如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

シニアには「ガラケー」「タブレット」の2台持ちがオススメ

 もはや小学生から高齢者まで、持っていない人が少なくなったような感まである「スマホ」。

 確かに、通話、メール、SNS、カメラなどの機能をコンパクトにまとめたスマホは利用価値が高い。特にカメラ機能はコンパクトカメラ市場を直撃、販売台数は2010年のピーク時に1億台を超えていたが、2017年には1000万台を割り込んだ模様。カシオなどは市場から撤退している。

 

 こうした「スマホ」全盛の世の中だけに、あえて私と同年代のシニア層には「スマホ1台」よりも「折り畳み式のガラケーとタブレットの2台持ち」を推奨したい(正確にはガラケーは淘汰されており、見た目は同じだがネット機能の充実したガラホになる)。

 

というのは、スマホでも情報収集は可能だがいかんせん画面が小さすぎるのである。これは老眼の進んだシニア層には結構キツイものがある。タブレットなら画面は最低でも8インチはあるので見やすさのレベルが違う。

 ちなみに私はガラケーにストラップを付けて首から下げて、胸ポケットに入れている。これだと着信にすぐに対応できるし、電話をかける相手はほぼ決まっているので、登録されたボタンひとつで発信できるのは、その都度アプリを立ち上げる必要があるスマホより確実に便利だ。

誤操作の可能性も低いし、防水、防塵、耐衝撃などの機能も充実しているので、スマホのように手元から落として液晶のガラスを割ってしまうような事故もまずない。

 

 加えて、タブレットには「一覧性」という優位がある。例えばビジネスマンに強い人気がある「日本経済新聞電子版」だが、スマホだとニュースが2本しか表示されない(スクロールは可能だが)。一方タブレットだとPC版と同じように本文の一部を含めたニュース見出しが6本、画面右側には速報の見出しが10本表示される。

 

 個人的には、本来新聞の価値は掲載される記事をその重要度から取捨選択、並び替えてくれることにあると思っている。

 この取捨選択と並び替えの結果が2本のニュースではやや物足りない。トップページで16本の各記事を比較することで、その日の出来事の全体像が見えてくるというメリットは捨てがたい。

 

 私が日経電子版以外でよく見るのは、雑誌の定額読み放題「dマガジン」だ。週に20冊以上の雑誌を購読しているが、ページをそのままの大きさで閲覧するのは「スマホ」では無理だろう。ちなみに私が利用しているのは画面の大きさが10.1インチのタブレット。携帯するにはやや大きいが、バッグに入れてしまえばあまり負担にはならない。

 

 また、情報収集でもグラフや数表といった「画像」を見る際には、画面の大きさは確実に優位に働く。

 

 2台持ちをすると「携帯するのに荷物になる」という意見もあるが、スマホでも電池対策で携帯バッテリーを携行する人が増えており、実際の負担はあまり変わらない。しかもガラケーなら充電なしで一週間、タブレットでもスマホよりは電池がもつ。

 

ちなみに気になる利用価格も、私の場合はガラケーが「どこでもいつでもかけ放題」が付いて月額約1000円、タブレットもSIMフリーを買って格安SIMを使っているのでほぼ同額。端末の価格自体はタブレットの方がスマホよりも高そうに見えるかもしれないが、5万円ぐらい出せば機能は十分だ。iPhoneの上位機種のように10万円以上するタブレットはほとんど見かけない。

 

 というわけで、画面の小さいスマホでも十分に利用できているならば構わないのだが、老眼の進んだシニアが無理にスマホを使うのはオススメできない。

 機能面でも価格面でも十分スマホに対抗できる「2台持ち」を検討することを強く勧めたい。