暮らしのなかのニセ科学
2018年1月16日
巷に溢れる「ニセ科学」に対して証拠を示して論破するというもので、全体としては納得できる内容だった。
ただ第七章の水ビジネスについては疑問が残った。
著者は、水道水は水道法で基準が定められていて例えば「ヒ素」についてはミネラルウォーターの五倍も厳
しい、と指摘している。
これは水道局の施設から出荷されたばかりの水には確かに該当するだろうが、屋上に貯水施設があるマン
ションにもすべて当てはまるとは思えない。
実際に以前私が独り暮らしをしていた都内墨田区の10階建てのワンルームマンションでは、貯水施設の点
検をしているのを見たことがないし、蛇口から出てくる水も若干濁っていて臭いもしたことを覚えている。
当然蛇口に浄水器を取り付けて対応したが、このまま飲んでいたら間違いなく身体に悪影響が出ていたと
思う。
法律では貯水施設の定期点検が義務付けられていても、現実には管理組合が諸般の事情から機能せず、メ
法律では貯水施設の定期点検が義務付けられていても、現実には管理組合が諸般の事情から機能せず、メ
ンテナンスされていない中小型マンションは少なくないのではないだろうか。
本書は、ニセ科学を見破るための有効な参考資料だが、すべてを鵜呑みにするのは危険、というのが正直
な感想である。