如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

サラリーマンの不動産投資、いい加減現実に向き会うべき

またぞろ融資書類改ざん「投資用不動産」の受難(東洋経済オンライン)

一井 純 : 東洋経済 記者

 

 ワンルームマンションなど投資用の不動産をサラリーマンがローンで購入する人はいまだに多いようだ。将来の年金支給額などへの不安がその背景の一因なのだろうが。

 

          

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 こうしたなか、投資用不動産に関する融資書類の改ざんが再び露呈したことを伝える記事「またぞろ融資書類改ざん『投資用不動産』の受難」が12月13日付けの東洋経済オンラインに掲載掲載された。

 

 要約すると、東証1部上場のマンション開発業者「コーセーアールイー」の子会社が、顧客にマンションを販売する際、銀行へ提出する源泉徴収票等の収入を証明する書類や、中古物件の入居者から受領する賃料に関する書類を書き換えた疑いがある(同社発表の資料)。らしい。

 

 記事によれば、土地とセットのアパート融資は金融庁の監視が厳しくなったが、マンションの区分所有には監視の目が届かず、金融機関もアパートからマンションへと不動案収支の軸足を移していたらしい。

 

 融資に関係した金融機関は2行だが、どこかは不明。ただ不動産融資に関する書類改ざんでは、最近ではスルガ銀行西武信用金庫などが行政処分を受けており、この2行も書類改ざんにまったく無関係かどうかは不明だ。

 

 今回の記事や報道などを受けてまず思うのは、「どうして安易に不動産投資に大金をつぎ込むのか」という疑問だ。

 

 想像するに、先に述べたような老後の生活資金を補填などを想定している人のほか、純粋に賃貸料収入で副収入を得ようとする人も多いだろう。

 

 書店に行けば、「サラリーマンが大家さんになる」という趣旨の本も多く出版され、マンション投資の無料セミナーも頻繁に開催されている。富裕層ではない我が家にも投資勧誘の電話がかかってくるぐたいだから業界自体は活況なのかもしれない。

 ただ、不動産投資をすればバラ色の将来が待っているかのような期待を抱かせている感は否めない。

 

 問題の本質をずばり一言で言えば、「普通のサラリーマンがフルローンで新築ワンルームマンションを買って収益を上げ続けることは現状ではほぼ不可能」という現実に気付くべきだ、ということだ。

 

 別の言い方をすれば、マンション一室を投資向けに購入するというのは「時限爆弾を抱えるようなものだということ。

 具体的な危険要因を挙げれば、

1.新築時は入居者があっても築年数が経てば魅力は減るので空き家の可能性が高まる

2.空き家になると賃料を下げざるを得ないので収入は減る

3.賃料を下げると入居者の質が落ちるので賃料未収などトラブルの可能性が高まる

4.当然部屋の扱いも粗雑になるので設備などリフォームの費用がかさむ、

5.長期のローンを変動金利で組む場合、金利はさらに下がる可能性はほぼゼロだが上がる可能性は十分ある。しかも金利は投資用なので自宅居住用より高い

6.建築後30年近く経ったマンションにどれほどの資産価値があるのか不明

 

 などザッと考えただけでこれだけの不安要素がある。

 

 6.の資産価値については「都心3区などの優良物件を購入すれば問題ない」という意見もあるが、現在の不動産市況では普通のサラリーマンが買える価格水準ではないはずだ。

 ちなみに不動産経済研究所の10月度「首都圏マンション市場動向」によれば、東京都区部の平均分譲価格は7002万円。これには足立区や墨田区なども含まれるから、人気の都心3区の平均価格は8000万円以上だろう。

 

 誤解を招くようだと困るので確認しておくが、私は「不動産投資」を否定しているのではない。個別物件に多額の資金を集中する投資手法を問題視しているのだ。

 実際に、私は不動産投資信託(REIT)を通じて、間接的に不動産投資を数百万円規模で実践している。

 

 REITであれば、数万円から投資可能で、物件も自動的に分散投資となり、物件管理の手間もかからない。総じて流動性もあるので換金したいときにいつでも現金化できる。

 しかも実際に物件を選別・投資するのは一応不動産のプロなので、素人よりは物件を見る目はあるはずだ(と信じたい)。

 最も関心のある利回りも、3%以上の銘柄は多数ある。ただしREIT相場は今年に入って20%近く上昇しているので、ここからの新規投資には慎重というのが現在の私のスタンスだ。

 

 ということで、普通のサラリーマンが不動産投資をするなら、REITから始めることを勧める。

 東証は不動産証券化協会と組んで、毎年Jリートフェアを実施(今年は11月29,30の2日間だった)しているし、日本経済新聞は毎月Jリートセミナーを開催している。ちなみにどちらも参加費用はかからない。

  まずは、投資信託協会のWebサイトの「そもそもREITとは?」からはじめてはどうだろうか。

 

ネット通販、日本独自の商慣習を超えてD2Cは普及するか

日本の「ネット通販利用」がまだ遅れている理由(東洋経済オンライン)

劉 瀟瀟 : 三菱総合研究所研究員、カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員

 

 近年すっかり一般的となったと個人的に感じていたネット通販だが、米国、中国に比べるとその利用度はまだまだ低いらしい――この実情を解説する記事「日本の『ネット通販利用』がまだ遅れている理由」が12月12日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

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 記事では、米国では人口の72%が、中国ではインターネット人口の73%がネット通販(EC)を利用している一方、日本のEC利用率は35.9%に留まっているとし、その理由として、

  1. 小売業が消費者のEC習慣を育成してきた
  2. 返品がしやすく、消費者のECストレスを軽減している

 の2点を挙げている。

 

 また、最近のトレンドとしてD2C(Direct to Consumer)つまり 自社運営ECサイトやSNSで直接消費者する販売手法が注目されていることも紹介している。

 

 1については、具体的に11月に米国では小売り業界で「ブラックフライデー」が、中国ではアリババが作り上げた11月11日「独身の日セール(W11)」の存在がネット通販への顧客の取り込みに成功したことを引き合いに出している。

 

 日本でも、お中元、お歳暮、クリスマスなど販売促進のセール期間は昔からあるが、あくまで実店舗での売り上げ増を狙ったものが主流(百貨店の催事場でのお歳暮対応など)で、ネットを意識した戦略はあまり聞いたことがない。

 

 近年はAmazonが日本でも「ブラックフライデー」を実施するなど、機運は出ているようだが、追随する動きは鈍いようだ。

 私自身、Amazonのヘビーユーザーなのだが、通常行われている「タイムセール」と比べて特に魅力的な商品や価格を「ブラックフライデー」で見かけることはなかった感がある。販促効果が大きかったようには思えない。

 

 以上を考えると、何らかの”個別”セールをきっかけに、日本でネット通販の急拡大に繋がる可能性は低いだろう。利便性向上という観点からじわじわと浸透していくと思う。

 

 また日本には、生協(COOP)という独自の組合組織があり、昔から宅配事情を行ってきたという事情も影響しているかもしれない。日本生活協同組合のWebサイトによれば、2018年度の小売シェアは2.69%とここ数年足踏み状態だが、組合員数は2924万人と着実に増えている。

 

 2については、日本の返品対応が特に遅れているとは思わない。またしてもAmazonを引き合いに出して恐縮だが、Amazon.co.jpが発送する商品を顧客側の都合で返品する場合は未使用・未開封の場合100%、開封炭の場合は50%が返金される(原則、返送料は顧客負担)、商品のトラブル・不具合の場合は、返送料も含めて100%返金される。

 

 私自身、何度か商品の不具合で返品したことがあるが、返品専用のページに必要事項を入力して、バーコードの表示されたページを印刷して、商品と一緒に梱包するだけなので、大した手間ではない。

 ということで、返品にかかるストレスがさらに一般的なサイトでも解消されていけば、ネット通販の拡大要因にはなるうるだろう。

 

 もうひとつの注目点である「自社運営ECサイト」だが、個人的にはもっとも充実しているのはヨドバシカメラだと思う。

 ちなみに、通販新聞社の2017年度「ネット販売白書」によれば、売上高のトップは断トツでAmazonだが、ヨドバシカメラも2位に付けている。

 家電量販店では最も古くから通販を手掛けてきたが、最近では飲食品、医薬品、電子書籍など幅広く手掛けている。しかも電子書籍に至っては20%のポイント還元と他社を大きく凌いでいる。

 また、他の自社運営サイトECと異なり、自社で配送業務まで手掛けているという「強み」もある。

 余談だが、ヨドバシカメラは資本金3000万円という「中小企業」という立場を生かして、通常のポイント制度に加えて、年末までキャッシュレス還元5%を実施して、競合他社との差別化も強化している。

 

 ヨドバシは品揃えも豊富なので、月に何度かは商品のトレンド確認のために店舗に行くのだが、サービス内容も充実している。

 店内で無料WiFiが使えて他店との価格比較が自分のスマホで自由にできるうえ、実際に商品を購入しようと店員に相談すると、その場で自社のネットや他店舗との価格を調べてくれて、最安値での購入を勧めてくれるなど、その顧客優先の対応は同業他社とは比較にならない

 

 記事で最後に、丸井のショールーミング戦略やアマゾンジャパンの置き配など、日本でも「進化」していることを紹介している。

 

 高齢や単身の世帯の増加で、ネット通販には「追い風」が吹いているのは確かだろう。ただ、他国の仕組みをそのまま日本に当てはめても成功するとは限らない。

 商品の特性を考慮し、顧客の利便性、返品や宅配への安心度を高めていけば、ネットで買うのが当たり前になる時代は意外にそう遠くないのかもしれない。

情報は「インプット」よりも「アウトプット」重視で

 SNS「バズる投稿」と「スベる投稿」の決定的な差(東洋経済オンライン)

成毛 眞 : HONZ代表

 

 昨日、当ブログで、「記事の言う「『盲点』が何なのかがわからないという『盲点』」というタイトルで、「東洋経済オンラインに掲載に値するまでの水準に達している内容とは思えない」と酷評する内容を書いて、コメントとして東洋経済オンラインに投稿もしたのだが、その直後にコメントは削除されてしまった。

 

 想像するに、編集方針への批判と受け止められた結果なのだろうが、自由な意見交換の場を提供するにしては「ずいぶん了見の狭い」な対応だとは感じた。

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 まあ、私自身はブログのタイトル通り「人とは異なる視点」をウリにしており、事実に基づいて感じたことは利害関係なしでズケズケと書くので「怒りを買う」ことは多い。この手の「理不尽な対応」はAmazonのベスト100レビュアーの際にも経験している。

 相手もビジネスなので「不利益」を感じるコメントには、「削除」で対応するのは当然ではあろう。

 

 さて、今回の対象記事は12月11日付けの東洋経済オンラインに掲載された「SNS『バズる投稿』と『スベる投稿』の決定的な差」である。

 

 著者は元日本マイクロソフトの社長で、現在は書評サイト「HONZ」を運営する成毛眞氏だ。最近の印象としては、ビジネスマンに関わる諸問題へのアドバイスに関する本を多数出版している印象がある。私も当ブログの4月11日に「俺たちの定年後 - 成毛流60歳からの生き方指南」というタイトルの本についてAmazonでレビューを転載したが、現在でも「役に立った」投票数は41人でトップ評価をいただいている(ちなみに2位は12人)。

 

 さて、今回のテーマはSNSだ。

 冒頭にビジネスマンがやっていそうな情報収集活動の例が5つ紹介されている。どれも思い当たることのある内容だと思うが、私自身が実践しているのは通勤途中のニュースチェックぐらいだ。

 ただ、チェックするのはニュースアプリだけではなく、雑誌のサブスクリプション「dマガジン」の方が主体で、東洋経済、ダイヤモンドなどの経済誌や各種週刊誌なども目を通すので、発売日の月曜日は全部目を通すのに結構な時間を取られる。

 私も日によってはインプットにかなり時間を割いているのは事実だ。

 

 記事で成毛氏が主張しているのは「膨大なインプットを捨て、アウトプットにシフトせよ」ということだ。

 この主張自体は、最近では著名人がアウトプットの重要性を説いているので、目新しくはないのだが、本記事の特徴はその具体的なアドバイスにある。

 

 例として、「大衆が取り上げそうなネタを取り上げるな」と指摘している。この理由として「一目置かれるようなことを発信しないと、意味がないのである」としているが、これはその通りなのだ。

 

 まあ自己満足のためだけに書いているのであれば構わないのだろうが、多くの人は貴重な時間を割いてSNSを発信している訳で、書いた内容は読んでほしいと思っているはずだが、「大衆ネタ」ではまず読者の心に刺さらないのだ。

 

 とは言え、毎日「独自ネタ」を発掘して文章にするのは、プロの文筆家ならともかく、SNSで片手間に情報発信する素人には厳しいものがある。

 

 当ブログも、たまに自身でオリジナルなネタを見つけて記事にすることもあるが、大体は東洋経済オンラインなどで掲載された記事をネタの対象にしている。

 

 ただし、ブログに掲載するにあたっては、記事の内容をそのまま紹介するような事はしない。必ずそこにオリジナルな視点を書き込むようにしている。

 ただ単に転載・引用したり、ごく普通の感想を書くだけでは誰も読みたいとは思わないし、何より本人の発想力、文章力の強化にならない。これでは時間の無駄に近いだろう。

 

 加えて、私自身原則として早朝にWebサイトで更新された記事をネタに、朝7-8時までに1600字程度の文章に仕上げてブログに掲載、合わせて「如月ブログ/更新」の名前でコメントすることを原則にしている。

 これは言うまでもなく、対象となる記事のWebの読者がビジネスマンで勤務時間前に読んでいることを意識している。いくら良い文章を書いても、タイミングを逃せば読んでもらえるチャンスは減る。

 

 成毛氏のいう「大衆が取り上げそうなネタ」を取り上げないのもひとつの考え方だが、現在話題となっているテーマをあえて避ける必要もないと思う。

 要するに、他のSNSと内容でいい意味で「差別化」ができればいいのだ。誰もが言いそうな表現や内容は避けて、オリジナルな視点から書けば、読んでくれる人はいるはずだ。

 

 ただし、このオリジナルな視点から文章を書くには、それなりの思考回路を鍛える必要がある。一見「おやっ?」と思わせて、読後に「なるほど!」と感じさせる文章を書くのは結構しんどいものだ。

 かくいう私自身も、まだまだ修行中の身ではあるのだが。

記事の言う「盲点」が何なのかがわからないという「盲点」

今の職場でなぜか「結果が出ない人」が陥る盲点(東洋経済オンライン)

熊野 森人 : クリエイティブディレクター

 

 このブログでは、原則として東洋経済オンラインなどの記事を題材にして、個人的な見解を書くということを基本にしているのだが、今回は数ある東洋経済オンラインの記事でも、見出しと内容の組み合わせが「しっくりこない」代表のような記事を見つけたので、あえて取り上げたい。

 

 記事は12月10日に「今の職場でなぜか『結果が出ない人』が陥る盲点」というタイトルの記事。

 このタイトルから読者が想像するのは、仕事で結果を出せない人の原因と対策だと思うのだが、その内容はかなり「没個性的」というか「常識的」というか、何とも、新鮮味や説得力に欠けるのである。

 

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 著者は、クリエイティブディレクターという肩書の熊野森人氏。デザイン、芸術系の学校で学んだ後、独立し、京都の大学で講師も務めているようだ。

 

 記事前半は、仕事に「向いている」「向いていない」の判断基準を以下の3つに分類している。

  1. 周りの人の判断
  2. 周りの人との比較による自己判断
  3. 周りの予測との比較

 の3点だ。

 

 そしてこれらは「他人が褒めているか」「自分で褒めているか」に分類されていて、「まずは今の環境でほかの人を褒めてみる」ことで、職場を「褒める文化」に変えていくことができる、としている。

 

 ことわざにある「情けは人の為ならず」の「情け」を「褒める」に変えたもので、ブーメラン効果で、人を褒めれば自分に返ってくるということだろう。

 

 著者の言いたいことは分からないでもないが、東洋経済オンラインの読者の主力は、中堅以上のビジネスパーソンでることを考えると、この内容は読者には「稚拙」というか「貧弱」でしかない。

 「何かを得たければ、まずは先に与えることでうまくいく可能性は格段に上がります」という解説も、「いまさら何を言っているのか」というのが大多数の反応ではないか。

 

 記事の後半のテーマは「空気」。

 「あまりにも合わせすぎると、それは没個性となってしまいます」、「自分の情報を出していったほうが、いいコミュニケーションがとりやすくなるものです」としているが、これも「いまさら感」が強い。

 

 著者は自分を掘り下げることによって、「なぜ好きなのかを自身で納得して発信できるようになると、人にもその好きを共有しやすくなり、相手もあなたの好きを認め、応援してくれるなんてことにもつながります」と書いているが、どうにも発想が「お花畑」に感じるのだ。

 

 キモは3ページ目の半分以上を占めている「自分を掘り下げるためのステップ」なのだが、これも読んでみると、「当たり前のことを当たり前に書いている」だけなのだ。

 

 記事の最後は「人を巻き込むコミュニケーションにチャレンジしてみてください」で終わっているが、これは巷でよくある「自己啓発セミナー」の掛け声とほぼ同じである。

 

 繰り返すようだが、本記事のタイトルは「今の職場でなぜか『結果が出ない人』が陥る盲点」である。以上の内容からどこかに「盲点」を感じられるだろうか。

 

 東洋経済オンライの記事は、大部分は参考になることが多いのだが、本記事に限れば「掲載に値するまでの水準」に達している内容とは思えない。

 

 まあ、編集サイドにも「何かとしがらみ」があって、掲載せざるを得ない状況にあるのかもしれないが、今回ほど「この記事を読むなら、別の記事を読めばよかった」と思ったことはなかった。

 

 ならば、今回のようなブログを書くのは「もっと時間のムダではないか」と問われれば、返答のしようないのだが。

メールは「顔」が見えないだけに「配慮」は不可欠

メールやLINEで「地雷」を踏まないためのワザ(東洋経済オンライン)

大野 萌子 : 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

 

 何気なく送ったメールに対して、相手が予想外の激しい反応が返ってきて困惑--といった経験をしたことはないだろうか。 

 

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 12月8日の東洋経済オンラインに「メールやLINEで『地雷』を踏まないためのワザ」が掲載された。

 

 著者は日本メンタルアップ支援機構の代表理事の大野萌子氏。この組織は、「すべてのコミュニティにおいて、健全な人間関係を創るエキスパート資格」として「メンタルアップマネージャ(1級、2級)」の講座を主催している。

 ただ、この資格自体は民間資格で、試験もなく講座を受講さえすれば、取得できるようだ。ちなみに受講料は32,400円。

 

 話が逸れたが、記事で指摘しているメール文の「地雷」のパターンは3つ。

  1. 先方から御礼のメールが来た場合の返信に「それはよかったです」
  2. 相手からの質問に答えるメールの結びに「おわかりいただけましたか」
  3. 何かを依頼するメールを送る際の一言に「できるだけ早くお願いします」

 の3点だ。

 

 どれも一見すると、特に問題がないようにも思え、普段から気にも留めずに利用しているフレーズである人も多いのではないか。

 

 個人的には、ビジネスで利用するメールは「内容」が「正確」に「早く」伝わることが最優先項目だと思っているので、この例にあるような返信が来ても、特に気にするようなことはない。あまりにも失礼な言葉使いには「ムッ」となることもあるが。

 

 ただ問題となるのは、相手が自分と同じように言葉遣いに寛容かどうかはわからないという点だ。メールの言葉遣いで面倒な対応を迫られるくらいなら、記事にあるような「ちょっとした気遣い」で避ける方が効率的だ。

 

 例のなかで、もっとも使ってしまいがちなのが、1の「それはよかったです」ではないだろうか。

 記事では、「相手のことを『ジャッジ』する意味合いを含む、上から目線の対応」であることを悪手の理由としている。

 

 これは納得のいく説明ではあるが、実際に合って会話をする際には「それはよかったです」を普通に使って、相手も特段気にしないことが多いことも多いのではないか。

 つまり、メールだと相手の「表情や仕草」などがわからないので「文面」だけで判断され、違和感を持つ人が出てくるのだと思う。

 要するに「話し言葉」と「書き言葉」を使い分ければいいという話だ。

 

 2の「おわかりいただけましたか」は私自身は、使ったことも受け取ったこともない言葉だ。現実にもそう多くは使われていないと思うのだが。

 これは個人的な感想を言えば、ビジネスメールであっても「アウト」だろう。なぜならこの言葉には「この「程度の内容は理解して当然なのだが」というある意味、自分が「格下」に見られていると受け止められる可能性が高いからだ。別の言い方をすれば「無礼」なのだ。

 

 実際に、ビジネスの現場でもこの表現を使うのは「かなり威圧的な感情」が含まれているケースが多いはずだ。もちろんその意図を意識して使っているなら構わないのだが。

 

 3の「できるだけ早くお願いします」はメールでありがちな表現。記事にもあるが、「相手が忙しい人だと期限を切ることを躊躇してしまい、『できるだけ』や『なるべく』といったやんわりとした表現を使用」してしまいがちだからだ。

 

 ただし、これはビジネスの現場では逆効果である。特に忙しい人ほど仕事の優先順位を決めたがるので、曖昧な表現では「後回し」にされかねない。丁寧な表現を使いながらも「期限を決める」のが正解である。

 

 以上の3点に共通するのは、「相手の立場に配慮すれば地雷を踏むことはない」ということだ。

 繰り返しになるが、「会話と文書の違い」「上下関係」「無用な遠慮」である。

 

 実際の現場でも、悪気があってこれらの言葉を使っている人はいないだろう。普段の会話の延長線でメールとして文書にするから地雷を踏むのだ。

 

 これらの対応策として自分が実践していることを紹介すると、メールを出す前に誤字脱字を再確認するのと同時に、「このメールを自分が受け取ったらどう感じるか」を想定してみることだ。

 ちょっとでも「違和感」があったら、それは相手にとっては「嫌悪感」になる可能性がある。

 

 「話し言葉」と「書き言葉」の使い分けには、自分も含めて十分注意したい。

日本人の給料が安いとは言っても、いきなりの「転職」「独立」は・・・無謀

本人の給料がまるで上がらない決定的な要因(東洋経済オンライン)

坂口 孝則 : 調達・購買業務コンサルタント、講演家

 

 30代、40代のいわば稼ぎ頭ともいえる世代の給与は10年前に比べて大きく下がっている――日本人の給料が世界的に見て主要国よりも低い水準にある原因とその処方箋に関する記事「日本人の給料がまるで上がらない決定的な要因」が12月7日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

  

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 記事では、国税庁の資料などを元に35歳から49歳までの世代の給料が10年前に比べて5%から10%近く減少していることを解説。

 その理由として、

  1. 日本の社会は「製造業」がベースにある
  2. 流動性が低い

 を挙げている。

 

 そして対応策として「本当に悩んでいるのであれば、転職でも独立でも、まずはやってみることを勧めたい」と、現在の職場からの離脱を勧めている。

 

 著者は、調達・購買業務コンサルタントの坂口孝則氏。メーカーで資材のバイヤーをされていたようだが、専門分野以外での著作もあるようだが、「調達」のプロではあっても、「人材」のプロではなさそうだ。

 

 記事を読んだ感想としては、日本人の30,40代の給料が安いことは確認できたが、その理由はやや説得力に欠ける。さらに解決策に至ってはやや粗雑な印象を受けた。

 

 1978生まれらしいので、年齢は41歳前後。まさに給料の安い世代のど真ん中に位置するわけで、同世代への応援メッセージと贔屓目に考えても、「まずは転職、独立をやってみろ」というのは、人手不足が叫ばれる現在とは言え、やや近視眼的なアドバイスに映る。

 

 まず、給料が安い原因として「製造業」が主力であることを挙げているが、ここで引き合いに出しているのは、著者が勤めていたであろう大手メーカーを前提にしている(中小企業も含まれるが)ように見える。

 

 確かに富士通やNECなどの大手製造業ではリストラの嵐が吹きまくっていて、給料は抑制されているだろう。

 ただ、GoogleやYahooなど大手のIT関連企業もソフトウエアを作り出し、提供するという点では製造業だ。これらの企業の給与水準は決して低くないだろう。

 EC大手のAmazonも元々は書籍の通販会社だったが、現在はオリジナルの映画コンテンツやスマートスピーカーなどを手掛ける製造業に近づいている(倉庫など現場の給料は安いらしいが)。

 

 要するに「製造業」だから給料が安いのではなく、旧態依然とした体制で、時代に合った商品・サービスを提供できないから業績が上がらず、結果として給料が安いのである。

 

 2つ目の「流動性の低さ」という理由についてだが、確かに「大手」の看板にしがみついて安い給料に甘んじている30、40代の中堅社員は多いだろうが、新卒でまだ自由に転職が可能な若手に比べて、30代ともなれば結婚して、子供もいて、数千万円の住宅ローンを抱えている人も多いはずだ。

 

 しかもよほど特殊な技能や社外に強力なネットワークがあれば別だろうが、大手企業の平均的なサラリーマンが転職で給料がアップするとはかぎらない。仮にスキルが評価されて「好待遇」で移籍したとしても、その事業が将来にわたって好調な業績を維持するとは限らない。

 

 さらに転職するとなれば、条件は厳しくなるかもしれず、今後の子供の教育、住宅ローンを考えれば、いっときの感情で「転職」「独立」するというのは、「挑戦」というよりは「無謀」と言うべきかもしれない。

 

 著者は「失敗しても生活保護や再就職支援などもあって、日本ではそう簡単に死ぬほどまで追い込まれない」と書いているが、これはやや就職事情を楽観視しすぎていると思う。単身で実力に自信のある人向けの「限定的な」メッセージだと思った方がいいだろう。

 

 とはいえ、現状の安い給料のままで将来が必ずしも安泰とは言えなくなった今の職場には不安もあって、人生設計に悩んでいる30,40代が多いのも事実。

 

 個人的に勧めたいのは「副業」だ。現時点ではまだ副業を認めている企業は少ないが、政府が「働き方改革」を進めている中で、厚生労働省は「モデル就業規則」を今年3月に改訂した。

 その第68条では「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」とし、「裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的には労働者の自由であることが示されていることから、第1項において、労働者が副業・兼業できることを明示しています」と補足説明している。

 

 世の中の流れが「副業解禁」に向かっているのは間違いないのだが、企業サイドがその変化に追いつけていないのが実情だろう。

 現実に自分の勤める会社で認められていない「副業」を始めるのはリスクが大きい。ではどうするか?

 

 その答えのひとつに「将来のマネタイズを考慮して、無報酬で関心のあるビジネスに参画し、ノウハウを取得する」という手がある。

 この方法だと「現金収入」は増えないが、将来稼げる可能性のある「スキル」は身に付く。報酬が発生しないので、税務署や市役所に補足されることもないので、会社にバレることもない。考え方次第では、「現金」という有形資産ではなく、「スキル」という無形資産を受け取っているともいえる。

 

 報酬が発生しないと安心して仕事を任せられないという会社も多いだろうが、人手不足の現在、無報酬で手伝ってくれるなら有難いという「個人経営企業」はあるはずだ。

 

 このような提案する私も、数年前から無報酬である仕事をお手伝いしている。週末や帰宅後の空いた時間を利用しての軽作業だが、業界内の事情はある程度わかるようになった。まだマネタイズまでの具体的なスケジュールは立てていないが。

 

 以上をまとめると、現在の給料に満足していない人が、「転職」「独立」という人生の一大勝負に出るという手もあるが、まずは「副業」から始めるのが現実的ではないか、というのが私の結論だ。

 

再婚がうまくいく秘訣は「他人」ではなく「過去の自分」と比較

過去より幸せになる「大人の再婚」密かな醍醐味(東洋経済オンライン)

大宮 冬洋 : ライター

 

 3人に1人が離婚すると言われるなかで、当然ながら「もう二度と結婚なんか御免」という人もいれば、「良い縁に出会えて再婚に成功」する人もいる。

 

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 12月6日付けの東洋経済オンラインに、「過去より幸せになる『大人の再婚』密かな醍醐味」というタイトルの記事が掲載された。

 

 個人的には「再婚」というと、偏見と言われても仕方がないのだが、「慰謝料など関係清算で揉める」「子供の養育費の未払い」「連れ子との微妙な関係」いったイメージがあって、どうにもあまりいい印象を持っていない。

 

 ところが今回の記事は「とてもうまくいった再婚例」として参考になった。

 

 登場するのは、22歳で結婚したものの旦那の浮気が原因で10年目に離婚した49歳の女性と、大阪への転勤をきっかけに歓迎会で知り合った2歳年上の男性の2人。ともに子供がいる。

 

 付き合い始めた当初は、二人とも結婚は考えていなかったが、「彼の母親の認知症が進行して彼が同居」せざるを得なくなったことが、結婚の決め手になった。

 

 普通はこうなると、「男性彼女に同居を希望し、女性がそれに反発するという」事態となり、別れるという結末に終わるのが通例だと思うが、今回は展開が異なる。

 

 男性が「この歳になって母親と同居している男なんて嫌やろ? ふってくれていいよ」と彼女の立場を優先したことで、それを受けた女性が「親を大切にできる人でよかった。むしろ絆が強まるのを感じた」と、自分の親の問題と絡めて受け止めたことが再婚の決め手になった。

 「相手のことをしっかり考えてくれている」という気持ちが伝わったのだろう。初婚の際には、「自分の立場優先」だったのが離婚で変化したのかもしれない。

 

 もちろん日々細かいケンカはあるようだが、お互いバツイチで失敗したくないという意識が「大人の対応」に繋がっているのだろう。

 

 記事の最後では「他人と比較しても幸福にはなりにくいが、過去の自分と比べることによって現状のよさを実感できることはある」としているが、これが本記事で最も伝えたいことだろう。

 

 結婚しない人は増えているし、先のように離婚も多い。ただ「結婚」で失敗する人もいれば、逆に「再婚」で成功を勝ち取る人もいる

 

 無理に結婚生活を続けて「我慢とストレス」のなかで生きるよりも、新たな「機会」を求めて自分の人生を取り戻したいと考えている人には、「再婚」はひとつの手段だし、生き方や働き方の多様化が進む中で、様ざまな恋愛のスタイルがあってもいいとは感じた。

 

 また、現実にはシングルマザーの貧困率は相対的にかなり高い。厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によれば、母子世帯の母自身の年間平均就労収入は200万円に留まっている。

 

 こうした厳しい家計状況から抜け出すにも、再婚は有効な手段だろう。もちろん家計の問題だけで相手を選ぶのは感心しないが、離婚に至った原因を把握し、新たな人生を目指すことは子供の問題を含めて、十分に意味があると思う。

空き家の売却方法に変化 個人間売買が増加

創造的!「空き家」巡る奇想天外ビジネスの実態(東洋経済オンライン)

中川 寛子 : 東京情報堂代表

 

 平成30年の総務省「住宅・土地統計調査」によると、空き家は849万9000戸、総住宅数に占める空き家率は13.6%と過去最高を更新した。7件に1件は空き家なのである。

 

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 よく知られるように全国の空き家問題は愁眉の課題となっている訳だが、これらの空き家をビジネスとして生かしている事例を紹介する記事「創造的!『空き家』巡る奇想天外ビジネスの実態」が12月5日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

 著者は東京情報堂代表の中川寛子氏。リクルート社の住宅情報誌などの編集を外部スタッフとして担当、その後All Aboutの住宅ガイドとしてネットデビューし、現在の住宅関連情報を各種メディアで扱う事業を手掛けているようだ。

 

 記事の内容を簡単にまとめれば、「売れないと思われている不動産にも工夫次第で買い手はいる」ということを紹介する内容と言えるだろう。

 

 これまでにも東洋経済オンラインでは、「空き家」ビジネスを取り上げてきたが、本記事の特徴はその紹介事例が多いことである。具体的には、

  1. 売りたい人、買いたい人が直接やりとりをする掲示板「家いちば
  2. 100均という価格設定で話題になったのが空き家ゲートウェイ
  3. 温泉付き1円別荘を売る会社として有名になったのが横浜市にある不動産会社リライト
  4. 参加型クラウドファンディング「ハロー!リノベーション
  5. 2017年に創設された小規模不動産特定共同事業者登録(平成29年に改正)

 と5つもの事例が紹介されている。

 

 もちろんページ数の制約はあるので、各内容について詳細までは書かれていないが、ビジネスの概要は理解できる。

 

 どの事例にも共通するのは、世間一般からの常識では買い手が付かず、不動産屋からも仲介を断れるような物件を手掛けていること。

 1の「家いちば」では、買い手と売り手が相対で交渉、間に不動産業者が入らないことで、売買が成立しやすくするという特徴がある。これは2の空き家ゲートウェイも同じ仕組みだ。

 

 宅地建物取引業法により、不動産会社が受け取ることのできる仲介手数料には上限額があり、取引額200万円以下の場合、報酬は取引額の5%以内。また、低廉な空き家等の売買などで通常と比べて現地調査などの費用が発生する場合は、上記の上限額と現地調査などの費用を合計した額(ただし、上限は18万円+消費税)まで、となっている(全日本不動産協会)。

 

 これは不動産会社にとっては「おいしい物件」ではない。彼らの手掛ける仕事の手間は物件価格による違いはなく、価格が大きいほど「旨味」は大きい。不動産会社の店頭で物件選びを体験された方はお分かりだろうが、より高い物件を勧めてくるのはそういう理由からだ。

 

 もちろん物件の調査や契約書の作成、不動産の移転登記など、不動産屋まかせだった各種事務作業はすべて自分で手配する手間は生じるが、これでも売り手には「塩漬け」になっている物件が売れる可能性が出てくるし、買い手は自分の目で物件を調べて価格交渉も売り手と直接できるというメリットがある。

 あくまで現在の不動産会社の成功報酬も取引額の5%以内と「上限」が定められているだけで、値引き交渉は可能ではあるが、現実には厳しいだろう。売買の当事者が自由に価格を決められる魅力は大きい

 

 このように言う私自身、空き家ではないが現在の東京郊外の自宅を「個人間売買」で購入したという経歴を持つ。

 ちなみに私は不動産とはまったく関係のない仕事をしているサラリーマンだが、趣味で取った「宅建士」の資格を持っている。

 そのため不動産業者の仕事の実態を知っており、「その手数料と仕事ぶりが見合っていない」というのが自分で取引した最大の要因だが、この個人間取引で「仲介手数料200万円程度」を節約して購入することができた。

 不動産登記については私は安全性を考慮して司法書士に依頼したが、やろうと思えば自分で移転登記することも可能だろう。実際に法務局には「無料の登記相談所」が設けられていて、登記書類の書き方を手取り足取り教えてくれる。契約書も雛型は容易に入手できる。

 

 現在は、買い手が付かない「空き家」が対象になっているが、この流れが買い手が付きそうな「空き家」にまで進めば、「個人間取引」が増加する可能性は少なくないように思う。

 

 

一般NISAの廃止は中高年の資産運用へのイジメだ

「NISA恒久化」に暗雲!投資家は6ステップで運用方針を整理しよう(ダイヤモンドオンライン)

山崎 元:経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員
 

 NISA(少額投資非課税制度)のうち、2014年に始まったいわゆる「一般NISA」の先行き不透明感が強まっている。

 

 12月4日のダイヤモンドオンラインには、経済評論家・山崎元氏の「『NISA恒久化』に暗雲!投資家は6ステップで運用方針を整理しよう」が掲載された。

 

 記事の趣旨は、「一般NISA」が「つみたてNISA」に一本化されそうな雲行きなので、個人投資家としては今後の資産運用をどうすべきか、という内容だ。

 具体的な対策については記事に詳しく書かれているので、本稿では「一般NISA」の扱いについて述べたい。

 

 確かに一般NISAに対しては、口座数が1100万口座を超え広く普及したものの、年間上限120万円(当初は100万円)の範囲内で個別株式などの短期売買が可能なことで、一部に批判の声があったのは事実のようだ。

 

 これに対応するため、金融庁は2016年に16歳未満を対象にした「ジュニアNISA」を2016年に、非課税期間を20年間とする「つみたてNISA」を2018年に導入したが、口座数は思うように伸びていない。

 これに業を煮やした政府が、NISA制度を「つみたてNISA」に一本化しようというのが趣旨のようだ。

 

 ただ、マスコミの報道を見ると、まだ具体的な方策は決まっておらず流動的なようにも見える。

 11月27日の読売新聞オンラインは「NISA「一般・つみたて」一本化へ…税負担の公平性にも配慮」の見出しで、政府が「将来の一本化方針を、12月にまとめる与党税制改正大綱に明記する考え」としている。

 一方、11月29日付けの朝日新聞デジタルでは「NISA、2024年「積み立て型」新設 資産形成促す」との見出しで、「2024年から安定的な資産形成を促す「積み立て型」を加える」として、図表を使って一般NISAは、従来型に加えて積み立て型を加え、将来的に一本化するという解説をしている。

  いずれにせよ、現在の一般NISAは縮小の方向にあるのは間違いなさそうだ。

 

 この一般NISAの扱いについては個人的に異論がある。

 まず、積み立て型のNISAを拡充して、長期投資を推奨するのには反対しないが、それと一般NISAを縮小するのとは「全く別次元」の話ではないか。

 

 そもそも一般NISAを導入した背景には、日本の家計の金融資産が「現金・預金」集中していて、これを「投資」に振り向けようという狙いがあったはずだ。

 

 2019年8月の日本銀行統計局による「資金循環の日米欧比較」調査によれば、家計の金融資産に現金・預金の占める割合は、米国12.9%、ユーロ圏34%に対して、日本は53.3%と依然として圧倒的に高い。

 

 この比率を引き下げるのに有効な手段のひとつが、一般NISAであることは間違いないだろう。

 個別株式の短期売買への批判はともかく、個人が非課税枠を意識して株式や投資信託など証券投資に向かわせる大きな「きっかけ」にはなったはずだ。

 

 富裕層の運用に使われているとの指摘だが、一般NISAの投資上限は年間120万円で通算5年合計でも600万円に過ぎない。数カ月前に金融庁のレポートで「老後資金2000万円が必要」が話題になったが、その3分の1にも満たない金額である。600万円を非課税で貯蓄するのは富裕層だけなのだろうか。

 

 しかも私のように50代後半ともなれば、「つみたてNISA」の利用期間はほとんどない。老後資金を自力で用意すべきとしながら、中高年には投資先の選択肢を絞り込むというのは、給与水準が下がっていく世代にとってはダブルパンチのようなものだ。

 

 2023年までは一般NISAは継続されるので、それまでは最大限活用するつもりだが、現行の制度がそれ以降も続くことを期待したい。

 

ステマ問題の解決策は表示を「広告」に一本化することだ

2019年も物議醸した「ステマ」招く根本的な理由(東洋経済オンライン)

中嶋 よしふみ : FP、シェアーズカフェ・オンライン編集長

 

 ステマ(ステルスマーケティン)と呼ばれる、いわゆる報酬を受け取りながら記事のように掲載する問題を取り上げた記事「2019年も物議醸した『ステマ』招く根本的な理由」が12月3日付けの東洋経済オンラインに掲載された。

 

 記事では、「京都新聞が報じた『吉本漫才コンビ、ツイートは「ステマの疑い」 京都市の広告と明示なし、識者「アンフェア」』という記事」を引き合いに出して、「京都国際映画祭で吉本興業が行っていたPR事業の一部に、消費者やファンを欺くステマが含まれていた」と報じたことを伝えている。

 

 この件がステマの可能性が高いのは確実のようだが、問題は記事にあるように、「ステマ」と「ステマではない広告」の間にある広大なグレーゾーンだろう。

 

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 現在は、各種メディアや広告代理店が参加する業界団体、WOMマーケティング協議会が作成したWOMJガイドラインで、コンテンツに「関係性の明示」することが、ステマにならないための条件とされている、と記事では解説している。

 ただこの「関係性の明示」にも問題があるようなのだ。

 

 具体的には、関係性を明示する語句として「広告」「協賛」などのほか、「#Supported」「#Ambassador」といった文字も含まれているという。

 前者2つに限れば、まだ読者の理解が得られる可能性が高いが、後者2つなどは、そもそも「意味」が分からない人も多いだろう。

 

 批判を覚悟で言えば、「ステマなのだがステマとは知られたくないので、あえて英語表記で誤魔化している」という意図があるとしか思えない。

 

 ちなみに新聞広告の場合、私が購読している日経新聞では、該当ページが広告の場合紙面の最上段に【全面広告】と文字は小さいが明記されている。

 雑誌などでは、もう少し「広告」であることを示す言葉の種類は多いような感覚はあるが、記事全体を見れば、画像も多いし、文章から「タイアップ原稿だな」と想像は付くことが多い。

 

 一番の問題はやはりネット記事だろう。画面のサイズが小さいこともあって「ステマでない」ことを示す表示は小さい。

 例に出して恐縮だが、東洋経済オンラインのトップページにも、「広告」記事は複数掲載されている。

 具体的には、タイトルの末尾並びに本文ページの上段に「AD」の2文字が明記されているが、見出しや画像の大きさは一般の記事と同じ大きさで区別は付きにくい。

 ただ、ADの付いた広告記事はすべてトップページの「右端に寄せている」ことが東洋経済の「良心」からの配慮なのかもしれないが。

 

 現状では、「ステマを直接規制する法律は日本にはない」ため、業界団体のガイドラインが指針になっているが、欧米ではすでに法律で規制されているという。

 

 日本でも、日本弁護士連合会(日弁連)が「ステルスマーケティングの規制に関する意見書」を消費者庁に提出しているようだが、既存の大手メディアなどと異なり、各会社の社会的信用が玉石混交状態のネット業界関係者の間で、意見調整がすんなり進むとは思えない。

 

 個人的には、法整備が進むまでは「ステマ」でないことを示す言葉を「広告」に限定して、周知させるのが効果的だと考える。

 「協賛」や「英語表記」でも構わないのでは、との意見もあろうが、そうなれば「どういう基準」で「誰が」線引きをするのか簡単には結論が出ないはずだ。

 ならば「誤解」なく「明確」な表現に統一するのが最善だろう。

 

 話は変わるが、私自身もステマ広告には「うんざり」している一人である。

 特に、話題の商品や人気の新製品に関する雑誌の記事には、同じ商品を解説する記事でも、広告主の協賛で書かれた記事の方が、製造責任者のコメントがあって、本来の記事よりも内容が濃かったりするので、悩ましいと感じることも多い。

 

 個人的には対応策として、商品紹介の雑誌の類では、晋遊舎が出版する『MONOQLO』と『家電批評』としか参考にしていない。

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「MONOQLO」と「家電批評」

 どちらの雑誌も、実際に実物をテストして評点を付けて評価しており、その具体的な解説には納得させられる記述が多い。

  また、他の雑誌ではまずやらないような「ワーストバイ」といういわゆる「買ってはいけない」商品についても記事化していることも評価できる。

 

 以上からステマ広告への対応策をまとめると、雑誌の記事はステマの可能性があることを認識しつつ、役に立つ部分だけを参考にして、『MONOQLO』か『家電批評』を読んで知識を深めたうえで、購入の際にはカタログで仕様を確認する、という方法が確実だと思っており、商品購入にあたっては実践している。

 

 ここまでやって購入した商品がハズレだったら諦めもつくからだ