仕事も人生も娯楽でいい
2018年5月24日
著作を購入するのは初めてだが、各種メディアで同氏の発言は見聞きにしており、内容について予想はして
いたが、まあ大方「想定の範囲内」だった。
その主張を突き詰めれば「今やりたいことに集中しろ。道はその先に開ける」といったところだろうか。
「好き=遊びを仕事にするのは難しい時代ではない」「ブログやYouTuberなど遊びで稼げる時代」として
いるが、現在も近い将来もこれは現実的ではないだろう。
「遊び」で一生食っていけるのは、並外れた「集中力」と絶対に「折れない心」の持ち主に限られると思う。
「フリーターを選択している若者がたくさんいる」というのも近年の就職率改善傾向の影響で、著者のいう
「夢をかなえるため」も増えているとは思うが、具体的な目標や計画がある訳ではなかったり、やりたいこと
を見つけるために、あえて就職しないというのが多数ではないだろうか。
また30歳前後の若者では、就職難の影響で不本意ながら非正規職という立場の人も少なくないはずだ。
ただ、世の中全体の流れとして俯瞰すると、「日本の大企業に就職したらOKという時代は終焉、グローバ
ルで通用するスキルを身につけ個人の力量で勝負」という時代になることは間違いない。
また「アイディアよりも実行力」という指摘も正しいはずだ。口だけの「意識高い系」の人には耳に痛い話
しだろうが。
日常生活に関連した内容で共感したのは、項番075にある「満員電車がイヤだと言いながら毎朝通勤して、
日常生活に関連した内容で共感したのは、項番075にある「満員電車がイヤだと言いながら毎朝通勤して、
なぜ改善しようとしないのか。これでは単に愚痴をたれるオヤジだ」という指摘。
筆者は、会社の近くに住むことや在宅ワークなどを提案しているが、私は「始発電車」を使うことで回避
している。会社に着くのは朝5時過ぎだが、8時ころまではほぼ誰も来ないし、電話もかかってこないので、
仕事が大大きくはかどる。帰りも16時までには引き上げてしまうので座って帰宅できる。もう何年も続けてい
るので、周囲も会議などの時間を調整してくれることが多い。
ただ本書の記述で疑問を持ったのが2つ。
ただ本書の記述で疑問を持ったのが2つ。
まず、項番008にある「株式相場では暴落時には損切りが鉄則」という記述。確かにこの格言を信じている
人は多いのだが、個人的には暴落に対する「相場観」が重要だと思っている。
具体的には、「まだこの先下がる」と思うのであれば「先物売り」「インバース投信買い」という下がる
ほど儲かる手法があるし、「もう底が近い」と観るならば、「株式を買い増して購入単価を下げる」のが有効
だと思う。
筆者も各所で指摘しているが、「暴落⇒損失覚悟の処分売り」という格言に沿った他人と同じ行動では、
株式投資で大きな利益は見込めないはずだ。
次が、項番083にある「資格があると資格に縛られて選択肢を狭めてしまう」という指摘。
次が、項番083にある「資格があると資格に縛られて選択肢を狭めてしまう」という指摘。
私は、金融系から技術系、ガテン系まで様々な資格を持っているが、それで「選択肢が狭まった」という
認識はなく、逆にいろいろな業界の仕組みや法律を学ぶことで「視野は広がった」と思っている。「資格は
足の裏の米粒」という格言(取っても食えないという意味)があるが、イザというときには米粒でもあれば
食べることはできるのである。
最後に、本書は「はじめに」にあるように、「過去の発言をまとめたもの」であり、他の著作を読んだ人
最後に、本書は「はじめに」にあるように、「過去の発言をまとめたもの」であり、他の著作を読んだ人
には既読感も少なからずあると思う。
その意味では、堀江氏の本を読んだことのない人が、著者の思考や行動原理を短時間に理解するには適し
ていると感じた。項目によっては単文が多いものの、本音をしっかり理解できたので★4で。