如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

「強制転勤」を続ける会社は人材難に将来直面する

不都合だらけ「強制転勤」はこうして撲滅できる(東洋経済オンライン)

横山 由希路 : フリーランスライター・編集者

 

 「転勤」というと、いわゆる「栄転」「左遷」というイメージのほかに、「志願」「強制」という側面があると思うのだが、918日付けの東洋経済オンラインに掲載されたのは、このうち「強制」転勤の影響と企業の対応について書かれた「不都合だらけ『強制転勤』はこうして撲滅できる」というタイトルの記事だった。

 

 基本的なスタンスは強制転勤によって、共稼ぎや単身赴任の場合、仕事や育児で様々な問題が生じる、ということだ。

 記事にあるように、共稼ぎの場合、夫が転勤する場合に妻・家族が帯同すれば仕事を辞めるというのが現在ではまだ一般的だし、現地での仕事には就労ビザの問題がある。単身赴任となれば、家事・育児はすべて妻の負担になってしまう。

 

 確かに、共稼ぎ世帯の方が専業主婦世帯を上回っている現状では、「収入の減少」「妻の家事等の負荷増加」はつらいものがある。子育て世代では住宅ローンの返済もあるだろうし、夫婦で分担していた家事・育児が妻一人で対応するのでは、生活に余裕がなくなるのは確実だ。

 

 この大きな負荷の要因として、記事では「労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査によると、国内転勤で赴任1週間前、海外でも赴任1カ月前の辞令がザラ」という調査結果を紹介している。

 これは個人的な見方だが、特に金融機関の場合「赴任通知」が一週間前というのには事情がある。あまり表ざたにはなっていないが、顧客との間で金銭的に不適切な関係があった場合に備えて、社員がその取引の隠ぺいにかける時間をなくすという意図があるという話を、当事者から聞いたことがある。

 ちなみに、同機構のレポート「企業における転勤の実態に関するヒアリング調査」によれば、ある金融業では転勤の内示が赴任「当日」という事例もある(p29)。

  一般的な転勤者にとっては迷惑な話だが、こういう事情があることも指摘しておきたい。

 

 記事中ごろからは、(他社に勤める夫の強制転勤)への対策として、サイボウズで最近はやっているという女性の「リモートワーク」の事例を紹介してる。具体的にはイタリアのナポリで仕事をする女性なのだが、これは同社が24時間クラウドサービスを提供するという事業を手掛けていることも影響しているはずだ。

 

 まだこういった事例は少ないだろうが、夫婦共稼ぎ世帯が今後も増加傾向にあることを考えれば、将来の結婚を考える新卒、強制転勤の可能性に怯える世帯などは、待遇を重視して会社を選別する傾向が強まるだろう。

 終身雇用制度の崩壊、転職への抵抗感の低下、仕事とプライベートの両立などで、自分や家庭をより重視する若い世代は増えている。

 

 しかもカネカの事例のように、転勤に伴う不都合な関係がSNSで拡散するようになり、今まで表に出てこなかった会社側の対応が、世間に広く認識されるようになった。「悪い」評判が広まれば、「良い」人材が集まらなくなるのは言うまでもないだろう。

 

 この問題でカギとなるのは会社の人財部門及びそれを統括する経営陣の意識だろう。現場の若い世代には当然危機意識はあるだろうが、経営者の意識が変わらなければ「強制転勤」問題は解決に向けて進展しない。「業務命令なのだから転勤に従うのは当たり前」という前時代的な意識では、社員は納得しなくなりつつある。

 

 有名大企業の一部はその知名度と社会的ステイタスから危機感が薄いかもしれないが、多くの新卒の卒望動機はすでに「会社名という他者の評価」よりも「自分の価値観によるスキルと生活の向上」に変化してきている。人材の流動化も加速するのは間違いないはずだ。

 

 もう数年もすれば、「リモートワーク」「サテライトオフィス」「個人事業主契約」といったスタイルは一般化しているだろう。

 その観点から見れば、組織が硬直化しておらず、経営陣の考え方も柔軟な社歴の若い中小企業の方が、対応力という点では有利かもしれない。

パナソニック、超売れ筋の液晶4Kテレビを半年で販売中止

モデルチェンジで好調な販売を加速か? 

 

 売れ行きが好調な4Kチューナー内蔵型テレビ市場で、抜群の売り上げを誇っていたパナソニックの最新型液晶テレビが、発売から半年余りで突然販売中止となった。

 

 その機種は「TH-49GX850」。他の画面サイズも含めて、すでにメーカーのWebサイトでは生産完了商品となっている。このテレビ、4Kチューナー内蔵のほかに、AI機能の搭載や、転倒防止スタンドなどが評価されて、調査会社BCNの8月26日から9月1日までの実売台数ランキングでは第1位だったほどの超人気の機種。雑誌「家電批評」などでも高評価だった記憶がある。

 

 実は自宅の、今観ているパナソニックのプラズマテレビが壊れかけているので、1月の発売当初からこの機種の価格変動をウォッチしてきたのだが、当初20万円台だった価格は5月以降急速に下がり始め、6月には一時12万円台まで下落した。その後やや価格は持ち直したものの、8月末には家電量販店のWebサイトでは「取り扱い中止」「生産完了」などの文字が出始め、9月に入ってカタログからも消えたというのが、これまでの経緯だ。

 

 ネットでは、「生産予定分を販売し終えただけ」とか「モデルチェンジがあるのでは」といった噂が流れているが、真相は不明。10月には新型機を発売するという予想も流れている。

 

 これらの話をまとめて類推すると、パナソニックのTH-49GX850は市場では高評価だったが、4Kチューナーが1つで裏撮りができない(他社は2チューナー内蔵)。売れ行きが好調なうちにマイナーチェンジして仕様を強化し、ライバルと同機能でさらに販売を伸ばす、というメーカー側の意図があるのではないかと思う。

 

 でなければ、売れ行き絶好調のモデルを半年やそこらで販売中止にするメリットがない。ちなみに現在は市場の残っている在庫品が14万円台で出回っているが、新機種の登場を考えると、ここは待った方が得策だろう。

 

 もうひとつ気になるのが、次世代の4Kテレビ「有機EL」の動向だ。パナソニックのカタログを見れば、有機ELへの製品シフトを狙っているのは一目瞭然で、液晶は隅に追いやられている。キャンペーンの2万円キャッシュバックも「有機EL」の最上位機種のみだ。

 

 確かに店頭で同じパナソニックでも有機EKと液晶を並べて比較すると、「黒色」の表現力は全然違う。しかも一番安いモデル「TH-55GZ1000」なら23万円台なので、先の液晶モデルと10万円程度の差しかない。

ただ、55型以上の製品しかないことと、パネルの生産が韓国LG1社独占というのは昨今の日韓対立問題を考えると不安要因ではある。長期の利用で「画面が焼き付く」という問題も解決されたとは言えない状況らしい。

 それでも有機ELは、感覚的には液晶以上のスピードで、価格下落が進んでおり、価格差がさらに縮まれば、画質では圧倒的に優れている有機ELの普及が進む可能性もある。

 

 昨年末にBS4K放送も始まり、今年はラグビーのワールドカップなどもあって4Kコンテンツも拡充傾向、さらに言えば、約10年前の家電エコポイント制度でテレビを買い替えた層のテレビが、そろそろ寿命を迎えつつあるということもあって、4Kテレビの普及度が加速するのは確実。

 実際に、4K放送を受信できるチューナー内蔵型の薄型テレビが、5月の販売実績では4K以上の解像度のテレビの構成比が初めて50%を突破して、52.1%になったそうだ。

 

 来年のオリンピック・パラリンピックに向けて、今年冬のボーナス、4月の新年度、6月の夏のボーナス商戦といった節目で、さらに4Kテレビの普及に弾みが付くとこは間違いないだろう。

 

 個人的には、10月に出ると予想されるパナソニックの液晶の新型機の価格が落ち着いてくる年明け頃の購入を検討しているが、有機ELテレビ製品が液晶にかなり近い水準まで下落すれば、選択は悩ましくなる。

 

 最後に、ここまで読まれた方は「何故そこまでパナソニックにこだわるのか」とう疑問を持たれるかと思う。特に東芝レグザの高級機の評判は総じて高い。

 これには理由があって、10年前にパナソニックのプラズマテレビと同時に同社のBDレコーダーを購入したのだが、子供がまだ小さくてリモコンが行方不明になることが頻繁にあった。

 リモコンなしでは操作できないので、対策として「テレビ」「ビデオ」の各純正リモコンを3つづつ計6個別途購入したのだ。当然ながら同じメーカーなら、チャンネル切り替えや音量調整などの基本機能は新機種でもそのまま使える。これが最大の理由である。

 もちろん「赤色」などの発色が鮮明で、Amazonプライムにも対応、リモコンが他社よりも大きくて使いやすいという利点もあるが。

 

 とにかく今は、10月と噂されるパナソニックの新製品に期待したい。

高齢者をターゲットにしたメルペイの戦略は奏功するか

メルペイが「巣鴨地蔵通り」を占拠した真意(東洋経済オンライン)

長瀧 菜摘 : 東洋経済 記者

 

 スマホ決済の大手「メルペイ」が、巣鴨という「おばあちゃんの原宿」として知られる商店街でシニア層向けのキャンペーンを展開しているという。この状況を紹介する記事「メルペイが『地蔵通り』を占拠した真意」が9月16日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

 メルペイは、これまでも原宿や高円寺で同様のキャンペーンを行ってきたが、シニア向けに限定するのは初めてだそうだ。初日には「メルカリ・メルペイ講座」を実施したようだが、参加者は7名に留まった。

 一見少ないようにも思えるが、メルカリが定期的に開催しているシニア向けの交流イベントの定員は20人とのことだから、普及率を考えれば「想定内」の人数かもしれない。

 

 もっともメルカリの本意は、スマホ決済「メルペイ」の普及というよりは、本業の「メルカリ」の普及を広めて、その結果メルペイが利用されるケースが増えればいい、と考えているようだ。

 

 記事によれば、メルカリの取扱高は2019年4~6月の平均で2.6割の増加だったが、50代以上の利用者は6割増と際立っている。フリマを使う高齢者は急速に増えており、それが今回の「シニア向け」キャンペーンに繋がった形だ。

 

 では、どのような商品を高齢者がメルカリで売買しているのかが気になるが、圧倒的に多いのが「生前整理」だという。

 確かに記事にもあるが、ブランド品や骨とう品、書籍などをリサイクルショップに持ち込んでも買取値は極めて低い。特に服飾品に至っては「グラム当たりいくら」の世界だ。私も経験があるが、持ち込んで超安値で買い取られた商品が、その数倍から十数倍の価格で売られているのを店頭で見て、二度とリサイクルショップは使わないことに決めている。

 店頭によくある「高値買取」の看板は虚偽表示だと、消費者庁に訴えたいぐらいだ。

  その観点から、メルカリがシニア層が生前整理で得た売上金を、メルペイで使ってくれれば、メルペイの普及にも繋がるというのはよく考えられたストーリーではある。

 

 以上を踏まえて個人的な見解を述べると、メルカリのシニア利用度は今後も高まるが、メルペイへの波及効果は限定的だと思う。

 

 その理由だが、まずフリマ市場では年代を問わず、買い手同士の「競り」を前提にした「ヤフオク」よりも、自分の売りたい価格で売りやすい「メルカリ」人気が集まっているのは事実。

 ただし、高齢者がメルカリの売上金を、街中の商店街でメルペイを使って支払うかは別問題だろう。

 

 最大のネックは、スマホ決済がQRコードを使ったシステムで、金額の入金⇒QRコードの読み取り⇒決済の確認と言う「手間」がかかることだ。

 

 ちなみに私は50代後半だが、スマホ決済を一切登録も利用もしていない。コンビニなどでの少額決済は、電子マネーSUICAやNANACOの方が、タッチひとつで圧倒的に便利だし、1000円を超える決済は、その店舗が会員向けに発行するクレジットカードを利用する。こちらも店員がカードを読み取り機にスッと通せば決済完了だ。加えて店舗のポイントも付与されることが大半だ。

 基本的にサインも確認も必要ない(本来レシートの確認はすべきなのだろうが)。しかも不正利用されたら被害はカード会社から保証される安心感もある。

 

 あくまで「慣れ」の問題という意見もあるだろうが、「カードでピ!」で即時完了と、「アプリ起動⇒金額確認⇒決済処理」とでは、利便性に大きな格差があるのは事実。

 

 特に高齢者は「気が短い」「端末の操作に不慣れ」「新しいモノに消極的」という傾向が無きにしも非ずで、自分の好きな時間に自分のペースで利用できる「メルカリ」と、後ろで待っている客の視線を気にしながら手間のかかる「メルペイ」では、普及するスピードの差が相当大きいはずだ。

 

 政府もキャッシュレス化を推進する立場だが、その選択肢はQRコード決済だけではないし、期間限定ながら電子マネーなどにもポイントは付く。

 

 結果はまだ見通せないが、「メルカリ」はシニア層がけん引役となって成長するも、「メルペイ」は競合他社の多さもあって、メルカリほどの普及は見込めないのではないだろうか。

コンビニATMの成長に限界か――セブン銀は新型機を導入するも

セブン銀「オワコンではない」新型ATMの勝算(東洋経済オンライン)

藤原 宏成 : 東洋経済 記者

 

 個人的にはコンビニのATMは結構利用する機会が多い。言うまでもなく、銀行の営業時間外やATM専用店舗が閉まっていても利用できるためだ。

 ただ政府のキャッシュレス化の推進などもあって、現金への需要が減りつつあるのも事実。

 こうしたなか、ゆうちょ銀行に次ぐATM台数を保有するセブン銀行が新型ATMで勝負に出たことを紹介する記事「セブン銀『オワコンではない』新型ATMの勝算」が9月15日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

 記事によれば、世界トップレベルの顔認証機能や本人確認書類を読み取るスキャナー機能などを搭載し、現金の入出金以外のサービスにも対応できるのが特徴で、2024年までにすべてのATMを置き換える予定だ。

 

 セブン銀行の社長は「『ATMはオワコン』という声も聞こえてくる。しかし、ATMも進化する」と力説しているが、個人的な感想を言えば、ATMの機能が「進化」しても、利用度は「退化」するのではないかと危惧している。

 

 その理由だが、最大の要因はやはり「キャッシュレス社会の進展」。セブン銀行は、メガバンクや地方銀行などのATM維持費用軽減へのニーズを取り込んで成長、加えて、セブンイレブンの日々の売り上げをATMに入金させ、店舗及び本部の売上金管理の手間とコストを軽減することで、これまで順調に成長してきた。

 

 この成長の根本にあるのが「現金」へのニーズだ。この現金の利用度がキャッシュレス化で下がるのだから、ATMとしては逆境にあるのは間違いない。

 記事でも最後に南都銀行の店舗外ATMの運営受注を紹介しているが、ATM事業の生き残りの最大の方策は、こうした自行で管理しきれない地銀などの「ATMの運営受注」に頼らざるを得ないのが実態ではないだろうか。

 

 その「現金」を前提としたATM受注ビジネスも、今後地銀の合併等による銀行数の減少などで将来の見通しは甘くないはずだ。しかも今後は同業のローソンもATM事業に参入、さらに環境は厳しくなる。

 

 しかももとはと言えば、親会社のセブン-イレブン・ジャパンは、スマホ決済「7pay」の不祥事でケチが付いたとはいえ、電子マネーnanacoでキャッシュレス化を推進してきたコンビニの第一人者でもある。

 今回の7payの撤退を受けて、セブン-イレブン・ジャパンは急遽、nanacoの利用で取得できるポイントを、9月30日までの期間限定ながら、7月以前まで(100円で1ポイント)と実質的に同様の200円で2ポイントに還元率を戻している。7payの失敗で顧客が離散する可能性のあるnanacoへの繋ぎ止め策と考えれば、この期間は延長される可能性もあるだろう。

 また、あまり知られていないが、イトーヨーカ堂などグループ店舗での利用を前提としたnanacoと「一体化」や「紐づけ」が可能なクレジットカード「セブンカード・プラス」の年会費が最近無料になったのも、この一環だろう。新規加入のキャンペーン得点も盛りだくさんだ。

 

 つまり、セブン銀行を含むグループ全体を束ねるセブン&アイ・ホールディングスとしては、「脱現金化」の流れは避けられないものして、対応を進めているのだ。

 

 もうひとつの懸念材料は、顔認証機能を利用した新型ATMの利用価値。記事では、顔認証を活用した口座開設や、クーポンの配信などを計画しているようだが、セブンイレブンにはすでに、住民票や各種チケットの発行が可能な「マルチコピー機」が設置されており、個人的にも利用している。

 

 顔認証機能をより生かすというなら、「現金」利用を前提にしたATMよりも、マルチコピー機を「キャッシュレス化」対応の一環として取り込んだ方が効率的ではないだろうか。

 

 顔認証機能による口座開設には、「ペーパーレス」効果ぐらいしか期待できないし、そもそも今では銀行も証券も、顔写真や証明書類をスマホで撮って添付すれば、インターネットでも口座開設はできる。

 

 よくわからない新機能が「ヘルスケアサービス」だが、おそらく遠隔医療サービスの拡充を見込んで、現在のスマホのカメラでは不可能な「高度な画像分析技術」を生かしたサービスなのだろうが、想定される顧客はおそらく「高齢者」。

 そうそう頻繁にコンビニにいくとは思えないし、医師との会話もない「デジタルな」医療関連サービスがどこまでなじむか疑問もある。

 

 とは言え、メガバンクを中心に金融機関のATMの縮小は不可避な一方で、顧客の利便性を考えるとセブンATMへのニーズが当面根強いのも確かではある。

 新型ATMの機能がどれほどのものかはまだ見通せないが、世の中全体の「現金」縮小の流れを押しとどめるまでの効果がある、とまでは考えにくい。

 

 2015年には661円の高値を付けたセブン銀行の株価が、その後低迷を続け現在は半分以下の300円を割り込んでいるのは、ATM事業の将来性を暗示しているようにも見える。

ネット世代向けに「変貌」する結婚相談所に人気

20代の「結婚相談所」利用がじわり増える背景(東洋経済オンライン)

桜井 まり恵 : 恋愛・婚活アドバイザー

 

 結婚相談所というと、中高年世代にとっては「お見合いや社内恋愛で相手を見つけられずに至った最後の手段」的なイメージが強いのだが、若い世代には今「変貌した結婚相談所」がじわりと人気を集めている――こんな最近のネット世代の結婚事情を解説する記事「20代の『結婚相談所』利用がじわり増える背景」が914日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

 記事では婚活サービスを、利用者の割合の多い順に「ネット系婚活サービス」、次いで「婚活パーティー・イベント」、最後は「結婚相談所」と分類、特にSNSでのコミュ―ケーションに長けた20代、30台に「ネット系」が人気であると分析している。とまあ、ここまでは合点の行く内容で、ごく自然な話の流れだ。

 

 今回の注目点は、「結婚相談所に入会する20代の割合がここ数年でじわりと高まっていること」だ。記事によれば「ゼクシィ縁結びエージェントの20代の会員割合は、2015年の20.7%から2018年には25.9%へ増加」しているという。

 

 その理由として記事では、これまで会員の希望に沿った「相手を探す」ことが、相談所の担当者の仕事だったのが、現在はオンラインで自ら探せるようになり、これまでの「受け」だけから「攻め」も可能になったことなどを挙げている。

 

 このように、ネット世代の行動に適応する新しいシステムと、従来からある「独身証明書の提出が義務付け」という安心感がマッチして、若い世代の会員獲得につながっているようだ。記事によれば「担当相談員はジムトレーナーのように隣で伴走してくれる存在」だという。

 

 確かに「平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書」によれば「将来の結婚意向」で、将来結婚したいと考える20代、30代の比率は77.7%と高い(P37)。彼ら彼女らに受け入れられるサービスを提供すれば、会員は今後も増えるだろう。

 ただし、報告書では、20代女性の「結婚したい」比率が86%と高い一方で、30代男性は65.8%と実に20ポイント以上の差がある。

 

 特に30代男性は「すぐにでも結婚したい」は4.8%と性別、年代別では最低、一方「結婚するつもりはない」は12.6%とこちらは最高水準だ。年代的には「あきらめの境地」に達するには早すぎるし、時代に合わせて「変貌した」結婚相談所の認知度が男性の間で高まれば、この傾向が変化するかもしれない。

 

 個人的には、この記事と合わせて読んでほしいのが、同じく東洋経済オンラインの9月6日に掲載された「詐欺まがいの婚活に疲れ果てた男性の一大転機」だ。

 

 こちらは民間の婚活サービスに対して、過去の経験などから「しょせん営利目的でしょ」という警戒感から加入しなかった男性が、自治体の提供する「婚活サービス」に加入し、見事伴侶を獲得するという内容だ。

 

 民間の結婚相談所が、ネット世代の行動体系に合わせて、自分の希望する条件に合った相手を積極的に見つけられるように「変化」しつつあるのに対して、自治体のサービスは「加入する段階で身の程をわきまえない要求をする人には紹介はしない」という条件を「変えない」。

 

 これは、どちらが正しいという問題ではなく、利用する側が「自由度」を優先するか、「確実性」を志向するかの違いだろう。

 

 その点から考えると、婚活サービスは先の3つではなく、結婚相談所を「民間企業」「自治体」に分けた合計4種類に分類した方がいいのかもしれない。

 

 結婚したい若い世代が77%もいる以上、ニーズにあったサービスを提供すれば「成婚」の可能性は高まる。

 AIの活用や5Gなどネット環境のさらなる向上で、近い将来に第5、第6の婚活サービスが実現している可能性は十分にある。

 

 相対的な結婚志向の低い30代男性には、「あきらめるにはまだ早い」と言いたい。

最下位は月収21万円、年収300万円未満が11社も

40歳年収「全国ワースト500社」最新ランキング(東洋経済オンライン)

東洋経済オンライン編集部

 

11日に「最新!40歳年収」が高い500社全国ランキング」を組んだから、そのうち逆の「低い」ランキングも特集号するのではと考えていたら、やはり東洋経済は期待を裏切らなかった。

 13日付けの東洋経済オンラインに「40歳年収「全国ワースト500社」最新ランキング」が掲載された。

 

 集計対象となった企業の数は前回と同じ3227社で変わらないため、平均値も603万円と同じ。

 今回の記事で、注目したのはランキングの順位は当然だが、前回の「高い」企業バージョンと異なり、ランキング上位の会社の実名を挙げて記事化していないこと。

 

 記事の最後に「利益率の高くない事業を手掛けていたり、業績が苦しかったりと給料が高くない事情は、各社それぞれだ」としており、会社への配慮もあるのだろうが、想像するに最も懸念したのは、低い年収が広く世間に伝わることで、会社の評判が失墜し、経営危機の引き金になることを危惧したためだと思われる。

 

 東洋経済は「経済誌」が要であり、帝国データバンクのような「信用調査」が本業ではないことから考えても、無用なトラブルを避けるという意味では、数値データのみを提供して、その見方は読者に任せるというのは妥当な判断だと思う。

 

 とは言え、読者からすればランク上位の会社が気になるのは確か。ここはあくまで個人的な感想として、ランキングを評価してみたい。

 

 まず驚いたのが、年収(40歳推計)が300万円未満の企業が11社もランクインしていること。トップのトスネット257万円、月額換算では21.4万円だ。これでは日給1万のアルバイトを月に20日やるのと変わらない(社会保険などの負担は考慮しない)。

 このトスネットだが、本業は東北地区での警備事業。単体と連結の売上高(平成309月期)はそれぞれ約12億円と103億円だが、従業員数(平成30930日現在)で割ると一人当たりの売上高は各285万円と325万円になる。

  これはあくまで「売上高」だから各種経費を引いて、平均257万円の年収を支払っているのだから、経営としては立派とも言えるのかもしれない。

 

 第二位は、日本パレットプール。パレットとは倉庫での荷物輸送の際に荷物の下に置いてフォークリフトで運ぶためのプラスティックの板なのだが、これを必要な物流施設などに貸し出すのがメイン事業だ。

 業績面では意外と堅実で20123月期以降、2019年3月期まで8期連続で最終利益を確保し、配当も実施、今期は増収減益ながら配当額は維持する見通し。

 この業績から見る限り、ワースト2位の給与しか払えないような会社には見えないのだが、何か事情があるのだろうか。ちなみに株価は1800円台だが、予想利回りは3.76%もある。ただ、売買高が極端に少ないので、換金性は弱いかもしれない。

 

 第三位はカワサキ。大阪の服飾事業をメインとする会社だが、売り上げは20億円程度、社員数は連結でも104人と小規模な会社だ。

 気になるのは、Webサイトの事業紹介には、メインの服飾事業のほかに賃貸・倉庫事業の2つが掲載されているのだが、ニュースリリースを見ると補完的な事業と思われる「太陽光発電」関連のニュースで埋め尽くされている。今年に入ってからでは13本中9本が太陽光発電の「お知らせ」だ。

 新規事業に傾注するなら、きちんと事業紹介すべきだと思うのだが、「株主・投資家の皆様へ」の社長メッセージにも「太陽光発電」の「た」の字もない。

 Webサイト全体を見ても、どうにも「やらされている感」が強く、会社に「勢い」が感じられない。ついでに言えば、人材の採用活動は一切行っていないようだ。

 

 まあ、以下の企業も傾向は似たような状況のはずなので、この辺でやめておくが、注目したいのは第4位の太平洋興発

 創業1920年の歴史ある会社なのだが、何と平均年齢が58歳だ。従業員数は会社サイトによれば246名(2019331日現在)だから、60歳以上の社員がかなりの人数で存在することになる。求人募集もしていないので、このままだと2年後には社員の平均年齢が60歳の「還暦」という、聞いたことのない超高齢社員の東証一部上場企業が誕生することになる。

 

 以上、ランキングを個人的かつ主観的に解説してみたが、傾向としてはっきりしているのは、当然ながら「時代に取り残された事業を手掛けている」企業が多いことだ。具体的には、昔からの繊維、地方百貨店などだ。

 比較的社歴の長い会社が多いのも特徴で、創業時代から手掛ける事業が細りつつも何とか利益を出してきたうえ、社員数も少ないので人件費負担も少なく、現在まで生き残れたというパターンが多いように感じた。

 

 これらの企業が現状のまま大変身する可能性は低いが、第11位の堀田丸正のように、急成長したRIZAPグループに編入されるという「事件」が起きる可能性もある。親会社の意向次第で会社が様変わりする可能性もなくなくはない。

 過去にも、石綿のセメント管財を手掛けていた日本エタニットパイプという東証上場企業が、ミサワホームに買収されて、ミサワリゾートに社名を変更、ゴルフ場などのリゾート開発会社に事業転向した例もある。現在はミサワグループから離れ、会社名リソルとして東証一部に上場している。

 

 ただ、こういう企業は例外中の例外。次回のランキングでも大きな傾向は変わらないだろう。

「働き方改革」ならぬ「休み方改革」のススメ

「社員が休まない会社」が抱える根本的な問題(東洋経済オンライン)

岡本 祥治 : みらいワークス社長

 

 政府主導の「働き方改革」が注目され、認知度と普及が進む中、経営者視点から見た「休み方改革」のアドバイスを解説する記事「『社員が休まない会社』が抱える根本的な問題」が912日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

 著者は、新卒でコンサルティング会社に就職、その後ベンチャー企業に転職、独立して会社を立ち上げている。

 休暇の取り方も、一定期間集中して働いてその後長期休暇というパターンから、常に朝から夜中まで働くというスタイルになったが、社員の規模が15人ほどになった段階で、家族を持つ社員もいることで休暇取得の重要性を再認識したようだ。

 

 この会社でも年末年始やお盆の休暇推奨や「ノー残業デー」などを設定したが、どこ会社でもあるように「休暇よりも仕事を優先したい」という人はいて、強制的な休暇取得に反発を感じる人もいるようだ。

 

 特に若い世代を中心に、仕事を自分で回せて、結果が評価される面白みを実感できるようになると、休みを取りたいとは思わなくなるし、休んでも結局自宅で仕事をしてしまうので、休暇の意味がなくなる。これは自分の経験だが、20代の半ばころにはタイムカード上は「有給休暇」として、実際は会社にきて仕事をしていたこともあったので、彼らの気持ちは理解できる。

 

 ただ長い目で見ると、仕事一筋で長い期間務めていると、休む習慣が薄れて肉体的、精神的に悪影響が出ないとも限らないし、何より「仕事」と「休暇」の区別というメリハリを付けることは、長い会社務めではとても重要になると思う。

 特に新しいアイディアや企画などは、仕事に集中している時よりも、休暇中にのんびりと別なことをやっている時に、ふと思いつくことが多いというのが実感だ。

 

 記事では、「休みを取りたがらない理由には、『他人に迷惑をかける』『自分がいないと仕事が回らない』などがあるようだ。しかし、実際はそんなことはない」としているが、その通りである。

 自分がいないと仕事が回らないなどというのは、「自信過剰」に過ぎない。仮に支障が生じるのであれば、それは経営側の組織運営のミスである。

 

 結論は記事にもあるが、価値観の多様化で「テレワーク」「正規・非正規の格差解消」「個人事事業主の増加」など働き方改革が進む中で、休み方も「まとめて長期」「毎月一定の期日」のように「強制ではなく、自ら選択する」という多様化が進むのだろう。

 

 個人的に以前から言っているのだが、小中学校の「出席扱いの休暇制度」を導入すれば、家族旅行が夏休みと年末年始に集中することも少なくなり、この時期渋滞する高速道路や高騰する交通・宿泊費用も安くなるはずだ。

 観光施設側にとっても、混雑が解消されるし、顧客が年間を通じて平準化するメリットがある。

 文部科学省は「義務教育」を盾に猛反対しそうだが、年間に数日休んだところで、どれほど教育に悪影響があるのか。官邸主導でどうにか実現してほしい。

 

 「働き方改革」と「休み方改革」は表裏一体の関係にある。現在は「働き方」に関心が集中しているが、「休み方」にももっと注目が集まってもいいはずだ。

 折しも11日の内閣改造で環境大臣に就任した小泉進次郎氏は、年明けに「育児休暇」を取得するとの報道もされている。

 このように政府のトップが率先して、休暇を積極的に取得することで、民間への波及効果が出てくるのであれば、ぜひとも歓迎したい。

財閥系不動産でも「年収格差」は凄まじい――住友不はランク外

最新!「40歳年収」が高い500社全国ランキング(東洋経済オンライン)

東洋経済オンライン編集部

 

上場企業を対象に各社の40歳社員の平均年収をランキングした記事「最新!40歳年収』が高い500社全国ランキング」が掲載された。

 

 40歳と言えば、仕事も自分の進め方を生かして活躍、大企業であっても役職にはついていてもおかしくない年代だが、バブル期の大量採用組が上につかえているうえ、最近は45歳を対象とするリストラも増えており、微妙な年次でもある。

 

 さて、ランキングの結果をみて、気づいた点をいくつか挙げたい。

 まず最大の特徴は、M&Aを手掛ける企業群だ。1位のM&Aキャピタルパートナーズ(40歳推計年収2920万円)をはじめ、5社がベスト10にランクインしている。

 

 これは案件を成功させることによる報酬が多額なため、担当した社員に支払われる「成功報酬」の占める比率が高いためだろう。

 しかもあくまで「平均」なので、3000万円以上受け取っている社員も少なくないと思われる。きわめて「実力主義」の会社なのだろう。

 

 確かに年収ベースでみれば、うらやましい限りだが、その仕事の実態は「想像を絶する」厳しいモノではなかろうか。儲かるビジネスなので大手、中小が入り乱れて激しい競争をしているはずで、様々な案件を手掛けながら、そうした努力が報いられるケースの方が当然少ないと思う。

 

 ただ業種としてみれば、中小企業を中心とする後継者不在問題は今後さらに高まるのは確実なので、M&A需要が高まるのは確実。成長産業のひとつとは言えそうだ。

 

 次に注目したのは、「総合商社」。昔から給与が高いのは有名で、三井物産などは海外赴任すれば「帰国したら家が建つ」などと言われていた。今回のランキングでも、上位15位までに大手5社がランクインしている。

 

 ただこちらは、先のM&A関連企業と違って、いまだにある程度の年功序列型の賃金制度が維持されているはずで、手掛けた仕事の成果が評価されることはあっても、それは「年収」ではなく「出世」に対してだろう。

 終身雇用も年功序列も制度面では解消される方向にはあると思うが、とりあえず「有名企業」「安定志向」の人には、いまだに魅力的な会社だと思う。

 

 さて、今回のランキングで最も興味深かったのが「財閥系の3つの不動産会社」の年収だ。

 実際に数値を見てみると、16位に三井不動産(1247万円)、18位に三菱地所(1221万円)と上位にランクインしているのに対して、マンション販売では最大手の住友不動産は上位500社のランキングに入っていない。

 ちなみにランキングの最下位(494位)の会社の年収は723万円なので、それ以下ということになる。

 

 気になったので調べてみたら、手元の日経会社情報によれば、住友不動産の平均年収は661万円だった。記事によれば今回のランキングの対象企業全体の単純平均は603万円ということだから、かなりこの「平均」に近い。

 

 会社に問い合わせたわけではないので、どのような理由でこの格差が生じるのかは不明だが、ネットの会社情報投稿サイト「カイシャの評判」によれば、住友不動産は「何歳になっても年俸一律300万円+高歩合率のインセンティブ」とのコメントが散見されたので、こういった基本給の低さが影響している可能性はある。

 

 住友不動産と言えば、全国、首都圏で分譲マンションの供給戸数は5年連続で日本一、その強力な販売力には定評がある。当然ながらそこで働く社員の労働環境も厳しいものがあるはずだ。

 同社は、新築マンションの販売で値引きしないことで有名だが、こうして高い利益率を確保する一方で、社員の年収を低くしてコスト抑えるというのは、利益を追求する「企業」としては株式市場で評価されるだろうが、社員をできるだけ効率的に安く使うというのは新卒の「就職先」としては、どうなのだろうか。

 

 昨今のように再規模な都市、マンション開発で大手不動産(デベロッパー)の仕事に魅力を感じる就職希望の学生も多いとは思うが、同じ「財閥系」でも、その待遇には大きな格差があることを知っておくべきだろう。

改めて問われる「社内失業者」の処遇

日本で「社内失業者」が増え続けている根本理由(東洋経済オンライン)

鳥潟 幸志 : グロービス・デジタル・プラットフォーム プロダクトリーダ

 

 「社内失業者」と呼ばれる正社員でありながら仕事がない状態の労働者の「傾向と対策」について解説する記事「日本で『社内失業者』が増え続けている根本理由」が9月10日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

 かつては「窓際族」と呼ばれ、「部付部長」とか「シニア何たら」といった肩書で、部下も仕事もない名目だけの管理職は昔から存在したが、記事によれば2025年には500万人に達するそうで、改めてその存在と対策が重要になっているようだ。

 

 世の中の状況を見てみると、確かに「社内失業者」は増えている感はあるこの理由として希望者には65歳までの雇用が義務付けられた結果、多くの定年退職者が再雇用制度を利用して、同じ会社に留まっているものの、「役職」「部下」「権限」ははく奪されて、与えられた仕事へのモチベーションを喪失しているパターンが多いように思える。50代半ばで大半の社員がなる「役職定年」もこれに含まれる。

 

 記事のキモは後半部分の2つで、一つ目は「会社側」が、終身雇用制度の崩壊を前提に社員に自己啓発を促す意図から「異動によるキャリア発展の機会を作り、キャリアパスを考える機会を与えること」というもの。

 二つ目は、「個人の側」が、自分の人生を考えるうえで「市場環境や自分の相対的な能力を把握すること」だ。また、会社以外のコミュニティへの参加も推奨している。

 

 また、「営業、企画、オペレーション、どんな職種に就いていようと通用する汎用的なビジネススキル」の取得も推奨しているが、別の職場に長くいた人には、人間関係や創意工夫などのスキルが求められるこれらの職種への展開は、年齢的にも困難だろう。

 外部コミュニティへの参加も意図は分かるが、メンバーが50代の似たような経歴の持ち主ばかりだと、刺激は少ないし、結局「名刺交換会」で終わってしまうことも多いのではないか。

 

 とまあ、「社内失業者」問題に関する分析は、普通はここで終わってしまうのだが、この記事は最後に「実践的かつ具体的」なアドバイスをしている。

 それは「今やっている目の前の決まりきったオペレーションを“少しだけ”変えてみる」ということだ。「社内メールの文章スタイルを変える」といった小さい変化の積み重ねが、やがてモチベーションを変える契機になる、というアドバイスは「社内失業者」にとって実行するためのハードルは低いので、とりあえず行動する価値はあると思う。

 

 記事を読んだ感想としては、社内失業者の立場で満足している人は別にして、不完全燃焼やモヤモヤといった感情に悩んでいる人は、「人生の後半戦をどうやって生き延びるか」といった大上段に構えて悩むよりも、「まずはできる範囲の一歩から」という気持ちで取り組んだ方が気は楽だし、時間はかかっても納得のいく「結論」が導き出せるような気がする。

日韓の対立問題は、年内に解決する――韓国の白旗で

 日本と韓国との関係が戦後最悪と言われて久しいが、この騒ぎも年内に収束すると思われる。それも「韓国の白旗」という形で。

 

 そもそもの問題の発端は徴用工訴訟だが、その後も韓国の嫌がらせが続き、堪忍袋の緒が切れた日本が、輸出管理の厳格化(輸出3品目の管理やホワイト国認定解除)を実行したというのが経緯。

 

 いままで日本には「何を言っても」「何を要求しても」問題ない、と考えてきた韓国の狼狽ぶりは明らかで、米国など国際社会にまで訴えてホワイト国認定の解除を回避しようとしたが、すでに遅きに失した。

 経済産業省が実施したパブリックコメントでは、意見の95%がホワイト国認定解除に賛成している。

 

 こうした流れに韓国は、「経済問題」から「軍事問題」へと、お得意の「テーマずらし」作戦を展開。軍事情報に関する包括的保全協定(GSOMIA)を俎上に上げて揺さぶりをかけてきた。

 

 結果として、米国の期間延長要請を袖にする形で、2019年8月23日、韓国が日韓GSOMIAを延長せず破棄を決定、11月23日午前0時に効力を失うこととなった。

 

 もっとも、北朝鮮内部の危険な軍事行動を察知する人工衛星の情報収集能力は、韓国よりも日本のほうがずっと高いようで、GSOMIAによるメリットは韓国の側の方が大きかった。

 

 その事実に気づいたのかどうかは分からないが、最近になって韓国は、韓国国防部の朴宰民(パク・ジェミン)次官が、「日本が貿易規制措置を再検討して撤回すれば政府も(GSOMIA終了の決定を)前向きに再検討することができる」などと、発言しているが、足元を見透かされていることには気づいていないようだ。

 

 ここで輸出管理問題に戻ると、今回韓国が新たに入ったグループBは「輸出管理レジーム」(原子力提供国グループ(NSG)、オーストラリアグループ(AG)、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)、ワッセナー・アレンジメント(WA)の4つに参加し、一定要件を満たす国と定義されている。

 

 理由はよく分からないが、オーストラリアグループ(AW)にだけ加盟しているリトアニア、エストニアなどもグループBに属している。これは推測だが、日本との良好な交流関係などが評価されたのだろう。

 

 では、このグループBはその下のグループCと比べてどのような違いがあるのか気になるが、現実問題としては多少優遇される程度のようだ。実際、日本との貿易や交流がさかんな中国、台湾、シンガポールなど、他のアジア諸国はほとんどがこのグループCに属している。韓国がここに分類されても何らおかしくない。

 

 一方、国内問題に目を向けると、文在寅大統領は9月にも、「疑惑のタマネギ」とまで言われる法務部長官候補のチョ・グク氏の法相任命を強行する見通し。「疑惑が底なし」の人物だけにスキャンダル絡みで国内の政治的なリスクはさらに高まると予想される。

 

 経済事情も深刻だ。韓国産業通商資源部が9月1日に発表した8月の輸出入動向によると、輸出は前年比13.6%減少し、9カ月連続で前年割れとなったこと、また3カ月連続で2桁台のマイナスとなった、ことが明らかになった。

 

 主力の半導体市況や自動車の回復が見込み薄なほか、反日運動の高まりで日本への旅行者が激減、韓国の格安航空会社(LCC)は窮地に陥っている。少なくとも年内は回復の目途は立ちそうにない。仮に11月まで輸出の減少が続けば、その期間は1年に達する。産業界の我慢も限界が近づくはずだ。

 

 こうしたなか、今回の事の発端となった徴用工問題では、韓国の最高裁判所・大法院が2018年10月に日本企業(三菱重工業など)に対して賠償を命じる判決を出した。

 2019年7月16日に韓国国内の三菱重工業の資産をすでに差し押さえしており、それらの売却命令を裁判所に申請して現金化が行われる見込み。早ければ12月にも現金化は実現するだろう。

 

 日本政府は、韓国の元徴用工訴訟で敗訴した新日鉄住金の資産差し押さえ問題で、韓国に「企業に実害が生じた場合は対抗措置に踏み切らざるを得ない」と警告しており、「韓国企業の日本国内資産の凍結」などが予想されているが、効果が最も大きいのは「金融措置」だろう。

 韓国への送金停止や、韓国の輸出企業に邦銀が行っている信用供与を停止すれば、韓国経済は一発で撃沈されるはずだ。カウンターノックアクトである。

 

 あとこれは個人的な予想だが、GSOMIAが実際に破棄される11月23日にも、日本政府は何らかのアクションを起こすと思う。

 具体的には、先に述べたグループCへの格下げだ。現在日本は、GSOMIAをフランス、オーストラリア、イギリス、インド、イタリアの五カ国としか締結していない(NATOは除く)。

 

 インドを除くアジアの国々とはGSOMIAを締結していないのだから、「韓国との締結解除で友好関係がさらに弱まった」との判断から、11月23日当日に「第3段の対抗策」としてグループCへの格下げを発表する可能性はゼロではないと思う。

 同時に、メンツをつぶされて怒り心頭の米国のトランプ大統領も「在韓米軍の規模縮小」など何らかの対韓政策を打ち出す公算もある。

 

 加えて12月の徴用工判決に基づいた日本企業の資産現金化が実現した場合、「第4弾の対抗策」である金融制裁を発動すれば、韓国経済の息の根は止まる。韓国ウォン、株価の急落は不可避だろう。

 外国からは相手にされず、海外企業は資産・資金を逃避、経済の悪化と政治への不信で国民の支持率も急降下。完全に「詰んだ」状態となってお手上げ、というシナリオだ。

 

 以上が、日韓の対立問題は年内でカタが付くと考える根拠である。

 

 こうなると韓国は日本に対して「通貨スワップ」協定を要請するだろうが、日本はこれに対応する必要はまったくない。韓国の完全な「自業自得」だからだ。

 しかも想像するに要請するにしても「日本がスワップ協定を結びたいというなら韓国にも用意がある」とか「日本にはスワップ協定を締結する義務がある」などと上から目線で言ってくるのは目に見えている。

 

 世界の金融制度に影響が出かねない、というなら国際通貨基金(IMF)が主導権を持って対応すればいいだけの話である。