定年が楽しみになる! オヤジの地域デビュー
2018年3月24日
定年後の居場所探しを勧める本は数多いが、自らが実践した数々の地域デビューの内容を紹介するのは珍
しい。
著者は現在、東京新聞の政治部長という肩書で、政治分野を得意とする記者という経歴を持つが、とにか
く良い意味で「腰が軽い」のである。様々な地域活動に積極的に参加、その数この本にあるだけで何と50で
ある。その種類も「お菓子作り」「ヨガ」に始まって「終活セミナー」「区民マラソン」「ボランティア」
と実に多彩だ。
きっかけは「定年退職した後、毎日、家にいるのはやめてね」という妻の一言だったそうだが、本人も
「楽しそう」「地域の人と知り合い、仲良くなれたらいいな」という気持ちから公民館などの講座に参加し
ている、とのこと。
ただ著者のすごいところは、単に区民講座に参加するのではなく、新聞記者という実績を生かして「政治
がもっと身近になる新聞記事の読み方講座」の講師としてデビュー、地域に「恩返し」をしていることだ。
記者という貴重な経験があってこそ実現可能だとは思うが、ここまでの積極性を発揮できる定年前後のサラ
リーマンはそういないだろう。
自分も数年後に定年を控えている身だが、町内自治会は昨年解散し、近所づきあいは皆無に等しい状態。
それで特に困っている訳ではないのだが、参考までに市の広報誌を見たところ、地元でもかなりの数の講座
やサークルが活動していることが判った。
私自身は、無理に他人と付き合ってまで地域デビューする気はさらさらないのだが、著者の数々のエピソ
ードを読んで、地元でどんな人たちがどのような活動をしているのかを知っておくのは、悪いことではない
と思った。暇を見つけて「雰囲気」だけでも確認しておくか。