如月五月の「ちょっと気になる話題、情報を斜め視線から」

ちょっと気になる話題、情報を斜め視線で解説

家庭用として利用価値はあるが、センサーの感度が・・・

 

AGPTEK トイレ消音器 流水音発生器

2019年4月8日

 家庭用でお手頃価格のトイレ消音装置はなかなか見当たらなかったのですが、この商品は3000円台とお手頃
で大きさもコンパクト、操作も簡単です。

 音量が調整できて、音源も選択できるのはいいんですが、センサーの感度がいまひとつ。裏側のつまみで調
整はできるのですが、感度最低にしても何かのきっかけで音が鳴ったりします。

 あと、選べる音源のひとつに「水流のせせらぎと排水のガポッ」という組み合わせがあるのですが、この
「ガポッ」はいかにもトイレを使っている風の音で、あえて使う気がしません。

 とはいえ、ウチはトイレがリビングに近いので、それなりに利用価値はあるのですが、お客さんが頻繁に来
たりしない家庭であれば、必要ないかもしれません。音量は最低にしてもそこそこの音がするので、人によっ
てはこの機械に違和感を感じるかもしれないですから。

イージーリスニングの代表曲、愛川欽也さんがオススメ

 

愛のテーマ  ラヴ・アンリミテッド・オーケストラ

2019年4月7日

 1998年の作品ということですから、すでに20年以上前になります。ただ昔を振り返ると1970年代のラジオ
の深夜放送で愛川欽也さんが、やたらとこの曲を推奨していたのを記憶しているので、オリジナルはさらに
20年以上昔なのかもしれません。

 それだけ昔の曲なのに、古さを感じません。いわゆる「イージーリスニング」に属する曲としては、名曲・
代表曲になると思います。
 

投資理論の基礎固めには良書だが、米ダウ30種平均株価を過大評価?

 

人生100年時代の正しい資産づくり

岩崎日出俊

2019年4月1日

 米系投資銀行のマネージング・ダイレクターを歴任、現在は独立して金融コンサル会社を手掛ける著者の、
個人向け投資理論の解説本である。

 「まえがき」に書かれているが、本書では、グローバル、時間分散など4つの「基本的な考え方」について
解説することを目的としており、具体的なデータを引用した説明は比較的わかりやすい。

 とは言え、こう言っては身も蓋もないのだが「特段に目新しい投資手法やノウハウ」が載っているわけでは
ないのも事実。一通り投資を学んだり、経験した人は物足りなさを感じるかもしれない。

 また、数値データの説明が「文章」「数表」が中心で、「グラフ」「チャート」が少ないのもやや残念。

 内容で面白いと感じたのは、株価指数の日米比較でダウ30種平均の採用銘柄が2000年以降12社も入れ替わっ
た一方で、日経平均採用銘柄はほとんど入れ替えがないという指摘や、日本の値嵩株は1単位買うのに数百万
円になる半面、米国株は1株から投資可能で、ダウ平均の構成銘柄はすべて円ベースで4000円から3万6000円
の範囲に収まっている、といった意外に知られていない知識は参考になった。

 ただ日本に囚われず海外にも目を向けるべきという指摘には同意するが、全体を通じて米国株さらに言えば
ダウ30種平均株価に連動する投資信託への投資を勧める記述の配分が高いような気がした。同指数が数ある米
国株のなかでも特に優良な銘柄を組み入れているという事情は理解できるのだが。

 著者も当然この点には配慮していて、米国は「中国の台頭によって英国化する」、「日本のように高齢化、
人口減少社会になる」という巷にある懸念を払しょくする解説を展開している。
 
 その内容自体に特におかしいと思える点はないのだが、米国ファースト主義のトランプ政権の先行きや、65
ページにあるダウ平均株価の40年チャートをみると、「現時点で最高値圏にある米国株にここから投資するの
はどうなの?」と、非論理的な見方と言われそうだが悩んでしまう向きは多いのではないか。

 まあ投資対象を、他の先進国を含むMSCIコクサイ指数に変更したり、投資タイミングの時間分散を行うこ
とでリスク回避はかなり可能だとは思うが。

 読後の感想を言えば、現在の自分自身のポートフォリオがほぼ日本物(株式とREIT)で占められて点は改善
が必要だと感じたが、どうにも割高感の拭えないダウ30種平均よりは、MSCIコクサイもしくは、インドや一
部の東南アジア(ベトナムなど)への投資に振り向けた方がより将来性は期待できそうな気がする。

 新興国ファンドを買うという手もあるが、結果ポートフォリオが中国に集中することは、同国の政治・経済
状況の先行き不透明感を考えると避けたい。
 
 また、若い世代にとっては今後数十年の単位で投資することを考えれば、著者の指摘する日本独特の「地震
リスク」は避けて通れない問題だ。投資配分の一定比率を日本経済の影響から遮断する必要性は不可欠だろう。

「参考」にはなるが「絶対」ではないかと

 

定年破産絶対回避マニュアル

加谷 珪一

2019年3月20日

 最近よく見かける「老後」「定年後」のおカネをテーマにした対策本である。
  
 タイトルには定年破産の「絶対回避」とあるが、著者が第五章で「未来のことについて『絶対』と言い切る
のは、知的論議として、あまりにも乱暴だと思う」(p121)と述べているのと矛盾するのではないか、とも
思うのだが・・・まあここでは深く追及しないでおく。

 経歴によれば、著者は野村證券グループのファンド運用に携わった経験があることが影響しているのか、第
一章と第二章では資産運用として株式投資を勧めている。

 その基本スタンスは、国内外の株式への長期投資で、この考え方自体は至極まっとうな意見である。私自身
30年以上の株式投資歴があるのだがこの考えには賛同したい。
 
 ただ日本株について、iDeCoと積立NISAを推奨しているのだが、これにはやや疑問がある。

 まず会社員の場合、会社が「確定拠出年金」に加入していると、iDeCoには重複加入できない。この段階で
対象者が、基本的に国民年金の第1号もしくは第3号の被保険者に限られてしまう。とは言え、会社型の確定拠
出年金制度があって、実際に加入している人の比率はまだかなり低いのは事実なのだが。

 次に積立NISAだが、本書にもあるが投資対象が投資信託に限られるうえ、その本数も最大で一社35本まで、
積立NISA全体でも200本程度に過ぎない。非課税期間は20年と長いが掛け金は年額40万円までで、総額でも
800万円が上限だ。

 第一章の末尾にある「実際に銘柄を購入して、値上がり値下がりを実体験することは投資本を10冊読むより
良い」という趣旨に沿うならば、選択肢の限られる積立NISAの投資信託よりも、通常のNISAで自由に個別銘
柄などに投資した方がいいだろう。

 通常のNISAの非課税期間は5年だが、年間120万円まで投資できるので総額は600万円と積立NISAに比べて
格段に差があるわけではない。しかも投信よりも個別株の方が総じて値動きは大きいので、値上がりした銘柄
を益出しすれば、その分5年後に新たな投資枠も得られる。

 第二章のテーマであるグローバル投資についても一言。著者は顧客層の厚みという観点からネット関連では
「楽天」よりも「Amazon」、建設機械では「コマツ」よりも「キャタピラー」を推奨している。

 これは投資手法としては間違っていないが、海外の個別株に投資するには日本株以上に知識が必要になるだ
ろう。財務諸表などの開示資料や関連ニュースも基本的に英語なわけで、株式投資の初心者に海外銘柄の分析
を任せるのは荷が重いはずだ。

 個人的には、海外株投資ではインデックスファンドをオススメする。日本株ファンドに比べて手数料が高い
と思われがちな海外株ファンドだが、ちょっと探せば米国株でもアジア株でも信託報酬が年率0.1%以下のファ
ンドは存在する。

 他の章で面白いと感じたのは第三章の「マイホーム」。住宅を購入するのは貸借対照表(B/S)の資産に相
当する「投資」であり、賃貸するのは損益計算書(P/L)の費用に相当する「消費」だという指摘は、よくある
「購入・賃貸どっちが良い」という論争の問題の本質を突いた鋭い指摘だと思う。

 要するに考慮すべきポイントは物件の「収益力」であり、投資収益が維持できるのであれば「購入」すれば
よく、収益面のリスクが大きいならば「賃貸」が望ましいという理屈には、なるほどという説得力がある。

 読後の率直な感想を言えば、他の老後のマネー対策本に比較して、「絶対」に優れているという内容までで
はないと思うが、ちょっと変わった視点から資産運用などを検討してみたいと思っている人には、「参考」に
なる内容も多いのではないだろうか。

調理例の写真が食欲をそそる。解説も簡潔、丁寧

 

男の手作り燻製 ― 自慢の肴で今宵も一杯

2019年3月17日

 本書は初心者向けの燻製の手引き本であるが、その特徴は調理例の写真が食欲をそそるようにうまく撮れて
いること。

 当然ながらアップの写真が多いのだが、どれもトライしてみたいと感じるなかで、なかでも旨そうなのは
「燻製チャーシュー」と「鴨肉の燻製」。どちらも外側がパリッと、内側がしっとりとしていて、酒飲みでな
くても食してみたいと思うこと間違いなし。

 調理法の解説も簡潔、丁寧で理解しやすいうえ、難易度、調理時間などが料理ページの上部に共通項目とし
て書かれているのも配慮がきいている。

 やや気になったのは、「燻製入門」の項にある道具の説明。燻製機(中華鍋で可)とカセットコンロとスモ
ークチップの3点があれば調理可能とあるが、実際の調理の解説では「70℃で20分燻煙」などの表記があり、
温度計は不可欠なのだが、中華鍋に使える温度計の説明がないのは残念。

 とはいえ、他の燻製入門本も見てみたが、作り方の解説が主体で本書のように「燻製やってみたい感」をそ
そる調理例を写真で前面に出している本は見当たらなかった。その点だけを見ても本書はオススメである。

 まずは中華鍋で簡単にできる調理「味付け卵の燻製」などから始めて、徐々に機材とレパートリーを増やし
てくのが良いと思う。

観光は有望な事業になりうるが、弊害も多大。「適切な」管理、制限は不可欠

 

観光亡国論

アレックス・カー, 清野 由美

2019年3月11日

 著者のアレックス・カー氏は来日して55年、自ら築300年の古民家を購入し、地域再生コンサル等を手掛け
る「観光」の専門家である。

 本書では、政府主導で「観光立国」を目指す日本が観光客の急増に対応できず、「観光公害」が引き起こさ
れ、その結果「観光亡国」に局面に入った、との危機感から、日本を含む世界の観光地で何が起きていて、ど
こに問題があって、どのように対応すべきかを解説している。

 その切り口は、「宿泊」「オーバーキャパシティ」「交通」「マナー」など多岐にわたるが、共通する問題
として著者が指摘するのは、観光政策には「適切なマネージメントとコントロールが必要」ということだ。

 マネージメント(管理)、コントロール(制限)というと、役所や業者は「〇〇禁止」の看板を乱発したり、
景観を無視したコンクリート建造物を設置という方向に向かいがちだが、著者が説くのは従来の法律や慣習を
乗り越えた「創造的」な解決案だ。

 失策の原因として挙げられるのが、日本の観光業が高度成長時代の「量を重視する観光」が根を張っていて、
「質を重視する観光」に対応できていないこと。観光産業の目標や成果をいまだに何万人という「人数」で測
るのがその見本だ。

 また、典型的な事例として、奄美大島の大型クルーズ船の寄港地建設計画がある。奄美市の人口が4万人強
のところに、7000人規模の中国からの観光客を誘致する案だが、「現地には観光客を受け入れる施設はなにも
ない状態」(p169)で、税金を投入するお決まりのハコモノ公共工事は必至。

 しかもクルーズ船の観光客は、宿泊、食事などを船内で済ませる傾向が強く、「クルーズ船の観光客の使う
お金の56%はクルーズ船に還流する」(p173)という調査結果も紹介している。多額の税金を使って、潤う
のは「建設・土木業者」と「クルーズ船の運営会社」なのだ。

 こうした既存の観光業の在り方に対して、著者が提案するのは「ゾーニング」と「小型観光」。

 ゾーニングとは「分別」という意味で、観光という見地から文化の価値を見据えて、「どこに何を作るのか、
作らせないかを決めていくこと」(p176)。これには関係者の「知性」と「意識」が不可欠だとしている。

 小型観光の方は、文字通りの意味だが、おカネをより使ってくれそうに思える大型バス等の観光客は、名所
を次々と回る(これは土産物屋からのキックバック狙いが主因と思われる)ため滞在時間が少なく、観光地で
もトイレを使って、缶飲料を自販機で買って、ゴミを捨てて、インスタグラムの写真を撮っておしまい、とい
うせいぜい数百円程度の消費しかしないことが多いそうだ。

 小型観光をターゲットにすれば、大型の駐車場や道路の拡幅も不要、本当に来たい旅行者だけがきてくれる
という本来あるべき効果も見込めるらしい。

 日本には全国に、まだまだ未開発の魅力的な観光地は多く残されていると思う。観光で地域を振興させるの
は構わないが、関係者には「量の観光」から「質の観光」へと意識改革を進めて、より多くの旅行客に日本の
本来の魅力を知ってほしいと思う。

 補足になるが、日本人得意の「おもてなし」も少人数の観光客を相手にしてこそ、その本領が発揮できるの
ではないだろうか。

孤独は「一人でいること」ではなく「自分を認識すること」

 

続・孤独のすすめ-人生後半戦のための新たな哲学

五木寛之

2019年3月8日

 最近よく見かけることの多い「孤独」関連本だが、本書は大作家五木寛之氏が書いた「孤独のすすめ」の
続編である。

 前作を読んでいないので恐縮ではあるが、本書の内容を簡潔にまとめると「孤独は恐れるべきものではな
い。一人でいることが孤独なのではなく、本当の自分を見つめ直すことに孤独の意義がある」ということだろ
うか。

 これを説明する具体的な文章を引用すると、「孤独の持っている恐ろしさや孤立感から目をそむけるわけに
はいかない。安直な絆だけを求めてはだめで、ひとりで生きてゆくことの意味を問うべきだ」(p44)という
ことになる。

 まあここまでは、よくある「孤独は悪くない本」と同じ論調なのだが、著者は1932年生まれの80歳台後半、
知り合いや友人が次々と亡くなっていくそうだが、「なぜかさびしいという感情はない」(p92)そうだ。
つまり「死」をきっかけに「孤独」を意識はしないということだろう。

 失礼ながら著者自身がいつ亡くなってもおかしくない年齢なので、「死」はもはや当然のこととして受け入
れられるのだろうが、「死はもう一つ別な、新しい旅の始まり」(p94)という考え方は、「孤独」とともに、
迫り来る「老い」や「死」を恐れる60代ぐらいのシニアには思いつかない発想だと思う。

 第五章「孤独を楽しむ」にある具体的な手法については残念ながら目新しいものは見当たらないが、他の章
にある仏教の教えや故事などを引用した解説には、さすが作家とも言うべき面白さが感じられた。

 いわゆる「孤独」を正面から堂々と論じるというよりは、「そんなに真剣にならなくても」というさりげな
いアドバイスが印象に残る孤独本だった。

消費税は引き上げどころか、そもそも不要?

 

政治家も官僚も国民に伝えようとしない増税の真実

高橋洋一

2019年3月7日

 本書は、消費税の引き上げの必要性を否定することを主たる目的としているが、その背景にあるのは、消費
税の在り方そのものに対する世間の誤認識があるという主張だ。

 具体的には、「日本の消費税の最大の欠陥は、社会保障制度の財源とすると定められている点」(P5)で、
「存在すること自体が間違っている」(同)とまで言い切っている。

 とは言え一方で、消費税は「徴税コストが少なく、安定的な財源である」(p24)ので、「教育や水道など
の地方自治体の公共サービスとして地方税が相合しい」(同)とも述べているので全くの消費税不要論者では
ないのだが。

 第一章は消費税導入から現在までの経緯の説明が主たる内容で、本論は第二章から始まる。

 まず、年金は「福祉」ではなく「保険」であり、足りない分は支払う「保険料」を引き上げるべきであり、
税金を投入するのであれば低所得者層に影響の大きい「消費税」ではなく、累進課税によって富裕層の「所得
税」を充てるべきとしている。

 ただ、この所得税を持ってしても足りない分は、現在の社会保険料の徴収漏れを補足すべきで、著者によれ
ば最大10兆円程度の「取りっぱぐれ」があるそうだ。そこで出てくるのが第三章の「歳入庁」構想だ。具体的
には国税庁と日本年金機構の徴収部門の統合であり、徴税コストの低減など効率的な運用が可能になる。

 統合によってポスト、予算などが削減される官僚からは物凄い抵抗が予想されるが、何とか政治決断で頑張
ってほしいものである。

 ちなみに本書によれば、国税庁の補足する法人数が280万社である一方、日本年金機構の把握している法人
数は200万で、この差の80万社は従業員から年金保険料を取りながら実際には年金機構に払っていないことに
なるらしい。これは率にすると28%、実に10社に3社は保険料の「横領」をしていることになる。

 これは勤労者の立場に立つと、本来受け取れる年金が勤め先の「組織犯罪」によって失われることになる訳
で、長年保険料を払ってきたと自覚している者にとって、いざ受給開始年齢となったら「あなたに年金受給の
資格はありません」で済む話ではないだろう。

 問題が発覚するのが、保険料の負担開始から何十年も先の話なのでまだ問題が表面化していないのかもしれ
ないが、現実化したら大きな社会問題になるのは間違いない。

 しかも、「未納」会社の責任を追及しようにも、保険料を横取りするような悪質な企業が何十年も存続して
いるとは到底考えにくい。結局は国民全体の負担になってしまうのだ。

 第四章以降も、「年金制度」「財政問題」などをテーマに消費税の引き上げ不要論を展開している。

 総じて論理的な話の進め方で納得できる内容ではあるのだが、やや疑問に感じたのは第六章の「相続税の二
重課税問題」。筆者は、故人が生前に課税されて残した財産に、死亡をきっかけに新たに相続税を課すのが二
重課税に該当するとしている。

 だが、生前の税負担は財産の保有者であり、死後の税負担は相続人という別人である。加えて言えば、財産
を築いた本人は多くの場合、大変な苦労と税負担に耐えたと思われるが、相続人にとっては介護負担などを除
けば、努力も苦労もせずに取得できる「不労所得」の一種ではないだろうか。

 個人的には、一定水準以上の相続分については100%課税でも良いのではないかと思っている。当然ながら
こうなると「生前贈与」が増えるのは確実なので、贈与税の強化も必要になるが。

 本書でも舌鋒の厳しさは相変わらずだが、今回は「消費税」というテーマに内容を絞り込んだのが奏功して
いるほか、増税が実現するかどうかが決まる直前のタイミングというのも絶妙だと思う。

 ちなみに筆者によれば、延期を決定するのであれば5月1日の改元前後で、理由は「新しい元号の下、新し
い時代が始まる年にいきなり増税をするのはいかがなものか」という政治家の“勘”が働くのではないかという
見立てだ。

 いずれにせよ今年最大の経済テーマである「消費税」の在り方を問う専門家の意見として、「参考」になる
のは間違いないと思う。

【追記】
 細かい話で恐縮だが、第一章の見出し「消費税増税」について。「税」の「増税」いうのは言葉としてダブ
リ感がある。いわば「頭痛が痛い」のようなものだ。ここは、「消費税の引き上げ」が正しい日本語だと思う
のだが。

LTE対応、フルHD、メモリ8GB、SSD240GBでこの価格はお買い得

 

mouse ノートパソコン LTE対応 SIMフリー

2019年3月2日

 購入時には5万8000円台だったが、現在はちょっと値上がりしているとはいえ、LTE対応(Docomo)で、
液晶はフルHDの13.3インチ。メモリも8GBあって、SSDは240GBと十分。

 唯一気になるのがCPUがCeleron 3865Uという点と1.5kgという重さだが、画像や動画を編集したり、大量の
データ処理をエクセルでするのでなければ、処理速度に不満が出ることはないと思う。

 重さも最近の1kgを切るような機種に比べれば重いのは確かだが、カバンに入れてしまえば実際にはさほど
重さは感じない。これで6万円台前半なら十分にお買い得だ。

 ちなみにSIMにはNTT系のOCNを使っているが、マウスコンピュータの24時間サポートもあって、すぐに屋
外でネットが使えるようになった。スピードも速いとは言わないが、ストレスを感じるほど遅くはない感じ。

 OCNはタブレット端末で1日110GBのコースを利用しているのだが、1枚目の半額で2枚目のSIMが購入で
きるうえに、データ容量は共有できるので無駄がない。しかも一カ月に使用できるデータ容量は計算上は約3G
Bだが、契約しているのは1日当たりの上限なので月初めに使い切ってしまうことがないという安心感もある。

 仕事使いがメインでLTE環境でガンガン大量のデータを使いまわすというのでなければ、本機で必要十分で
はないだろうか。

 あと使っていて気になるのが、SDカードの差し込みが途中までで1cmほど本体から出っ張るうえ、ノート
PCによくあるカードを「いったん押してその反動で引き抜く」のではなく、そのままスッと引き出す仕様な
ので、やや接続状態の維持にやや不安があること。

 まあこれは注意して使うしか対応策はないのだが、変なところにコストをケチっているような気がするのが
ちょっと残念。

どう読んでも「中立を期して書いた」公平な分析とは到底思えない

 

リベラルを潰せ ~世界を覆う保守ネットワークの正体

金子 夏樹

2019年3月1日

 筆者はあとがきで、「可能な限り、中立を期して書くようにしたつもりだ」と、左派、右派のどちら側にも
偏らず、公平な分析をもとに本書を執筆したとしているが、読後の感想から言えば、どう見ても「左側」に寄
り添った内容である。

 例えば、「保守反動ネットワークは、敵失を見逃さない」(p244)としているが、安倍政権の敵失の追及
にこだわってばかりで、何ら国家の将来に関わる建設的な議論ができないのは日本の野党の責任ではないか。

 すべての野党の支持率を合わせても、自民党一党に大きく及ばないのは、自民党に代わる責任政党としてす
べての野党を国民が認めていないことの証左だ。まあ、自民党への支持もどちらかと言えば「消極的で、消去
法で仕方がなく」という側面があるのは否定しないが。

 まあタイトルが「リベラルを潰せ」なので、この手の話の進め方は本書を読む時点で分かり切った話ではあ
るのだが。

 個人的に問題だと思うのは、著者が本気で「公平な立場から書いた」と思っている可能性が極めて高いこと
だ。
 これは「左側」にいる人に共通するように思うのだが、どうも彼らの主義・主張は他人が見て「まだかなり
左に寄っている」と思えるぐらいが、彼らには「かなり妥協した真ん中」ぐらいになるのだろう。

 そういう前提で本書を読むと、「左側」の人の考える「中立的な立場」というものが理解できるという点で、
本書は役に立つと言えるのかもしれない。