がい者以外に吹聴されてしまうからです

 私:私はそんなことをするつもりはないし、事前にこの部署に電話をかけて窓口で受け取れることは確認しているのですが。

 女性職員:(沈黙後)そうですか。では1部ならお渡しできます。

 

 市役所の1階中央部に近い受付窓口なので、会話は他の市民の人たちの耳にも入っていたかもしれない。

 そもそも、市民に一般公開されている「障害者がいどぶっく」を知り合いに替わって受け取るにあたって、初対面の人を「他者に不用意に情報を吹聴する可能性がある容疑者扱い」するというのは如何なものだろうか。

 

 これは個人的な感想だが、担当の女性の私を見る目はいかにも「この人は信用できない」「できれば資料は渡したくない」という雰囲気が蔓延していた気がする。こちらの心境としては「容疑者」と言うよりは「犯罪者」扱いされている感じだった。

 

 その場は、とりあえず「障害者がいどぶっく」1部を受け取って引き上げたが、窓口の担当者の対応があまりにもひどく、納得できなかったのでその日(13日)のうちに市役所の「ご意見箱」に今回の窓口でのやり取りと、市役所の考え方を確認する文書を提出した。

 

 その後22日になって市役所からメール送信されてきたのが、以下の文書である。なお一部はプライバシー保護などの観点から消去している。

   

            

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 文書を読む限り、担当課長(実際は実名)という責任者からの正式回答であるうえ、「謝罪の意志」、「障害者がいどぶっくの位置づけ」、「今後の対応策」が具体的に明記されており、これはこれで誠意ある市役所の対応として評価したい。

 ただ事実確認や文面調整などに時間手間取ったのかもしれないが、こちらの連絡から9日もかかったことや、4連休直前のしかも夕方(18時)に送信してくるという事実を考慮すると、まだどこか役所体質が感じられると言えなくもない。

 

 さて、これを受けて私の見解だが、正直に言えばまだ役所の回答を信じてはいないということになる。

 厳しい言い方になるかもしれないが、責任者の正式文書とは言え「文言では謝罪、反省の態度は何とでも表現できる」のである。肝心なのは、実際に窓口の担当者の意識・態度が変わるかどうかだ

 

 今回の市役所からの資料は、当事者である知り合いにも当然ながらメール転送している。本人には「市役所に行く機会があったら、障害福祉課の窓口で担当者の態度を確認してきてほしい」と伝えてある。

 

 おそらく近い将来障がい者手帳の申請をするだろうから、市役所の窓口には出向くことになるだろう。

 東久留米市役所から届いた文書の末尾にある今回のご指摘を踏まえ、より丁寧な対応を行ってまいります」という言葉が本物かどうかは、知り合いからの報告を待って判断したい

 

 その報告の内容が、東久留米市と言う自治体の、現場レベルを含めた本当の「障がい者に向き合う」体質・本質を示してくれるはずだ。