如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

これ以上分かりやすい入門書は見当たらない...と思う。

 

簿記の教科書1年生

宇田川敏正

2018年10月29日

 簿記の入門書は世間に山のように出回っているが、本書はそのなかでも「これ以上の入門書はない」と言っ
ていいレベルの内容である。

 知り合いに頼まれて、経理を扱う新人向けにわかりやすい本を探してほしいと言われて、近場のTSUTAYA
で中身を見て本書に決めたのだが、その決め手になったのは「日商簿記の試験合格をまったく意識していない」
という点にある。経理実務に特化した入門書なのだ。

 とにかく、簿記の「ぼ」の字から始まり、カラーイラストを交えて簡潔な文章で話がテンポよく進む。

 とかく簿記というと「借方」「貸方」の仕訳に始まって、無味乾燥な内容が延々と続くので、途中で諦める
ことが多いのは仕方のない面もあるが、本書を途中で投げ出すようなら、もはや簿記や経理に関係する仕事を
あきらめた方がいい。

 Amazonでは本書の「なか見」ができないし、出版社のWebサイトにも実際のページ画像がない。このレビ
ューを読んでも具体的なイメージが伝わりにくいと思うので、実際に本屋で中身を確認することをお勧めする。

【追記】
 このレビューを書いたあとに、Kindle版が追加された。価格はなんと299円。紙の本の1/4である。この価格
でこの内容なら、買って読まない手はない。

 簿記や経理とは無縁のビジネスマンは言うまでもなく、就職を控えた学生も、社会人としての一般教養とし
て簿記の基礎知識はあった方がいい。社会も会社も詰まるところ「おカネ」を中心に回っており、そのベース
になっているのは「簿記」という会計処理の仕組みなのだ。

【追記2】
 11月20日時点で、紙版の本が廃盤となり、Kindle版に統一されたようだ。価格は1296円。299円で買えた
人はラッキーだった。