世界一孤独な日本のオジサン
2018年2月10日
とにかく「序章」に始まって「おわりに」に至るまで様々な研究・調査からの引用がものすごい量である。
文章全体の10%以上は占めているようなイメージ。
著者は英ケンブリッジ大、米MITでコミュニケーションを研究された方なので、データを元に自分の考えを
著者は英ケンブリッジ大、米MITでコミュニケーションを研究された方なので、データを元に自分の考えを
主張するというのは当然のことなのだろうが、そういった論文調の文章に慣れていない者としては、多少読
みにくさがあった。
さて、本書はタイトル通り「孤独なオジサン」をテーマにしており、その現状と対策を論じている。基本
さて、本書はタイトル通り「孤独なオジサン」をテーマにしており、その現状と対策を論じている。基本
的なスタンスは、「孤独は良くない、社会的な繋がりが必要」だろう。
女性と比べて、世界と比べて、日本のオジサンは・・・という展開のなかで、なるほどと感じたのは、男
女性と比べて、世界と比べて、日本のオジサンは・・・という展開のなかで、なるほどと感じたのは、男
性は女性に比べて人を褒める「ホメ力」が不足しているという点と、男性は「話すこと」が「目的を達成す
るための手段」であるのに対して、女性は「話すこと自体が目的」という指摘。言われてみれば社会人にな
って以来、怒られ、叱られ、ドヤされることは多かったが、褒められたのは勤続10年と20年の表彰ぐらいだ
った気がするし、何の目的もなくただ駄弁るというのは私にとって苦痛以外の何物でもないのは事実だ。
ただ、この本にある孤独を回避すべきだという論調を否定はしないが、個人的には退職後も自分の気持ち
ただ、この本にある孤独を回避すべきだという論調を否定はしないが、個人的には退職後も自分の気持ち
に素直に向き合い良い意味で「孤独」ないしは「孤立」でありたいと思っている。趣味でも道楽でも自由気
ままに一人で楽しみたい。
筆者は孤独は健康、寿命にも悪影響を与えるとしているが、公私を問わず無理をして人と付き合ってスト
レスを溜め込む方がよっぽど精神衛生上よくないというのがこれまでの人生を踏まえた実感だ。
本書にはキレるオヤジ対策として、「鉛筆一本を上下の歯ではさんで笑顔を作る」という手法が紹介され
ているが、何が辛くてここまでしなくてはいけないのか、鏡に写る自分のマヌケ顔を想像するだけで悲しく、
かつ情けなくなる。
という訳で、自分の孤独に対する考え方を変えるには至らなかったが、豊富なデータは参考になるのは確か
という訳で、自分の孤独に対する考え方を変えるには至らなかったが、豊富なデータは参考になるのは確か
だし、女性の「コミュニケーション力」専門家としての考察は勉強になったのも事実なので★4ということで。