有効率95%!「乗り物酔い防止メガネ」のすごさ(東洋経済オンライン)
森口 将之 : モビリティジャーナリスト
フランスの自動車メーカー・シトロエンが開発した乗り物酔い防止メガネ「シートロエン」の効果がすごいらしい。
この「シートロエン」を解説する記事「有効率95%!『乗り物酔い防止メガネ』のすごさ」が8月19日付けの東洋経済オンラインに掲載された。
記事によれば、欧州では1年前に発売し1.5万個以上が売れ、日本では今年5月の販売開始と同時に即日完売となったそうだ。
ちなみに現在は、シトロエンオンラインショップに在庫はあるが、価格は税込みで16,200円と「特殊用途」のメガネとはいえ、「お高い」ようにも感じた。
乗り物酔いしない仕組みについては、記事に概要が書かれてるので読んでもらうとして、最も興味を持ったのは、使用開始後10~12分で効果が出たあとは、「シートロエン」を外しても効果が持続する、という点。
製品の画像を見ればわかると思うのだが、デザイン技術を誇りとするフランスならではというか、とにかく見た目のデザインが「奇抜」なのである。
色は白いし、レンズは4つもある。目立つことは間違いない。このメガネをかけた状態で、長時間他人の前に顔をさらすには、個人的にはすごい抵抗感がある。ただ、記事にあるように10分ちょっとの使用で済むなら大きな問題にはならない。
私自身は乗り物酔いへの耐性が強いので、経験した記憶はほぼないが、家族は車の後部座席に乗っていると、長時間になると大体気分が悪くなる。特にスマホなどを見ていると一発だ。
私自身が効果を体験できそうにないので、家族向けに1つあってもいいかなと思ったが。16,200円は効果があるとしても「高い」と感じる。
ちなみにAmazonでは、似たような製品が1799円から売っていた。
商品説明を読む限り、「乗り物酔い防止」という仕組み自体は変わらないようなので、個人的には、安いレプリカ品のなかでも比較的レビュー評価の高い商品に絞って、買ってみて、その効用を家族に確認してみたいと思う。
本来、こうした日常的な不都合を解消するグッズを開発するのは、日本の得意分野であったような気もするのだが、フランスの自動車メーカーの商品開発力もなかなかのものだと感じた。
もっとも、それだけの実力があるならもっと本業のシトロエン車の対日輸出にも力を入れれば良いのにとも思う。
日本自動車輸入組合の2018年度の輸入車新車登録台数速報によれば、シトロエン車の輸入台数は3,655台で第18位。トップのメルセデスベンツ(66,948台)の5%強に過ぎない。
16,200円のメガネの利益率は悪くないだろうが、肝心のクルマよりもメガネで知名度が上がるという事態を、シトロエンのフランス本社はどう受け止めているのだろうか。