如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

暑さを乗り切るTシャツは「ワークマンPlus」という伏兵もアリ

 お盆と台風10号が過ぎ去り、再び猛暑の時期となった。暑さには結構強い方なのだが、連日35度を超える暑さとなるとさすがにこたえる。

 

 こうも暑いと上の下着は「夏用のTシャツ」というパターンになるのだが、昨年までは「汗が乾きやすく、いつでもサラッと快適」を売り文句にするユニクロの「エアリズム」を定番にしていたのだが、今年の夏は強力なライバルが出現した(と個人的には思っている)。

 

 それは、今話題のワークマン、正確にはカジュアル品の品ぞろえが充実した「ワークマンPlus」である。

 建設作業員など現場向けの作業着では知られていたワークマンが、カジュアル商品を手掛けるようになり、女性を含む各層からその値ごろ感に加え、機能性と耐久性が評価されているらしい。

 

 ちなみに自宅の近くにはワークマンはあるが、Plusはないので、実際にどのような品揃えなのか、機能性Tシャツを比較してみた。

 まずはユニクロのエアリズム。

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 商品の詳細説明で特徴として書かれている中で機能については、

・ドライ、接触冷感、抗菌防臭、消臭など快適機能が満載。

・ストレッチ性があって、風合いが良く、肌に心地よくなじむ。

 の2点。

 ちなみに画像の価格は990円だが、8月17日時点で790円に値下げしている。サイズは、XSから4XLまでの8サイズある(もっともサイズによって在庫切れも)。

 

 一方のワークマンPlusだが、Webサイト自体には商品掲載はなく、Webカタログをダウンロードして見ることになる。

 以下が、機能性Tシャツのメイン商品ページの一部。

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 ユニクロの製品に近いのは、汗の吸収、蒸発機能を謳った左側の980円の方のようだが、右側の499円の商品にも「放熱冷感」を売り文句にしており、実際のところどの程度の差があるのかはよくわからない。

 

 両社の製品を比較して価格以外の大きな違いは、色の選択肢はワークマンPlusの方がカラフルで豊富だが、サイズ面では、ユニクロは全8サイズを揃えているのに対して、ワークマンPlusMから3Lまでの4サイズしかないこと。

 

 という訳で、自動車で最寄りのワークマンPlusまで出向いて、2種類のTシャツを購入してみた。店員さんによれば「Tシャツはサイズがやや小さめなので、普段よりひとつ大きめのサイズがおすすめ」とのこと。私の場合普段XLなので、3Lがちょうどのサイズとなる。

 

 で、実際に着た感触だが、2つとも生地は薄く、汗もすぐに吸い取って身体に張り付くこともなく、大きさな差はなかった。ということで499円の方が相当にお得ということになる。ユニクロ製品と比較しても性能に遜色はなかった。

 

 もっともユニクロが全国に819店 (2019年7月31日現在)を網羅するのに対して、ワークマンPlusは31店舗(Webサイトから)に過ぎないので、身近に店舗がある人は限られるだろう。Webサイトには一応「ワークマンプラスで取扱商品はワークマン店舗でお買い求めいただけます」とはあるが、商品数は限られるはずだ。

 店舗も関連会社のGUを含めて大規模店を全国に展開するユニクロに対して、ワークマンPlusでも一番多い神奈川、福岡で4店舗、東京には3店舗しかない。通販に対応しているとはいえ、現段階では販売力でユニクロのライバルにはならないだろう。

 もっとも、元々が現場向けの作業服がメインのワークマンと、若い世代向けが中心のユニクロは客層が異なるので、比較する意味はあまりないかもしれない。

 

 ただ、今年3月31日の東洋経済オンラインの記事「デカトロンを迎え撃つ『ワークマン』の戦略」によれば、「さらにカジュアル分野の展開を強化する方針だ。ショッピングセンターへのインショップを10店舗、路面新店を35店舗、路面店改装を23店舗、合計68店のWORKMAN Plusを出店する計画」となっており、勢いに陰りは見えない。

 また8月6日にはプレスリリースで「WORKMAN Plus の出店加速で20年3月末に167店へ」と表明している。

 

 また、実用性、耐久性の高い商品ラインナップに加え、原則的に朝7時に店舗を開店するなど、現場作業者の都合に配慮したワークマンの強みに、対抗できるショップがないのも事実。

 作業服という強力な商品群を抱えるワークマンが、その特徴を生かしたカジュアル商品を展開すれば、一定のシェアを確保するのは困難ではないだろう。

 

 ここまでワークマンPlusを評価する内容を書いてきたが、一点だけ僭越ながら個人的な厳しい意見を述べたい。

 それは、店頭の前面に展示しているオリジナル商品の「空調風神服」。これはジャケットの内部にバッテリーとファンを装着して、服の内部に直接風を送って涼しくする、というシロモノなのだが、ジャケットは3900円からあるのだが、肝心のファンシステムが高いのである。

 カタログでは10600円となっているが、店頭では12000円の値札が付いていた。

 ちなみにAmazonでは、似たような商品がジャケット・ファン・バッテリーの組み合わせで6999円からある(8月17日現在)。まあ耐久性や機能面で違いはあるだろうが。

 

 機能的には面白い商品だけに、低価格を標榜するワークマンPlusにおける品揃えとしては、異様な「高価格商品」として気になった。