如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

都市部での車の降雪対策、オールシーズンタイヤという選択も

アルミホイール付きで4本合計で5万円未満で購入可能

 

 かつて「全天候型タイヤ」と呼ばれた「オールシーズンタイヤ」が、再び注目されている――この書き出しで始まる記事「オールシーズンタイヤ、相次ぎ新製品 ノーマル・スタッドレスとの性能の差は?」が14日のニュースサイトJ-CASTに掲載された。

 

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 記事によれば、外国系のタイヤメーカー製が占めていたこの市場に、今冬からトーヨータイヤ、住友ゴム工業、横浜ゴムの国内大手3社が参入した、とのこと。

 私の限られた知識では、オールシーズンタイヤは欧州で発売される車には標準装備されることが多いため、日本で販売されるタイヤも仏ミシュランや伊ピレリといった欧州系メーカーのタイヤしか店頭では見かけたことがない。

 

 オールシーズンタイヤについて念のため確認しておくと、通常標準装備されている夏タイヤの場合、積雪があったらチェーンを付けるしか手はないが、オールシーズンタイヤであれば、降雪時の路面状態がシャーベットや圧雪路でも走行可能で、高速道路で降雪時に規制される「高速道路冬用タイヤ規制」の場合でも、そのままチェーンなしで走行できる

 

 都市部で年に1、2回しか降雪がなく、積もっても数センチ程度のエリアなら、取り外しに面倒な手間のかかる金属・非金属のチェーンや、専用のスタッドレスタイヤを履くよりも利便性は高い。

 ただし、凍結した路面には対応していないうえ、「全車チェーン規制」となった場合は、チェーンが必要。これはスタッドレスタイヤでも同じだ。

 

 ちなみに私が住んでいるのは東京近郊だが、ここ10年の間に東京で10cm以上の大雪が降ったのは2014年(27cm)と2018年(23cm)の2回だけ。

 近くに歩いて往復できるまでの距離に食品スーパーはないので、以前は積雪の都度、非金属性のチェーンを購入して対応していたが、どのチェーンも「取り付け簡単」を売り文句にしているほど実際には「簡単」ではないうえ、走行中の振動が非常に大きく不快だったので、一昨年オールシーズンタイヤに買い替えた。

 

 それまで履いていた夏タイヤが7年ぐらい経過して、そろそろ買い替え時期だったことと、オートバックスで商品を見ていたら、アルミホイール付きで4本合計で5万円未満だったので即決した。

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オートバックスのWebサイトから

 タイヤは台湾のMAXXISというあまり耳にしないメーカー製だったが、積雪・泥道に対応する「M+S」表示と、冬タイヤ機能を示す「スノーフレーク」マークが付いていることが安心材料になった。

 

 ちなみに幸いなのか、降雪はまだ購入後に経験していないので機能面の評価はできないが、多少の雪が降ってもそのまま走行できるという「安心感」はある。昨今の異常気象を見ると、この冬に東京で積雪があっても不思議ではない。

 

 ということで「イザという時のためのチェーン」を用意し、取り付ける手間から解放されたのはありがたかったのだが、想定外の欠点もあったことは正直に伝えておきたい。

 それは「高速走行時のロードノイズが大きい」ことだ。夏タイヤに比べて時速100kmのノイズ音は50%アップぐらい大きくなる。もっと具体的に言えば、今まで聞けていたカーステレオの音楽が「そのままの音量では全然聞こえない」レベルだ。

 

 高速以外の通常の市街地や郊外を走る速度では、それほどロードノイズは聞こえないし、運転感覚やブレーキ性能にもこれといった違いは判らなかった。

 

 チェーンの場合、降雪が見込まれると、カー用品店のチェーンが一斉に売り切れるということが珍しくない。オールシーズンタイヤにもこの傾向があるかもしれない。

 

 ということで、都市部のクルマ所有者の誰にでもお勧めする訳ではないが、チェーン装着の手間を省きたくて、高速道路走行時のノイズが気にならないなら一考の余地はあると思う。

 もし購入を決めたのであれば、適合するサイズのタイヤが売り切れる前の履き替えを勧めたい。