如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

偽ブランド品ビジネスはそう簡単には終わらない

偽ブランド品の横行が「昭和に逆戻り」する事情(東洋経済オンライン)

中野 大樹 : 東洋経済 記者

 

 高級ファッションなどの偽ブランド品を個人に販売するビジネスが、過去の一時期の隆盛を取り戻しているらしい。

 

 7月4日付け東洋経済オンラインに「偽ブランド品の横行が『昭和に逆戻り』する事情」という記事が掲載された。

 昭和の時代は海外の業者が大量に不法輸入し小売店で販売していたが、現在は小規模な業者が「個人輸入」の手法で小口に分けて輸入、個人向けに直接販売するのが主流になっているらしい。

 この背景には、荷物が小口化することで大量の輸入品をチェックする税関をすり抜ける可能性が高まるほか、税関が偽ブランドを発見しても現行法では、個人の使用目的ならば法律違反にはならないという事情があるという。

 

 個人的にこれに捕捉するならば、ネット環境の充実で個人が海外の業者から直接偽ブランド品を購入できるようになったことの影響も大きいだろう。

 そもそもの話から言えば「高品質」「高価格」が当然の高級ブランド品を「安く」買おうとすること自体が、根本的に矛盾しているはずなのだが。この「歪んだ需要」は根強いものらしい。

 消費者庁もWebサイトで偽ブランド品などを手掛ける「悪質な海外ウェブサイト一覧」を随時更新しているが、偽物でも構わないという人には響かないだろう。

 

 加えて巧妙なのは、これらの偽ブランド品の多くは、商品代引きで購入できること。クレジットカード払いや銀行振り込みなどに比べて「支払い後の商品未着」というリスクが低いことも、買い手の購入意欲を後押ししているはずだ。

  
 こうした現状への対応策だが、これはもう「偽ブランド品を買ったり身に着けるのは恥ずかしいこと」というイメージを社会的に定着させる必要があるだろう。

 ちょっと話がズレるが過去に「暴走族」を「珍走隊」と呼ぶことで、カッコ悪いというイメージを与えて、暴走行為を減らそうという動きがあったと記憶しているが、要は同じ発想である。
 
 結局のところ、偽ブランド品を欲しがる人がいる限り、彼らを狙ったビジネスは形を変えて生き残るとしか言えない。