如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

米国人にここまで言われても日本人は目覚めないのか?

 

平和バカの壁

2018年9月15日

 知日派、親日派で知られる米国知識人2人による日本の安全保障、具体的には自衛隊に関する対談である。

 両氏に共通するのは、日本人には国防に関する意識が低いのが問題、という点だ。また、米国軍人が市民社
会でリスペクトの対象になっているのに対して、日本では自衛隊員が正々堂々と身分を明かすのに抵抗を感じ
るという「社会的立場の違い」を事例を挙げて強調している点も一致している。

 特にケント・ギルバート氏は、憲法改正について「無知や無関心ならまだいい。問題は『強い日本軍は必ず
他国を侵略する』という誤ったプロパガンダに洗脳されていることだ」としている。
 
 これは個人的な見方だが、そもそも日本の自衛隊は他国からの侵略に備えるための装備であって、相応の軍
事力を持つことで他国による侵略という行為を踏み留ませる(反撃を考慮すると割に合わない)効果があり、
これが結果として「戦争」を回避させているのではないだろうか。

 つまり戦争や侵略の可能性は、軍事力を持つこと方が、持たない場合よりも小さくなるのではないかと考え
ている。

 こう考えると、日本への敵愾心を隠さない北朝鮮が核ミサイル等を開発し、攻撃力を強めるなかで、左寄り
の人々が言う「圧力よりも対話」というのは、合理的な対話が可能な国家というのが、交渉に当たっての最低
限の条件だろう。

 この最低条件すら満たされない現状では、北朝鮮に対峙するだけの軍事力を日米で協力して強化していくこ
とは、ごく自然の流れと思う。万が一攻撃された場合、「まさか本当に攻撃してくるとは思わなかった」では
済まされないのだ。

 このような考え方は私にとってはごく当たり前の内容なのだが、問題は「日本の安全保障」に関する話なの
に、外国人に「日本人は国防への認識が甘い」などと指摘されることであり、さらに根深いのは、ここまで言
われてもおそらく多くの日本人が「恥」とは感じず、日本の防衛問題への認識を改めない可能性が高いことだ。

 これはもう、日本の都市圏に弾道ミサイルが落ちて多くの死傷者が出ないと目覚めないのかもしれない。も
っともここに至っても一部のマスコミは「北朝鮮、ミサイルを誤発射」とか言いそうな気配を感じるが。